概要:
土木・建築工学に必要な専門的基礎知識を習得するために,構造力学Ⅰ(2年)で学習したつり合い式の基礎知識を基に、梁・ラーメン・トラスの支点反力・応力(断面力)を求め、また構造部材の断面の性質を表す諸量を使ってその内部に生じる応力を計算し、部材内部の応力状態を理解する。これにより、土木・建築技術者としての構造力学に関する専門的基礎知識を習得することができる
授業の進め方・方法:
最初に、講義を通して基礎的な知識を学習し、そして構造力学の解法を学習する。これを踏まえて次に、問題や配布する課題配布プリントを通して、学生自身が自分の手を動かして構造力学の問題解法を行う講義形式とする
注意点:
定期試験の成績(60%)、配布プリント課題・講義ノート(30%)、授業態度(10%)を基準として総合的に評価する。各期の成績は、学年始めから各期までの成績を平均して評価する。土木・建築技術者が身につけるべき専門基礎として、到達目標に対する達成度を試験・提出物等において評価する
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
支点・反力、集中荷重、等分布荷重、反力計算手順 |
反力計算ができるようになる
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2週 |
応力、単純梁の応力計算-1 |
応力の復習、応力計算ができるようになる
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3週 |
単純梁の応力計算・応力図(斜め荷重、等分布荷重)-2 |
単純梁の応力計算(斜め荷重、等分布荷重)-2を解き、応力図が描ける
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4週 |
単純梁の応力計算・応力図(モーメント荷重)-3 |
単純梁の応力計算(モーメント荷重)-3を解き、応力図が描ける
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5週 |
単純梁の応用問題の応力計算・応力図(斜め荷重、等分布荷重)-4 |
単純梁の応用問題の応力計算(斜め荷重、等分布荷重)を解き、応力図が描ける
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6週 |
演習問題、せん断力と曲げモーメントの関係 |
演習問題が解ける、せん断力と曲げモーメントの関係を理解する
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7週 |
ラーメンについて、ラーメンの応力計算解法、応力図-1 |
ラーメンについて理解する、ラーメンの応力計算ができ、ラーメンの応力図が描ける
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8週 |
ラーメンの応力計算解法、応力図-2 |
ラーメンについて理解する、ラーメンの応力計算ができ、ラーメンの応力図が描ける
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2ndQ |
9週 |
ラーメンの応力計算解法、応力図-3 |
ラーメンについて理解する、ラーメンの応力計算ができ、ラーメンの応力図が描ける
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10週 |
ラーメンの応力計算解法、応力図-4、3ヒンジラーメンの応力計算解法、応力図 |
3ヒンジラーメンの応力計算ができ、ラーメンの応力図が描ける
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11週 |
ラーメンの応力計算解法、応力図-4、3ヒンジラーメンの応力計算解法、応力図 |
3ヒンジラーメンの応力計算ができ、ラーメンの応力図が描ける
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12週 |
トラスについて、トラスの解法-1(算式解法) |
トラスの算式解法を理解する
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13週 |
トラスについて、トラスの解法-2(算式解法) |
トラスの算式解法を理解する
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14週 |
トラスについて、トラスの解法-3(算式解法) |
トラスの算式解法を理解する
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15週 |
トラスについて、トラスの解法-4(算式解法) |
トラスの算式解法を理解する
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16週 |
トラスについて、トラスの解法-5(算式解法) |
トラスの算式解法を理解する
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後期 |
3rdQ |
1週 |
断面の性質、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出-1 |
断面の性質について理解する、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出できる
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2週 |
断面の性質、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出-2 |
断面の性質について理解する、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出できる
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3週 |
断面の性質、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出-3 |
断面の性質について理解する、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出できる
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4週 |
断面の性質、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出-4 |
断面の性質について理解する、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出できる
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5週 |
断面の性質、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出-5 |
断面の性質について理解する、断面一次モーメント,図心,断面二次モーメントについての断面諸量の算出できる
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6週 |
応力度について、圧縮応力度、引張応力度について-1 |
応力度についての考え方を理解する、圧縮応力度、引張応力度について理解する
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7週 |
曲げ応力度、せん断応力度について-2 |
曲げ応力度、せん断応力度について理解する
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8週 |
各応力度計算-1 |
各応力度計算が計算できる
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4thQ |
9週 |
各応力度計算-2 |
各応力度計算が計算できる
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10週 |
許容応力度について、許容応力度設計について |
応力度設計について 許容応力度について理解する、許容応力度設計を理解する
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11週 |
許容応力度設計 |
許容応力度設計を行って、基本的な設計の考え方を学ぶ
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12週 |
座屈について-1、長柱、短柱について |
座屈について学ぶ、座屈の地震被害を学ぶ
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13週 |
座屈について-2、座屈荷重について |
座屈荷重について学ぶ
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14週 |
座屈について-3、座屈荷重について |
座屈荷重について学ぶ
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15週 |
柱の設計-1 |
柱の設計について学ぶ
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16週 |
柱の設計-2 |
柱の設計について学ぶ
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 構造 | 建築構造の成り立ちを説明できる。 | 3 | |
