防災工学Ⅰ

科目基礎情報

学校	高知工業高等専門学校	開講年度	令和03年度 (2021年度)
授業科目	防災工学Ⅰ
科目番号	V4052	科目区分	専門 / 必修
授業形態	講義	単位の種別と単位数	履修単位: 1
開設学科	SD まちづくり・防災コース	対象学年	4
開設期	前期	週時間数	2
教科書/教材	教科書：戸川一夫他「コンクリート構造工学」（森北出版）， 参考書：岡村 甫「鉄筋コンクリート工学」（市ヶ谷出版社），コンクリート標準示方書（土木学会）
担当教員	横井 克則

到達目標

【到達目標】
１．鉄筋コンクリート（単鉄筋・複鉄筋）の特徴を説明できる。
２．断面部材の耐力を許容応力度設計法により計算できる。
３．設計時に用いるコンクリートおよび鉄筋の力学的性質を説明できる。
４．構造設計法（終局限界状態や使用限界状態など）を説明できる。
５．任意断面（Ｔ形はりを含む）の曲げ破壊について説明でき，計算できる。

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
概要	鉄筋コンクリート（単鉄筋・複鉄筋）の特徴を説明でき，許容応力設計法で簡単な断面の安全性を検討できる。	鉄筋コンクリート（単鉄筋・複鉄筋）の特徴を説明でき，許容応力設計法で簡単な断面の耐力を算定できる。	鉄筋コンクリート（単鉄筋・複鉄筋）の特徴を説明できない。
力学的性質	設計時に用いるコンクリートおよび鉄筋の力学的性質を説明でき，等価応力ブロックを計算で誘導できる。	設計時に用いるコンクリートおよび鉄筋の力学的性質を説明できる。	設計時に用いるコンクリートおよび鉄筋の力学的性質を説明できない。
設計法	構造設計法（終局限界状態や使用限界状態など）を説明でき、安全係数についても理解している。	構造設計法（終局限界状態や使用限界状態など）を説明できる。	構造設計法（終局限界状態や使用限界状態など）を説明できない。
曲げ耐力	任意断面（Ｔ形はりを含む）の曲げ破壊について説明と計算ができ、安全性を判定できる。	任意断面（Ｔ形はりを含む）の曲げ破壊について説明と計算ができる。	任意断面（Ｔ形はりを含む）の曲げ破壊について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

基準1(2)(d)(3) （当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力・土木工学の主要分野）

教育方法等

概要:

コンクリート構造物は公共性が高いため，安全性が確保されていることや長期間健全であることが要求される。さらに、自然現象による様々な災害にも対応できる構造物でなければならない。本授業では，鉄筋コンクリートを中心にその材料特性や設計法を学び，今後の日本を担う建設技術者としての基礎知識を身に付ける。具体的には、コンクリート構造（鉄筋コンクリート）に関して，材料の性質，構造設計法，曲げ耐力の算定法に関する基礎知識を幅広く学習する。また，演習問題に取り組むことにより，技術的諸問題を主体的に解決できる能力を学習する。

授業の進め方・方法:

教科書を中心に授業を進め，毎回，演習問題としてプリントを配布し，到達目標の到達度を確認する。

注意点:

【成績評価の基準・方法】 前学期試験成績80%，平素の学習状況等（課題・レポート等を含む）20%の割合で評価する。技術者が身につける専門基礎として，到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【事前・事後学習】 授業当日に提出できなかった演習問題（プリント）は，次回の授業までに提出するようにする。
【履修上の注意】計算が中心になるため，関数電卓を準備して下さい。

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
前期
	1stQ
		1週	概説[1-3]：鉄筋コンクリートの特徴について学習し，許容応力度設計法により部材の耐力を計算する。	鉄筋コンクリートの特徴が説明でき，許容応力度設計法により部材の耐力が計算できる。
		2週	概説[1-3]：鉄筋コンクリートの特徴について学習し，許容応力度設計法により部材の耐力を計算する。	鉄筋コンクリートの特徴が説明でき，許容応力度設計法により部材の耐力が計算できる。
		3週	概説[1-3]：鉄筋コンクリートの特徴について学習し，許容応力度設計法により部材の耐力を計算する。	鉄筋コンクリートの特徴が説明でき，許容応力度設計法により部材の耐力が計算できる。
		4週	コンクリートの力学的性質[4]：コンクリートの強度や応力－ひずみ曲線について学習する。	コンクリートの強度や応力－ひずみ曲線について説明できる。
		5週	鉄筋の力学的性質[5]：鉄筋の強度や応力－ひずみ曲線について学習する。	鉄筋の強度や応力－ひずみ曲線について説明できる。
		6週	構造設計[6-7]：限界状態設計法，荷重の種類，安全性の照査，構造解析，一般構造細目について学習する。	限界状態設計法，荷重の種類，安全性の照査，構造解析，一般構造細目を説明できる。
		7週	構造設計[6-7]：限界状態設計法，荷重の種類，安全性の照査，構造解析，一般構造細目について学習する。	限界状態設計法，荷重の種類，安全性の照査，構造解析，一般構造細目を説明できる。
		8週	断面の曲げ耐力[8-15]：曲げ耐力算定のための基本仮定について学習する。	単鉄筋，複鉄筋，Ｔ形はりを説明でき、曲げ耐力算定の基本仮定を説明できる。
	2ndQ
		9週	断面の曲げ耐力[8-15]：等価応力ブロックについて学習する。	等価応力ブロックについて説明できる。
		10週	断面の曲げ耐力[8-15]：単鉄筋断面の曲げ耐力を計算する。	単鉄筋断面の曲げ耐力を計算できる。
		11週	断面の曲げ耐力[8-15]：複鉄筋断面の曲げ耐力を計算する。	複鉄筋断面の曲げ耐力を計算できる。
		12週	断面の曲げ耐力[8-15]：曲げ圧縮破壊時の耐力を計算する。	曲げ圧縮破壊時の耐力を計算できる。
		13週	断面の曲げ耐力[8-15]：曲げ圧縮破壊時の耐力を計算する。	曲げ圧縮破壊時の耐力を計算できる。
		14週	断面の曲げ耐力[8-15]：任意断面の曲げ耐力を計算する。	任意断面（Ｔ形）の曲げ耐力を計算できる。
		15週	断面の曲げ耐力[8-15]：任意断面の曲げ耐力を計算する。	任意断面（Ｔ形）の曲げ耐力を計算できる。
		16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類		分野	学習内容	学習内容の到達目標	到達レベル	授業週
専門的能力	分野別の専門工学	建設系分野	材料	材料に要求される力学的性質及び物理的性質に関する用語、定義を説明できる。	4	前4,前5
				鋼材の種類、形状を説明できる。	4	前5
				鋼材の力学的性質(応力-ひずみ関係、降伏強度、引張強度、弾性係数等)を説明できる。	4	前5
				コンクリート構造の種類、特徴について、説明できる。	3	前1,前2,前3
				コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法、許容応力度設計法について、説明できる。	3	前1,前2,前3,前6,前7
				曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき、断面破壊に対する安全性を検討できる。	3	前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
		建築系分野	材料	建築材料の規格・要求性能について説明することができる。	2	前4,前5
				鋼材の応力～ひずみ関係について説明でき、その特異点(比例限界、弾性限界、上降伏点、下降伏点、最大荷重、破断点など)の特定と性質について説明できる。	3	前5

評価割合

	試験	課題等	合計
総合評価割合	80	20	100
基礎的能力	0	0	0
専門的能力	80	20	100
分野横断的能力	0	0	0