水理学Ⅰ

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 水理学Ⅰ
科目番号 V4026 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 SD まちづくり・防災コース 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:神田佳一他「Professional Engineer Library 水理学」(実教出版)  参考書:国澤正和他「絵とき水理学」(オーム社)
担当教員 岡田 将治

到達目標

【到達目標】
1.水理学で用いる次元と単位について説明ができ,計算ができる。
2.静水力学の基礎を理解し,応用問題が計算できる。
3.管水路におけるベルヌーイの定理を理解し,ピトー管やベンチュリー管などの応用問題が計算できる。
4.運動量保存則を理解し,これを応用した計算ができる。
5.次元解析および相似則を理解し,基本的な問題が計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.水理学で用いる次元と単位について説明ができ,計算ができる。水理学で用いる次元と単位について説明でき,応用的な問題の計算ができる。水理学で用いる次元と単位について説明でき,基本的な問題の計算ができる。水理学で用いる次元と単位について説明できず,基本的な問題も計算できない。
2.静水力学の基礎を理解し,応用問題が計算できる。静水力学の基礎を理解し,応用問題が計算できる。静水力学の基礎を理解し,基本的な問題が計算できる。静水力学の基礎が理解できず,基本的な問題も計算できない。
3.管水路におけるベルヌーイの定理を理解し,ピトー管やベンチュリー管などの応用問題が計算できる。管水路におけるベルヌーイの定理を理解し,ピトー管やベンチュリー管などの応用問題が計算できる。管水路におけるベルヌーイの定理を理解し,ピトー管やベンチュリー管などの基本的な問題であれば計算できる。管水路におけるベルヌーイの定理が理解できておらず,ピトー管やベンチュリー管などの応用問題が計算できない。
4.運動量保存則を理解し,これを応用した計算ができる。運動量保存則を理解し,これを応用した計算ができる。運動量保存則を理解し,基本的な計算ができる。運動量保存則を理解できておらず,基本的な計算もできない。
5.次元解析および相似則を理解し,基本的な問題が計算できる。次元解析および相似則を十分理解し,基本的な問題が確実に計算できる。次元解析および相似則を理解しているが,基本的な問題が計算できない。次元解析および相似則が理解できておらず,基本的な問題も計算できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (B) 説明 閉じる
基準1(2)の知識・能力 基準1(2)(d)(3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
水理学は,建設工学の専門基礎科目の中でも重要科目のひとつである。水理学を応用する河川,海岸,上下水道,水質汚濁等の水に関わる工学に必要な専門的基礎知識を数学や物理学に基づいて習得し,公務員等の就職試験や大学編入・専攻科進学試験に備え,応用力を身につける。
授業の進め方・方法:
授業は,始めに前回の内容の理解度および予習状況を確認する小テスト(10分),教員による説明(計60分),個人およびグループによる演習(計20分)で構成する。毎回,授業内容に関する復習課題と次回の授業に関する予習課題を課し,レポートとして提出させる。
注意点:
成績評価の基準・方法】
試験の成績60%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)40%の割合を基準として総合的に評価する。学期末の成績は,中間と期末の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【事前・事後学習】
事前学習として教科書の該当部分を事前に読んで授業に臨むこと。また,事後学習として授業内で学習した内容の復習や演習問題を解いて各自の理解度を認識するとともに,不明な点は他学生とディスカッションをしたり,教員に質問するなどして次回の小テストに備えること。
【履修上の注意】
この科目を履修するにあたり,1年生で履修した物理I,2年生で履修した微分積分の内容を十分に理解しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 水の物性[1]: 次元と単位 ,水の物理的性質 次元と単位,水の物理的性質を理解する。
2週 静水力学[2-5]: 静水圧 静水圧の性質,平面に作用する静水圧について理解する。
3週 静水力学[2-5]: 静水圧 曲面に作用する静水圧について理解する。
4週 静水力学[2-5]: 浮体の安定問題 浮体のつり合い,浮体の安定問題について理解する。
5週 静水力学[2-5]: 相対的静止 直線運動における相対的静止の問題,回転体の水面形について理解する。
6週 流れの基礎理論①[6-7]: 流れの水理量 流速と流量,流れの分類,流線・流跡線・流脈線について理解する。
7週 流れの基礎理論①[6-7]: 流れの連続式とその応用 流れの連続式とそれを応用した演習問題が解ける。
8週 静水力学と流れの基礎理論の復習[8]: 静水力学と流れの基礎理論の範囲の演習問題が解ける。
2ndQ
9週 流れの基礎理論②[9-13]: 運動方程式とその応用 ベルヌーイの定理について理解する。
10週 流れの基礎理論②[9-13]: 運動方程式とその応用 ベルヌーイの定理を応用した現象について理解し,演習問題が解ける。
11週 流れの基礎理論②[9-13]: 運動方程式とその応用 ベルヌーイの定理を応用した現象について理解し,演習問題が解ける。
12週 流れの基礎理論②[9-13]: 運動量保存則とその応用 運動量と運動量保存則について理解する。
13週 流れの基礎理論②[9-13]: 運動量保存則とその応用 運動量保存則を応用した現象について理解し,演習問題が解ける。
14週 流れの計測と相似則[14-15]: 流量・流速の測定 流量・流速の測定法について理解する。
15週 流れの計測と相似則[14-15]: 模型実験と相似則 模型実験と相似則について理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。4前1
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。3前2,前3,前4,前5
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。4前2,前3,前4,前5
浮力と浮体の安定を計算できる。4前2,前3,前4,前5
完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。2前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
連続の式を説明できる。3前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
ベルヌーイの定理を説明でき、これを応用(ベンチュリーメータなど)した 計算ができる。3前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
運動量保存則を説明でき、これを応用した計算ができる。3前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。3
層流と乱流について、説明できる。4
管水路の摩擦以外の損失係数について、説明できる。1
各種の管路の流れが計算できる。3
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。3

評価割合

試験小テスト授業レポート合計
総合評価割合602020100
基礎的能力40101060
専門的能力20101040