離散数学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 離散数学
科目番号 I3053 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 SD 情報セキュリティコース 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 情報数学の基礎(第2版),著:幸谷智紀・國持良行,発行:森北出版
担当教員 松本 剛史,岡村 修司

到達目標

計算機科学の基礎である,(1)集合と論理,(2)関係と写像,(4)代数系,(3)グラフ理論の基礎概念を理解し,課題として提示される標準的な演習問題を解けるようになることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
集合と論理集合と論理に関する基礎事項を問題の解法に応用できる。集合論と論理に関する基礎事項を説明できる。集合論と論理に関する基礎事項を説明できない。
関係と写像関係と写像に関する基礎事項を問題の解法に応用できる。関係と写像に関する基礎事項を説明できる。関係と写像に関する基礎事項を説明できない。
代数系代数系に関する基礎事項を問題の解法に応用できる。代数系に関する基礎事項を問題の解法に応用できる。代数系に関する基礎事項を問題の解法に応用できる。
グラフ理論グラフ理論に関する基礎事項を問題の解法に応用できる。グラフ理論に関する基礎事項を問題の解法に応用できる。グラフ理論に関する基礎事項を問題の解法に応用できる。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
離散数学は,可算有限個の要素の数え上げやその関係性を考察する数学の分野で,計算機科学の基礎となる。その内容には様々なものが含まれるが,本科目では,その中でも,どのような情報処理においても必須となる (1)集合と論理,(2)関係と写像,(3)グラフ理論の初歩を学ぶ。
授業の進め方・方法:
基礎事項を講義によって解説し,それを演習問題を通して確実に理解し,応用していけるようになることを目指す。
必要に応じて,電卓や計算機等も用いる。
注意点:
離散数学では,微積分は必要ではなく,整数間の四則演算が基本となるが,だからといって、理解が容易であるというわけではない。また,単に基礎公式を暗記し,そのまま使うことで解決する問題はほとんどなく,問題毎の考察が必要となる。演習問題を自力で根気よく解いていく学習態度が必要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 集合と論理(1):部分集合、べき集合、集合の要素数 集合の基礎を理解し,関連する演習問題が解ける。
2週 集合と論理(2):命題、述語、限量子 命題論理・述語論理について理解し,関連する演習問題が解ける。
3週 集合と論理(3):限量子付き述語論理 限量子付き述語論理について理解し,関連する演習問題が解ける。
4週 集合と論理(4):証明、推論 様々な証明方法および推論について理解し,関連する演習問題が解ける。
5週 関係と写像(1):関係、関係の合成、逆関係、同値関係、同値類 関係および同値関係について理解し,関連する演習問題が解ける。
6週 関係と写像(2):写像、単射と全射 写像とその性質(単射、全射)について理解し,関連する演習問題が解ける。
7週 関係と写像(3):全単射写像、置換、集合の濃度 全単射写像と集合の濃度について理解し,関連する演習問題が解ける。
8週 関係と写像(4):半順序関係、ハッセ図 半順序関係について理解し,関連する演習問題が解ける。
4thQ
9週 代数系(1):二項演算、単位元、逆元、演算表 二項演算,単位元,逆元について理解し,関連する演習問題が解ける。
10週 代数系(2):半群、モノイド、群 半群,モノイド,群について理解し,関連する演習問題が解ける。
11週 代数系(3):巡回群、生成元 巡回群や生成元について理解し,その応用に関する問題が解ける。
12週 代数系(4):環、体、多項式環 環と体について理解し,関連する演習問題が解ける。
13週 グラフ理論(1):グラフ、木、径路 グラフ理論の基礎概念を理解し,関連する演習問題が解ける。
14週 グラフ理論(2):全域木、探索 全域木およびグラフ上の探索について理解し,関連する演習問題が解ける。
15週 グラフ理論(3):彩色問題 グラフ理論を用いた彩色問題の解法を理解し,その応用に関する問題が解ける。
16週 グラフ理論(4):グラフと線形代数 グラフ理論と線形代数の関係について理解し,関連する演習問題が解ける。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。4
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。4
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。4
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。4
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。4
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。4
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。4
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。4
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。4
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。4
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。4
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。4
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。4
情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。4
情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。4
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。4

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力5050
専門的能力5050