概要:
情報工学に関する専門技術を修得する科目として,データベースの概念,構築法,関係データベース構築ツールの使用方法およびデータベース管理システムについて学ぶ。
授業の進め方・方法:
前半半分は,講義と小課題演習を行うことでデータベースの基本概念を確認する。与えられた課題を全てこなすこと。また,後半では,SQL演習と各自自由な仕様設計に基づいた課題作品の製作を課すので,積極的に実践しやり遂げること。
注意点:
【成績評価の方法・基準】
提示した課題が全て提出されていることが単位認定の必要条件である。試験の成績60%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)40%の割合で総合的に評価する。実務に応用できる専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。また,RDBの利用能力の程度を評価する。
【事前・事後学習】
事前学習として,事前に学内限定で公開する授業資料の該当部分を読んだうえで理解が難しかった部分をまとめてから授業に臨むこと。また,事後学習として授業内で指示した課題レポート等を提出すること。製作課題については,授業時間外の学習時間等を活用して,やり遂げること。
【学修単位科目(授業時間外の学習時間等)】
本科目は学修単位のため,以下の標準学習時間を設定した自主学習を累計45時間分以上実施しなければならない。
・全15回の授業に対して,0.5時間の事前学習と1.5時間の事後学習。計30時間分。
・夏期休業中とその前の一定期間に製作課題として15時間分。
【履修上の注意】
この科目を履修するにあたり,3年生のアルゴリズムとデータ構造,情報代数の内容を十分に理解しておくこと。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーション,データベースとは(学習目的,到達目標,学習方法の指導) |
データベースを利用した実用システムの具体例を呈示できる。
|
2週 |
データベースとは:データベース,データの⼀元管理と共有化 |
データベースの概念の理解ができる。
|
3週 |
関係データモデルと関係代数:データモデル,スキーマ,インスタンス |
データベース構造を記述するデータモデルが理解できる。
|
4週 |
関係データモデルと関係代数:データモデル,スキーマ,インスタンス |
データベース構造を記述する関係の操作が理解できる。
|
5週 |
SQL概要:RDBMS,SQL |
問い合わせ処理の概要が説明できる。
|
6週 |
SQLの基礎:問い合わせの記述 |
問い合わせ処理の理解と実践ができる。
|
7週 |
SQLの基礎:問い合わせの記述の組合せ |
問い合わせ処理の理解と実践ができる。
|
8週 |
概念モデル・設計と正規化:実体関連モデル,関係論理、正規形 |
実体関連モデルの基本概念が理解できる。
|
2ndQ |
9週 |
概念モデル・設計と正規化:実体関連モデル,関係論理、正規形 |
関係モデルの主キー,正規形を説明できる。
|
10週 |
データベースシステム: RDBの操作方法 |
RDBの基本操作方法を学ぶため,自分マニュアルを作成できる。
|
11週 |
データベース演習:関係データベースの設計・作成,テーブル,クエリー,フォーム,レポート作成 |
データベースを実装することができる。
|
12週 |
RDBによる課題実習:RDBの操作法,関係データベースの設計・作成,テーブル,クエリー,フォーム作成 |
データベースを実装することができる。
|
13週 |
データベース管理システム,ファイル編成:ファイル編成,インデックス,B⽊ |
レコードとファイル,索引,B⽊が理解できる。
|
14週 |
障害回復,トランザクションと同時実⾏制御:障害回復,ロールバック,トランザクション,ACID特性 |
障害回復⽅法やトランザクションの概念が理解できる。
|
15週 |
障害回復,トランザクションと同時実⾏制御:障害回復,ロールバック,トランザクション,ACID特性 |
障害回復⽅法やトランザクションの概念が理解できる。
|
16週 |
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | ソフトウェア | アルゴリズムの概念を説明できる。 | 3 | |
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。 | 3 | |
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。 | 3 | |
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。 | 3 | |
時間計算量によってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。 | 3 | |
領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。 | 3 | |
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。 | 3 | 前9,前10 |
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。 | 3 | 前11,前12 |
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。 | 3 | 前13,前14 |
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造を実装することができる。 | 3 | 前14,前15 |
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。 | 3 | 前8,前11 |
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。 | 3 | |
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。 | 3 | |
システムプログラム | コンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。 | 3 | |
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。 | 3 | |
排他制御の基本的な考え方について説明できる。 | 3 | |
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。 | 3 | |
情報数学・情報理論 | 集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。 | 3 | 前3,前4 |
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。 | 3 | 前3,前4 |
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。 | 3 | 前4 |
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。 | 3 | |
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。 | 3 | |
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。 | 3 | |
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。 | 3 | |
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。 | 3 | |
情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。 | 3 | |
情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。 | 3 | |
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。 | 3 | |
その他の学習内容 | データモデル、データベース設計法に関する基本的な概念を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5 |
データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。 | 4 | 前6,前7,前8,前9 |