計算機科学の基礎である,(1)集合と論理,(2)関係と写像,(3)数列,(4)固有値,(5)グラフ理論の基礎概念を理解し,課題として提示される演習問題(大学入試問題を含む)を解けるようになることを目標とする。
概要:
離散数学は,集合、論理、グラフ理論などを扱う数学の分野で,計算機科学の基礎となる。その内容には様々なものが含まれるが,本科目では,その中でも,(1)集合と論理,(2)関係と写像,(3)数列,(4)固有値,(5)グラフ理論の初歩を学ぶ。
授業の進め方・方法:
基礎事項を講義によって解説し,それを演習問題を通して確実に理解し,応用していけるようになることを目指す。
また、必要に応じて,Pythonによるプログラミングを用いる。
注意点:
離散数学では,微分積分は必要ではなく,それよりも整数の扱いが重要である。また、漸化式で定義される数列の一般項を、行列を用いる事によって容易に求めることができる。単に基礎公式を暗記し,そのまま使うことで解決する問題はほとんどなく,問題毎の考察が必要となる。大学入試問題を数多く解くことにより、基礎的な計算力の涵養を図る。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 3 | |
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。 | 3 | |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 3 | |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 3 | |
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 3 | |
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。 | 3 | |
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。 | 3 | |
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。 | 3 | |
簡単な連立方程式を解くことができる。 | 3 | |
無理方程式・分数方程式を解くことができる。 | 3 | |
1次不等式や2次不等式を解くことができる。 | 3 | |
恒等式と方程式の違いを区別できる。 | 3 | |
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。 | 3 | |
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | |
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。 | 3 | |
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。 | 3 | |
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | |
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | |
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。 | 3 | |
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | |
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | |
2点間の距離を求めることができる。 | 3 | |
内分点の座標を求めることができる。 | 3 | |
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。 | 3 | |
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。 | 3 | |
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。 | 3 | |
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。 | 3 | |
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。 | 4 | |
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。 | 4 | |
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。 | 4 | |
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。 | 4 | |
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。 | 4 | |
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。 | 4 | |
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。 | 3 | |
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。 | 3 | |
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。 | 3 | |
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。 | 3 | |
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。 | 3 | |
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。 | 3 | |
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。 | 3 | |
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。 | 3 | |
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | |
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | |
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。 | 3 | |
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 情報数学・情報理論 | 集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。 | 4 | |
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。 | 4 | |
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。 | 4 | |
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。 | 4 | |
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。 | 4 | |
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。 | 4 | |
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。 | 4 | |
情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。 | 4 | |
情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。 | 4 | |
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。 | 4 | |