ソフトウェアセキュリティⅠ

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 ソフトウェアセキュリティⅠ
科目番号 I5018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 SD 情報セキュリティコース 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 岡村 修司

到達目標

1. OSレベル,セキュリティツールレベルでのアクセス制御について理解し,基本的なアクセス制御技術について説明できる。
2. WebサーバのHTTPS化について理解し,HTTPS化の手順を説明できる。
3.名前解決の概要を理解し,セキュアな名前解決システムについて説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1OSレベル,セキュリティシステムレベルでのアクセス制御について理解し,基本的なアクセス制御技術について説明できる。OSレベル,セキュリティシステムレベルでのアクセス制御について理解している。OSレベル,セキュリティシステムレベルでのアクセス制御について理解していない。
評価項目2WebサーバのHTTPS化について理解し,HTTPS化の手順を説明できる。WebサーバのHTTPS化について理解している。WebサーバのHTTPS化について理解していない。
評価項目3名前解決の概要を理解し,セキュアな名前解決システムについて説明できる。名前解決の概要を理解している。名前解決の概要を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータのセキュリティ対策は,OSが提供する機能とセキュリティツールが提供する機能によって実現される。両方の機能を理解し,効果的に連携させることが重要である。それでも,不特定多数に提供しているサービスに対する攻撃を完全に防御することは難しく,不正アクセスの被害を受ける場合もある。WebサーバのHTTPS化は不正アクセスを防ぐ手段であり,サーバをHTTPS化する技術を学ぶ。
インターネットを利用するクライアントは,名前解決を行うサーバを利用しており,このサーバが攻撃されると,影響が及ぶ範囲は広い。セキュアな名前解決サーバについて学ぶ。
授業の進め方・方法:
基本的に演習形式で行う。スライド(Google Classroomにアップロードする)を用いて学習内容の説明を行う。インストール,設定および操作を通じて,学習内容を理解する。授業はLinux環境で行う。学習内容を確認し,理解を深めるため,課題を出す。
注意点:
試験の成績70%,平素の学習状況(課題等)を30%とし,総合的に評価する。成績評価は中間と期末の各期間の評価の平均とする。作業中は他の学生と相談してもよいが,各自が主体的に取り組むことが重要である。指定された期日までに課題が提出されなかった場合,減点することがある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
学習環境の構築
授業の進め方,評価方法などについて理解する。
Linuxをインストールする。
2週 ファイアウォール ファイアウォールの概要を理解し,基本的な機能を説明できる。
3週 ACL ACLの概要を理解し,ACLを用いたアクセス権限の設定について説明できる。
4週 SELinux SELinuxの概要を理解し,基本的な機能を説明できる。
5週 SSH SSHの概要を理解し,SSHクライアントの基本的な設定が行える。
6週 SSH 公開鍵暗号方式を用いた認証方式を理解し,設定を行う。
7週 侵入と攻撃の手順 代表的な侵入と攻撃の手順を理解し,検知の仕組みを理解する。
8週 Webサーバのインストールと設定 Linux上にApacheをインストールし,基本的な設定を行う。
2ndQ
9週 アクセスカウンタ CGIの基本を理解し,Apacheにアクセスカウンタ機能を組み込む。
10週 アクセスカウンタとSELinux アクセスカウンタが正常に動作するよう,SELinuxを設定する。
11週 HTTPとHTTPS HTTPSの概要とWebサーバのHTTPS化に必要な手順を理解する。
12週 WebサーバのHTTPS化 ApacheをHTTPS化する。
13週 名前解決 名前解決の概要を理解する。
14週 BINDのインストールと設定 BINDをインストールし,基本的な設定を行う。
15週 セキュアなBIND bind-chrootの概要を理解し,インストールと設定を行う。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野ソフトウェアソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。4
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。4
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。4
情報通信ネットワークSSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる。4
その他の学習内容コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4前6
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。4前7
基本的な暗号化技術について説明できる。4
基本的なアクセス制御技術について説明できる。4前3
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。4前6,前13

評価割合

試験平素の学習状況相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力5020000070
専門的能力2010000030
分野横断的能力0000000