到達目標
1.測量法を知り、測量士、測量士補の使命と測量業務の概要を理解していること。
2.距離測量の方法と誤差に関する基礎知識があり,処理ができること。
3.三角関数を駆使して、三角測量、三辺測量から角度の計算や面積の計算ができること。
4.トラバース測量について基礎的な事項を理解し,調整を含むトラバース計算ができること。
5.平板測量の基礎的事項と測量方法を理解していること。
6.水準測量の基礎的事項と測量方法を理解していること。
7.基準点測量の歴史と衛星測位法(GNSS)について理解していること。
8.三角測量・三辺測量の方法を理解し、応用できる。
9.各種応用測量(河川・路線・地形)を理解する。
10.地図投影と編集方法を理解する。
11.地理情報システム(GIS)を理解する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 将来測量士を目指す心構えがしっかりしており、測量に関する知識がしっかり身についている。 | 測量業務全般の知識があり。測量士補の国家試験に合格できること。 | 測量業務に関する基礎知識が身についていなく、測量技術者としての意識も低い。 |
評価項目2 | 測量における誤差に関する知識を熟知して処理ができる。 | 測量における誤差の基礎知識があり、処理ができる。 | 測量における誤差の性質を理解せず、計算処理ができない。 |
評価項目3 | 最新測量技術に関して熟知している。 | 最新測量技術に関して基礎的知識がある。 | 最新測量技術に関して基本的な説明ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
測量の基礎的知識と1年生で学習する数学の三角関数および幾何学の知識を関連づけて学習し、2年生時のデザイン工学演習Ⅰで学んだ測量の基礎知識を元に、3年生で行う測量実習での技能と関連づけてさらに理解を深め,誤差を含む測定結果に対して技術者として適正に処理できる能力を養い、測量士補の国家試験に合格する知識・技能を修得する。
授業の進め方・方法:
授業は、教科書に準じて板書とノートを取らせながら説明を聞かせ、例題を示し演習問題を行いながら、理解させる。授業中の演習成績は、評価割合20%に含まれている。
注意点:
試験の成績60%,課題や小テストを20%,授業態度を20%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお,通年科目における後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
総説:測量の歴史と測量業務・測量の基準・最新測量技術を解説する。 |
測量の歴史を知り、測量業務を概要を理解する。
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2週 |
誤差の取り扱い方1:誤差の種類と補正方法を学ぶ |
誤差の種類・性質を理解している。
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3週 |
誤差の取り扱い方2:誤差の補正・最確値、データの信頼性を学ぶ。 |
誤差の取り扱い方:誤差の補正・最確値の計算ができる。
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4週 |
誤差の取り扱い方3:標準偏差、精度を学ぶ。 |
標準偏差の計算ができ、精度を求めることができる。
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5週 |
誤差の取り扱い方4:誤差伝播の法則について学ぶ。 |
誤差伝播の法則を理解できる。
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6週 |
トータルステーションによる測量方法を学ぶ。 |
トータルスーションの機能、測定方法を理解できる。
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7週 |
距離測量:直接距離測量の測定方法を学ぶ。 |
直接距離測量の概要を理解している。
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8週 |
距離測量:直接距離測量の測定方法を学ぶ。 |
定誤差の処理計算ができる。
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2ndQ |
9週 |
角測量 1:測角機器の基礎知識を学ぶ。 |
測角機器の種類と機能を学び、測角ができる 。
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10週 |
角測量 2:測角機器の基礎知識を学ぶ。 |
測角方法の種類と野帳の記入法を理解 できる。
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11週 |
角測量3 :トラバース測量の選点と作業手順 |
トラバース計算方法の全体の流れを理解できる。
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12週 |
角測量4:トラバース測量の種類・順序・測角法, |
各種トラバース網の閉合条件を理解し、測角誤差調整ができる
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13週 |
多角測量1 :トラバース測量の計算方法・誤差調整・面積計算 |
トラバースの方位角の計算ができて、座標計算とその調整ができる。
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14週 |
多角測量 2:トラバース測量の計算方法・誤差調整、座標計算を学ぶ。 |
トラバースの調整計算ができる。
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15週 |
多角測量3:トラバース測量の計算方法・面積計算方法を学ぶ。 |
倍横距・三斜法、ヘロン校公式による面積計算ができる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
平板測量:平板測量用器械・器具の解説 平板測量の器具と用語を理解している。 |
平板測量の原理と測量方法を理解できる。
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2週 |
