ハードウェアセキュリティⅡ

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 ハードウェアセキュリティⅡ
科目番号 I5016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 SD 情報セキュリティコース 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書は使わず、随時、授業資料等を配布する。
担当教員 山田 隆行

到達目標

1. ハッシュ関数ついて理解する。
2. ハッシュ関数の電子透かしへの応用について理解する。
3. アナログホールについて理解する。
4. 顔検出技術とプライバシー侵害について理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ハッシュ関数について理解し、アルゴリズムについて説明することができる。ハッシュ関数について理解できる。ハッシュ関数について理解できない。
評価項目2ハッシュ関数の電子透かしへの応用について理解し、アルゴリズムについて説明することができる。ハッシュ関数の電子透かしへの応用について理解できる。ハッシュ関数を電子透かしへ応用できない。
評価項目3アナログホールについて理解し、事例などについて説明することができる。アナログホールについて理解できる。アナログホールについて理解できない。
評価項目4顔検出技術とプライバシー侵害について理解し、他者に説明することができる。顔検出技術とプライバシー侵害について理解できる。顔検出技術とプライバシー侵害について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代社会では、IoTにより様々なモノがインターネット化され、収集されたビックデータがデジタル化され仮想化されることから、フィジカル(実世界)とサイバー(仮想世界)が融合した社会環境でのセキュリティを考える必要がある。本講義では、前半でハッシュ関数について学び、これを前期で学んだ電子透かしに応用することで画像の改ざん検出を行う手法について示し、手法を実装したアプリケーションについて説明する。後半では、現代社会の新たな問題としてアナログホールについて説明し、人間と機器の間にあるセキュリティ問題やプライバシー侵害などの問題について考察する。
授業の進め方・方法:
座学による講義により知識を与え、実習に取り組むことで知識の理解を深め定着を図る。
実習では、手法を実現するアルゴリズムを考え、Windows上でのプログラムについて理解してもらう。
注意点:
授業への参加意欲10%、授業の課題40%、レポート50%の割合で評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ハッシュ関数とは ハッシュ値の計算方法について理解し、入力文字やファイルのハッシュ値を計算する。
2週 Windows上での画像処理について Windows上での画像処理について学び、OpenCVなどのライブラリを用いて画素にアクセスする方法について理解する。
3週 画像の改ざん検出1 電子透かしを応用してハッシュ値を透かしとして画像に埋込むことで画像の改ざん検出が行えることを理解する。
4週 画像の改ざん検出2 プログラムの解説を聞き、動きを理解することができる。
5週 画像の改ざん検出3 プログラムの動作確認を行い、改ざんが検出できることを確認する。
6週 アナログホール問題 人間の感覚器官(アナログ)とコンピュータ(ディジタル)の間に潜む根源的な問題について考察する。
7週 映像盗撮への対策 映像盗撮への対策として、スクリーンおよびディスプレイへの盗撮技術について理解する。
8週 プライバシー侵害問題について 生体ビックデータが社会に与える影響について学び、顔検出におけるプライバシー侵害問題等について考察する。
4thQ
9週 顔検出のしくみ 顔検出の代表的な手法であるViola-Jones法について理解する。
10週 顔検出の実装 顔検出のプログラムについて解説を聞き、動作を理解する。
11週 識別器の作成 Haar-like特徴量等を用いたカスケード型識別器の作成方法について理解する。
12週 物体検出実習1 学習済の識別器や機械学習により学習を行った識別器を適用し、物体検出を試みる。
13週 物体検出実習2 検出性能について評価する。
14週 写り込みによるプライバシー侵害への対策 カメラの写り込みにより顔検出されることにより引き起こされるプライバシー侵害への対策について理解する。
15週 まとめ
今後の課題
ハードウエアセキュリティについてのまとめを行い、今後の課題について考察する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
基本的な論理演算を行うことができる。4
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4
論理式の簡単化の概念を説明できる。4
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。4
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。4
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。4
組合せ論理回路を設計することができる。4
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。4
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。4
与えられた順序回路の機能を説明することができる。4
順序回路を設計することができる。4
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。3
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。3後3
その他の学習内容コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。4後1
基本的な暗号化技術について説明できる。4後4
基本的なアクセス制御技術について説明できる。4後3
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4
メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。4
ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。4
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。4

評価割合

意欲課題等試験合計
総合評価割合101080100
基礎的能力0000
専門的能力101080100