土木・建築実験では、構造及び材料・コンクリートに関する基本的な実験を実施し,実験の目的と方法を体験的に理解し,その結果について工学的に説明できることを目標とする。このために,建設関係の実務あるいは研究開発の基本となる工業規格や学会示方書に基づいた実験を各自が確実に実行でき,結果の考察を含んだ報告書を作成できるレベルを目指す。測量実習では,平板及び水準測量の機器の名称,取り扱い方,観測の手順を理解できることを目標とする。さらに,主観測者としての作業や測量結果に対する正しい判断や誤差調整ができ,測量士補に合格するレベルを目指す。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 測量 | 区域の大小、順序、方法、目的および法律による分類について、説明できる。 | 4 | |
測量体系(国家基準点等)を説明できる。 | 4 | |
巻尺による測量で生じる誤差を説明でき、測量結果から計算ができる。 | 4 | |
光波・電波による距離測量を説明できる。 | 4 | |
単測法、倍角法、方向法を説明でき、測量結果から計算ができる。 | 4 | |
生じる誤差の取扱いを説明できる。 | 3 | |
種類、手順および方法について、説明できる。 | 3 | |
昇降式や器高式による直接水準測量を説明でき、測量結果から計算ができる。 | 4 | |
生じる誤差の取扱いを説明できる。 | 3 | |
測定結果から、面積や体積の計算ができる。 | 4 | |
地形測量の方法を説明できる。 | 4 | |
等高線の性質とその利用について、説明できる。 | 3 | |
単心曲線、緩和曲線、縦断曲線が説明できる。 | 4 | |
写真測量の原理や方法について、説明できる。 | 3 | |
GNSS測量の原理を説明できる。 | 3 | |
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。 | 4 | |
最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。 | 3 | |
材料 | 材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。 | 3 | |
鋼材の種類、形状を説明できる。 | 3 | |
鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。 | 3 | |
セメントの物理的性質、化学的性質を説明できる。 | 3 | |
各種セメントの特徴、用途を説明できる。 | 3 | |
骨材の含水状態、密度、粒度、実積率を説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
骨材の種類、特徴について、説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
混和剤と混和材の種類、特徴について、説明できる。 | 3 | |
コンクリートの長所、短所について、説明できる。 | 3 | |
フレッシュコンクリートに求められる性質(ワーカビリティー、スランプ、空気量等)を説明できる。 | 4 | 後3,後5 |
硬化コンクリートの力学的性質(圧縮強度、応力-ひずみ曲線、弾性係数、乾燥収縮等)を説明できる。 | 3 | 後4,後6,後7 |
耐久性に関する各種劣化要因(例、凍害、アルカリシリカ反応、中性化)を説明できる。 | 3 | 後6,後7 |
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。 | 3 | |
配合設計の手順を理解し、計算できる。 | 4 | 後3,後5 |
非破壊試験の基礎を説明できる。 | 3 | 後7 |
構造 | 各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 3 | |
建築系分野 | 材料 | 建築材料の変遷や発展について説明できる。 | 2 | |
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。 | 2 | |
セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。 | 3 | |
セメントの種類・特徴について説明できる。 | 3 | |
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。 | 3 | |
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。 | 3 | 後3 |
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。 | 4 | 後3 |
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。 | 3 | 後3 |
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。 | 3 | 後4 |
耐久性(例えば中性化、収縮、凍害、塩害など)について現象名をあげることができる。 | 3 | |
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。 | 2 | |
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。 | 2 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 建設系分野【実験・実習能力】 | 建設系【実験実習】 | 距離測量について理解し、器具を使って測量できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
セオドライトによる角測量について理解し、器具を使って測量できる。 | 4 | |
トラバース測量について理解し、器具を使って測量できる。 | 4 | |
水準測量について理解し、器具を使って測量できる。 | 4 | |
骨材のふるい分け試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | 後1 |
骨材の密度、吸水率試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | 後2 |
コンクリートのスランプ試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | 後3,後5 |
コンクリートの空気量試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | 後3,後5 |
コンクリートの強度試験について理解し、器具を使って実験できる。 | 3 | 後3,後4,後5,後6,後7 |
各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。 | 3 | 後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
DO、BODに関する実験について理解し、実験ができる。 | 3 | |
pHに関する実験について理解し、実験ができる。 | 3 | |
建築系分野【実験・実習能力】 | 建築系【実験実習】 | 実験の目的と方法を説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
建築に用いる構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)の物理的特性を実験により明らかにすることができる。 | 3 | 後4,後6,後7 |
実験結果を整理し、考察できる。 | 3 | 後4,後6,後7 |
実験の目的と方法を説明できる。 | 3 | |
構造材料(例えば木、コンクリート、金属など)によるいずれかの構造形式(ラーメン、トラスなど)の試験体を用い、載荷実験を行い、破壊形状と変形の性状を観察することができる。 | 3 | |
実験結果を整理し、考察できる。 | 3 | |
建築生産で利用されている測量(例えば、レベル、トランシット、トータルステーション、GPS測量など)について機器の取り扱いができる。 | 3 | |
測量の結果を整理できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 2 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 2 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 2 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 2 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 2 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 2 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 2 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 2 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 2 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 2 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 2 | |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 2 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 2 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。 | 2 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 2 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 1 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 2 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 2 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 2 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 2 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 2 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 2 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 2 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 2 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 2 | |
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7 |