建築一般構造

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 建築一般構造
科目番号 V4015 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 SD まちづくり・防災コース 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:寺本隆幸「建築構造の計画」(森北出版) 参考書:日本建築学会編「構造用教材」(日本建築学会)
担当教員 池田 雄一

到達目標

1.建築構造基礎専門知識に必要な用語が判る。
2.建築物の主体構造や各部位の構成及びその役割が理解できる。
3.日本の耐震設計の考え方が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1建築の専門知識に必要な用語が理解でき、説明出来る。建築の専門知識に必要な用語が判る。建築の専門知識に必要な用語が判らない。
評価項目2建築物の主体構造や各部位の構成が理解でき、説明出来る。建築物の主体構造や各部位の構成が理解できる。建築物の主体構造や各部位の構成が理解できない。
評価項目3各部構造の納まりが理解でき、説明出来る。各部構造の納まりが理解できる。各部構造の納まりが理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (C) 説明 閉じる
基準1(2)の知識・能力 基準1(2)(d)(3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建築の導入科目として,建築物の主体構造(木構造,鋼構造など)のしくみを理解し,制振,免震構造などの最新構法の知識を習得する。
この科目は建築設計事務所て構造設計を担当していた教員が、その経験を活かし、建築構造に関する現在の建築構造技術や最新の耐震構造技術について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教科書に沿った予習課題を事前に行い、授業では写真・映像等を用いて重要なポイントを押さえることで、理解を深め、建築構造の知識を確かなものにしていく。
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートやオンラインテストを実施します。
注意点:
試験の成績を60%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を40%の割合で総合的に評価する。学期末の成績は,中間と期末の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業ガイダンスと建築一般構造を学ぶ意義について 授業ガイダンス、建築一般構造について
2週 木質構造-1 在来工法の基礎、地業・軸組・の種類と役割について、学び説明できる
3週 木質構造-2 在来工法の小屋組・床組・階段・接合部について部材名称と役割について、学び説明できる
4週 荷重・外力-1 固定荷重・積載荷重・積雪荷重について、学び説明できる
5週 荷重・外力-2 風荷重について、学び説明できる
6週 荷重・外力-3地震荷重(歴史) 地震被害の歴史、耐震設計の変遷について、学び説明できる
7週 中間試験 中間試験を実施する
8週 荷重・外力-4地震荷重 地震被害の歴史、耐震設計の変遷について、学び説明できる
4thQ
9週 地盤、基礎について-1 土の種類、液状化について、学び説明できる
10週 地盤、基礎について-2 建築基礎形式について、学び説明できる
11週 構造計画・耐震設計 地震建物被害から、その建物の地震対策、耐震構造設計の考え方について、学び説明できる
12週 新しい耐震設計技術-1 免震構造・制振構造について、学び説明できる
13週 新しい耐震設計技術-2 免震構造・制振構造について、学び説明について、学び説明できる
14週 鉄骨造 鋼材の性質、構造形式と特徴について、学び説明できる
15週 鉄筋コンクリート構造 RC造の耐震設計について、学び説明できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建築系分野材料建築材料の変遷や発展について説明できる。2後3,後4
建築材料の規格・要求性能について説明することができる。2後3,後4
木材の種類について説明できる。3後2,後5
傷(節など)について説明できる。3後2,後5
耐久性(例えば腐れ、枯渇、虫害など)について説明できる。2後2,後5
耐火性について説明できる。2後2,後5
近年の木材工業製品(集成材、積層材など)の種類について説明できる。2後2,後5
木材の成長と組織形成から、物理的性質の違いについて説明できる。2後2,後5
セメントの製造方法(廃棄物の利用も含む)について説明できる。1
セメントの種類・特徴について説明できる。4
コンクリート用軽量骨材があることを知っている。2
混和材(剤)料の種類(例えばAE剤と減水剤、フライアッシュやシリカフュームなど)をあげることができる。2
コンクリートの調合のうち、水セメント比の計算ができる。1
スランプ、空気量について、強度または、耐久性の観点でその影響について説明できる。4
コンクリートの強度(圧縮、引張、曲げ、せん断)の関係について説明できる。4
各種(暑中・寒中など)・特殊(水密、高強度など)コンクリートの名称をあげることができる。1
コンクリート製品(ALC、プレキャストなど)の特徴について説明できる。1
耐久性(例えば中性化、収縮、凍害、塩害など)について現象名をあげることができる。3
建築用構造用鋼材の種類(SS、SM、SNなど)・性質について説明できる。4
建築用鋼製品(丸鋼・形鋼・板など)の特徴・性質について説明できる。4
非鉄金属(アルミ、銅、ステンレスなど)の分類、特徴をあげることができる。2
鋼材の耐久性(腐食、電食、耐火など)の現象と概要について説明できる。3
鋼材の応力~ひずみ関係について説明でき、その特異点(比例限界、弾性限界、上降伏点、下降伏点、最大荷重、破断点など)の特定と性質について説明できる。3
石材の種類・性質について説明できる。2
石材の使用方法について説明できる。3
屋根材(例えば和瓦、洋瓦、金属、アスファルト系など)の特徴をあげることができる。2
タイルの種類、特徴をあげることができる。2
ガラスの製法、種類をあげることができる。2
塗料の種類に応じた下地、使用環境などの適合性について説明できる。2