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。 | 3 | |
力の定義、単位、成分について説明できる。 | 3 | |
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。 | 3 | |
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 3 | |
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。 | 3 | 前1 |
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。 | 3 | |
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。 | 3 | |
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。 | 2 | 前2 |
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。 | 2 | |
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。 | 2 | |
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。 | 3 | |
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。 | 2 | |
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。 | 3 | |
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。 | 3 | |
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。 | 3 | |
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。 | 3 | |
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。 | 2 | |
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。 | 2 | |
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。 | 3 | |
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。 | 3 | |
ラーメンやその種類について説明できる。 | 2 | |
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。 | 3 | |
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。 | 2 | |
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。 | 3 | |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 3 | |
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。 | 3 | |
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。 | 3 | |
木構造の特徴・構造形式について説明できる。 | 3 | |
木材の接合について説明できる。 | 3 | |
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。 | 3 | |
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。 | 2 | |
S造の特徴・構造形式について説明できる。 | 3 | |
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。 | 3 | |
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。 | 3 | |
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。 | 3 | |
曲げ材の設計の計算ができる。 | 3 | |
継手の設計・計算ができる。 | 3 | |
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。 | 3 | |
溶接接合の種類と設計法について説明できる。 | 3 | |
仕口の設計方法について説明ができる。 | 3 | |
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。 | 3 | |
構造計算の設計ルートについて説明できる。 | 3 | |
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。 | 3 | |
断面内の応力の分布について説明できる。 | 2 | |
許容曲げモーメントを計算できる。 | 3 | |
主筋の算定ができる。 | 3 | |
釣合い鉄筋比について説明ができる。 | 3 | |
中立軸の算定ができる。 | 3 | |
許容せん断力を計算できる。 | 3 | |
せん断補強筋の算定ができる。 | 3 | |
終局曲げモーメントについて説明できる。 | 2 | |
終局剪断力について説明できる。 | 2 | |
断面内の応力の分布について説明できる。 | 2 | |
許容曲げモーメントを計算できる。 | 3 | |
MNインターラクションカーブについて説明できる。 | 2 | |
主筋の算定ができる。 | 3 | |
釣合い鉄筋比について説明ができる。 | 3 | |
中立軸の算定ができる。 | 3 | |
許容せん断力を計算できる。 | 3 | |
せん断補強筋の算定ができる。 | 3 | |
終局曲げモーメントについて説明できる。 | 2 | |
終局剪断力について説明できる。 | 2 | |
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。 | 2 | |
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。 | 2 | |
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。 | 3 | |
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。 | 2 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 建設系分野【実験・実習能力】 | 建設系【実験実習】 | 距離測量について理解し、器具を使って測量できる。 | 3 | |
トラバース測量について理解し、器具を使って測量できる。 | 4 | |
水準測量について理解し、器具を使って測量できる。 | 3 | |
セオドライトによる角測量について理解し、器具を使って測量できる。 | 4 | |
骨材のふるい分け試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | |
骨材の密度、吸水率試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | |
コンクリートのスランプ試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | |
コンクリートの空気量試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | |
コンクリートの強度試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | |
各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。 | 3 | |
土粒子の密度試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | |
液性限界・塑性限界試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | |
粒度試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | |
透水試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | |
突固めによる土の締固め試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | |
一軸圧縮試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | |
層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。 | 3 | |
各種の流量測定の方法を理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | |
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、実験ができる。 | 3 | |
DO、BODに関する実験について理解し、実験ができる。 | 3 | |
pHに関する実験について理解し、実験ができる。 | 3 | |