確率・統計解析

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 確率・統計解析
科目番号 I3022 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 SD 情報セキュリティコース 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 【参考書】新確率統計、著:高遠 節夫ほか、発行:大日本図書
     データ分析入門、瓜生 真也、徳島大学デザイン型AI教育センター
担当教員 山田 隆行

到達目標

現在は高度情報化社会であり、日々、膨大なデータが情報機器上に蓄積されている。それらのデータから有用な情報を抽出し、利用していくためには、確率・統計の応用が不可欠である。本科目では、実践を通して、データの整理の方法や基礎統計量の算出および仮説検定を行ない、確率・統計の考え方を活用できるようになることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
データの整理1次元や2次元のデータ全体のようすを度数分布やヒストグラムなどで可視化してまとめることができる。データ全体のようすをつかむ度数分布やヒストグラムの作成できる。データ全体のようすをつかむことができない。
基礎統計量11次元のデータについて代表値,平均,中央値,最頻値,分散,標準偏差,範囲,四分位,箱ひげ図をつかって分析することができる。代表値,平均,中央値,最頻値,分散,標準偏差,範囲,四分位,箱ひげ図を計算したり図を書くことができる。基礎統計量が計算できず、意味もわからない。
基礎統計量22次元のデータの相関係数や回帰曲線を計算することができる。2次元のデータの相関係数や回帰曲線の意味と求め方がわかるる。2次元のデータの関係を表すことができない。
仮説検定実際のデータを解析して、仮説検定を行うことができる。実際のデータ解析に用いられる仮説検定を説明できる。実際のデータ解析に用いられる仮説検定を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
理論の実践的な理解と応用ができるように講義形式の授業や演習およびンピュータを用いた実習を並行して行う。
授業の進め方・方法:
数学的内容を講義によって理解するとともに、演習により理解度を確認する。
また、コンピュータを用いて実際のデータ処理を行いながら、大規模なデータ解析について実践的に学んでいく。
注意点:
【履修上の注意】
この科目を履修するにあたり、基礎的な数学並びにプログラミング能力の習得が望まれる。
数学活用で履修する内容を含むため、進度等により授業の入替えや変更の場合もある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
確率・統計の基礎
確率論に基づいた統計的手法の一般的な流れについて理解する。
2週 度数分布、ヒストグラム データの整理の方法として1次元のデータについて、度数分布およびヒストグラムについて学ぶ。
3週 代表値、平均、中央値、最頻値 基礎統計量として1次元のデータについて、代表値、平均、中央値、最頻値の求め方を学ぶ。
4週 平均、分散、標準偏差 基礎統計量として1次元のデータについて、平均、分散、標準偏差の求め方を学ぶ。
5週 散布度、四分位、箱ひげ図 基礎統計量として1次元のデータについて、散布度をみるために四分位や箱ひげ図の表し方について学ぶ。
6週 データの整理(2次元のデータ)
相関、共分散、相関係数
データの整理の方法として2次元のデータについて、相関や共分散の意味を理解し、相関係数の求め方について学ぶ。
7週 最小2乗法、回帰曲線 データの整理の方法として2次元のデータについて、最小2乗法の意味について理解し、回帰曲線の求め方について学ぶ。
8週 統計的検定 統計的検定の概要について学ぶ。
4thQ
9週 仮説検定のしくみ 帰無仮説や対立仮説の立て方。有意水準、棄却域を学び、仮説検定のしくみを理解する。
10週 χ2検定 観測度数と期待度数からχ2値を計算して、自由度nのχ2分布表を用いて仮説の検定を行う。
11週 乱数検定 χ2乗値を使って乱数の検定を行う。
12週 綜合演習1 コンピュータを用いて、度数や平均、分散などの基礎統計量を計算する。
13週 綜合演習2 コンピュータを用いて、ヒストグラム、散布図などの可視化を行う。
14週 綜合演習3 セキュリティ分野への応用として事例を用いて実習を行う。
15週 綜合演習解説
まとめ
実習の解説を行い、実践理解を深める。
全体を通じたまとめを行う。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。4
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。4
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。4
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。4
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。4
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。4
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。3
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。3
変数の概念を説明できる。3
データ型の概念を説明できる。3
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。3
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。3
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。3
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。3
情報数学・情報理論コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。3
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力4000002060
専門的能力1000001020
分野横断的能力1000001020