下地材の種類(例えば繊維板、パーティクルボード、石こうボードなど)をあげることができる。2
床の仕上げ材料(カーペット、フローリング、レベリング、長尺シート等)をあげることができる。2
内装材料(壁・天井)として(モルタル、しっくい、クロス、珪藻土、合板、ボードなど)をあげることができる。2
構造建築構造の成り立ちを説明できる。2後6
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。2後6
力の定義、単位、成分について説明できる。4
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。3
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。4
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。4
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。3
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。3
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。2
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。2
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。2後10,後11,後12
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。3後10,後11,後12
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。2
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。3
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。3
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。3
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。3
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。2
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。2
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。3
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。3
ラーメンやその種類について説明できる。2
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。3
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念について説明できる。2
仕事やエネルギーの概念を用いて、構造物(例えば梁、ラーメン、トラスなど)の支点反力、応力(図)、変形(たわみ、たわみ角)を計算できる。3
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。3
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。3
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。3
木構造の特徴・構造形式について説明できる。3後1,後2,後5
木材の接合について説明できる。3後1,後2,後5
基礎、軸組み、小屋組み、床組み、階段、開口部などの木造建築の構法を説明できる。2後1,後2,後5
鋼構造物の復元力特性と設計法の関係について説明できる。2
S造の特徴・構造形式について説明できる。1
鋼材・溶接の許容応力度について説明できる。2
軸力のみを受ける部材の設計の計算ができる。3
軸力、曲げを受ける部材の設計の計算ができる。3
曲げ材の設計の計算ができる。3
継手の設計・計算ができる。1後14,後15
高力ボルト摩擦接合の機構について説明できる。3後14,後15
溶接接合の種類と設計法について説明できる。3後14,後15
仕口の設計方法について説明ができる。3後14,後15
柱脚の種類と設計方法について説明ができる。3後14,後15
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。2後6,後7
構造計算の設計ルートについて説明できる。2後6,後7
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。2後6,後7
断面内の応力の分布について説明できる。2
許容曲げモーメントを計算できる。3
主筋の算定ができる。3
釣合い鉄筋比について説明ができる。3
中立軸の算定ができる。3
許容せん断力を計算できる。3
せん断補強筋の算定ができる。3
終局曲げモーメントについて説明できる。2
終局剪断力について説明できる。2
断面内の応力の分布について説明できる。2
許容曲げモーメントを計算できる。3
MNインターラクションカーブについて説明できる。2
主筋の算定ができる。3
釣合い鉄筋比について説明ができる。3
中立軸の算定ができる。3
許容せん断力を計算できる。3
せん断補強筋の算定ができる。3
終局曲げモーメントについて説明できる。2
終局剪断力について説明できる。2
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。2後8,後9
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。2後8,後9
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。3後13
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。2後13

評価割合

試験発表相互評価平素の学習状況ポートフォリオ課題・小テスト合計
総合評価割合600010030100
基礎的能力000100010
専門的能力6000003090
分野横断的能力0000000