組み込みシステム

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 組み込みシステム
科目番号 I5017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 SD 情報セキュリティコース 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 M.Banzi「Arduinoをはじめよう」,プリント
担当教員 榎本 隆二

到達目標

1.制御用マイコンの構成と機能を理解する。
2.制御用マイコンのプログラミングの基礎を修得する。
3.制御用マイコンを使った組み込みシステムを構築できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1汎用入出力ポート,各種タイマ活用,ADC,SPIを熟知し,使いこなすことができる。汎用入出力ポートおよび割り込みタイマを使いこなすことができる。汎用入出力ポートを十分に使いこなせない。
評価項目2制御用マイコンのリアルタイム処理,分割コンパイル,プリプロセッサ命令の活用,各種レジスタ設定ができる。制御用マイコンのリアルタイム処理ができる。制御用マイコンの割り込み処理プログラムが書けない。
評価項目3多色LED,DIPスイッチ,トグルスイッチ,CdSおよびパルス発生器等のハードウエア制御プログラムを自在に書ける。基本的な多色LED,DIPスイッチの制御プログラムを書ける。自力では簡単な制御プログラムを書けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
組込みシステムに使われるマイクロコントローラ(以下,「制御用マイコン」という)の構成と機能,タイマ割り込みを基本としたリアルタイム処理プログラムおよび制御用マイコンによるハードウエア制御を学ぶ。体験的な学習を通じて,論理的思考能力の修得および問題解決能力の向上を目指す。
授業の進め方・方法:
スライドを使った講義と組込みシステム用マイクロコントローラ専用の開発環境を使ったプログラム開発実践を並行して進める。本年度はArduino mini proを中心に授業を組み立てる。
注意点:
試験の成績を60%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を40%の割合で総合的に評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として,上記の到達目標に対する達成度を試験等によって評価する。事前学習として,教科書の該当頁を瞥見して未知の用語を書き出しておくこと。事後学習として,教科書の例題および章末演習問題,さらに授業中に示された課題を行うこと。本科目は科目横断的な実践科目であり,情報工学および電気電子工学等の知見を実践するものである。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 組込みシステムの概要と制御および組み込みシステムにおける情報セキュリティを学ぶ。 組み込みシステムの概念を理解し,Arduino IDEの最初のアプリケーションを実行できる。
2週 AVRマイコンATmega328Pの概要(1) マイコン構成図,入出力多重化,入出力ポートの構造を理解する。
3週 AVRマイコンATmega328Pの概要(2) AVR CPUのコア,システムクロックとメモリ,リセット過程を理解する。
4週 AVRマイコンATmega328Pの概要(3) 割り込み関連レジスタ,ハードウエア割り込みおよびタイマー割り込みを理解する。
5週 リアルタイム処理系(1) タイマ割り込みを用いたリアルタイム処理系を構成できる。
6週 リアルタイム処理系(2) タイマ割り込みを用いた多重リアルタイム処理系を構成できる。
7週 リアルタイム処理系(3) レジスタ操作を伴うAD変換の多重リアルタイム処理を実装できる。
8週 総合学習(1) 制御用マイコンにハードウエアキットを結合して,限定された状況における基本的な動作を実現できる。
2ndQ
9週 総合学習(2) 制御用マイコンにハードウエアキットを結合して,限定された状況における基本的な動作を実現できる。
10週 SPI,USARTを用いたシリアル通信機能(1) マイコン-PC間の通信ができる。
11週 SPI,USARTを用いたシリアル通信機能(2) マイコン-マイコン間の通信と遠隔操作ができる。
12週 多機能カウンタの応用(1) 多機能カウンタのPWM機能を使いこなせる。
13週 多機能カウンタの応用(2) 多機能カウンタの各種カウント機能を使いこなせる。
14週 総合学習(3) 制御用マイコンにハードウエアキットを結合して,様々な状況を想定した複雑な動作を実現できる。
15週 総合学習(4) 制御用マイコンにハードウエアキットを結合して,様々な状況を想定した複雑な動作を実現できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。4
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。4
変数の概念を説明できる。4
データ型の概念を説明できる。4
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。4
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。4
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。4
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。4
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。4
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを設計することができる。4
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを実装することができる。4
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを実装できる。4
計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
基本的な論理演算を行うことができる。4
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4
論理式の簡単化の概念を説明できる。4
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。4
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。4
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。4
組合せ論理回路を設計することができる。4
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。4
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。4
与えられた順序回路の機能を説明することができる。4
順序回路を設計することができる。4
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。4
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。4

評価割合

試験発表相互評価平素の学習状況ポートフォリオ報告書合計
総合評価割合600020020100
基礎的能力40002002080
専門的能力100000010
分野横断的能力100000010