水準測量:水準測量の基礎知識・測量の方法と野帳の記入方法を学ぶ。 |
水準測量の用語と原理を理解できる。高低差を計算できる。
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3週 |
水準測量 :水準測量の方法と野帳の記入・誤差調整
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水準測量の方法と野帳の記帳ができる。
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4週 |
水準測量 :水準測量の誤差調整を学ぶ。 |
水準測量の誤差チェックと調整ができる。
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5週 |
基準点測量1:三角測量の理論と偏心補正計算の方法を学ぶ。条件観測・三角網の平均法の解説を行う。
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偏心計算方法を習得し、三角網調整計算の概要を理解している。
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6週 |
基準点測量3: 三角測量と三辺測量の理論を学ぶ。 |
正弦定理、余弦定理を活用した角度、辺長の計算法を習得する。
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7週 |
地図投影:地図投影法と、地球面・平面座標を学ぶ。
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地図投影に関する精度と縮尺に応じた利用法を習得する。
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8週 |
地図編集:地図の縮尺と編集方法を学ぶ。
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縮尺に応じた地図編集法を学ぶ
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4thQ |
9週 |
地形測量1:等高線の利用について学ぶ。 |
等高線の性質、規則、描き方、利用法を理解できる。
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10週 |
地形測量2:等高線を利用した土量計算法を学ぶ。 |
両端法、点高法を使って土量計算ができる。
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11週 |
地形測量3 :,土量計算など応用測量の基礎的事項を説明する。 |
点高法、断面平均法など工事用測量の基礎知識を理解し、計算できる。。
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12週 |
河川測量 :河川測量について基礎知識と各種測量法を学ぶ。
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河川形状、管理、定期測量に関する知識を習得し、流速、流量、縦横断面の計算ができる。
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13週 |
路線測量1 :路線線形の解説,単曲線と緩和曲線の設置法を学ぶ。
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道路、鉄道の曲線形状と勾配に関する知識があり、計算ができる。
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14週 |
路線測量2 :路線線形の解説,単曲線と緩和曲線の設置法、 単曲線の基礎的用語を学ぶ。
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単曲線と緩和曲線の設置法を学び計算ができる。
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15週 |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 測量 | 区域の大小、順序、方法、目的および法律による分類について、説明できる。 | 2 | 前1,前6 |
測量体系(国家基準点等)を説明できる。 | 2 | 後1 |
巻尺による測量で生じる誤差を説明でき、測量結果から計算ができる。 | 2 | 前7 |
光波・電波による距離測量を説明できる。 | 2 | 前8 |
単測法、倍角法、方向法を説明でき、測量結果から計算ができる。 | 2 | 前9,前10 |
生じる誤差の取扱いを説明できる。 | 2 | 前11,前12 |
種類、手順および方法について、説明できる。 | 2 | 前13,前14,前15 |
昇降式や器高式による直接水準測量を説明でき、測量結果から計算ができる。 | 2 | 後2,後3 |
生じる誤差の取扱いを説明できる。 | 2 | |
測定結果から、面積や体積の計算ができる。 | 2 | |
地形測量の方法を説明できる。 | 2 | 後4,後7,後8 |
等高線の性質とその利用について、説明できる。 | 2 | 後5,後6,後9 |
単心曲線、緩和曲線、縦断曲線が説明できる。 | 2 | 後10,後11,後12 |
写真測量の原理や方法について、説明できる。 | 2 | 後10,後13,後14 |
GNSS測量の原理を説明できる。 | 2 | |
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。 | 2 | 前2,前3,後12 |
最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。 | 2 | 前4,前5 |
計画 | 国土と地域の定義を説明できる。 | 2 | 後15 |
評価割合
| 試験 | 平素学習状況 | ポートフォリオ | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 20 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 20 | 20 | 80 |
専門的能力 | 10 | 0 | 0 | 10 |
分野横断的能力 | 10 | 0 | 0 | 10 |