まちづくり・防災創造演習

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 まちづくり・防災創造演習
科目番号 V4054 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 履修単位: 5
開設学科 SD まちづくり・防災コース 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 5
教科書/教材 【水理実験】水理実験解説書2015年度版(土木学会),配布プリント等【土質実験】土質試験のてびき2015年度版(土木学会),配布プリント等
担当教員 山崎 利文,岡林 宏二郎,山崎 慎一,横井 克則,岡田 将治,木村 竜士,北山 めぐみ,池田 雄一,近藤 拓也,三橋 修

到達目標

GIS演習では,地理情報システムを活用し,各種空間情報分析を行い,意思決定ができる。
土質実験では,土質実験法の基礎が理解できる。土質試験を自分で行い,データ整理し,結果の定量的な評価を行い,合理的に考察してレポートを作成できる。水理実験では,授業で学んだ水理学の基礎的な現象を実験を行うことで理解を深め,結果に対して考察を行い,レポートが作成できる。
土木系演習では,卒業研究の実施するために必要な基礎知識を習得し,演習レポートの作成により卒業論文を書くための科学技術文章力を身につける。
建築系演習では,建築設計に関わる技術の習得とそのポートフォリオの作成する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
GIS演習空間情報の知識(写真測量、リモートセンシング、GIS、GNSS)があり、分析を行い意思決定ができる。空間情報工学の基礎知識があり、基本的な情報分析操作ができる。空間情報の基礎知識がなく、GISの概要を理解していない。
水理実験水理学の基礎的な現象を理解して,レポートを作成できる。水理学の基礎的な現象を概ね理解して,レポートを作成できる。水理学の基礎的な現象を理解できず,レポートも作成できない。
土質実験土質実験法の基礎が理解でき,データを整理して結果の定量評価を行い,レポートを作成できる。土質実験法の基礎が概ね理解でき,データを整理して結果の定量評価を行い,レポートを作成できる。土質実験法の基礎が理解できず,データを整理して結果の定量評価を行い,レポートを作成できない。
土木系演習卒業研究の実施するために必要な基礎知識を習得でき,科学技術文章を書くことができる。卒業研究の実施するために必要な基礎知識を概ね習得でき,科学技術文章を概ね書くことができる。卒業研究の実施するために必要な基礎知識を習得できず,科学技術文章を書くことができない。
建築系演習建築設計に関わる技術を習得し,そのポートフォリオが作成できる。建築設計に関わる技術を概ね習得し,そのポートフォリオが作成できる。建築設計に関わる技術を習得できず,そのポートフォリオが作成できない。

学科の到達目標項目との関係

基準1(2)(d)(3) 説明 閉じる
基準1(2) (i) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【GIS演習】空間情報の基礎知識を習得した上でGISのソフトウェアの使い方をマスターし、パソコンを使って情報分析演習を行う。【水理実験】水理学Iの授業で学ぶ内容を中心に7種類の実験を行ってレポートにまとめる。【土質実験】土質実験は,土の物理的および力学的性質について実際の土で実験を行い,実践的技術を習得し,指導力を養い技術的諸問題を主体的に解決できる力およびチーム力をつけることを目標とする。また講義で修得した専門的基礎知識を深める。達成目標は,実習の結果を正確に解析し,工学的に考察し,かつ説明する能力をつけることである。
【土木系演習】では,配属先の研究室でテーマを決め,5年次の卒業研究と同じ書式の1,2ページの演習レポートにまとめる。
【建築系演習】では,建築設計に関わる技術の習得して,それらをポートフォリオにまとめる。
授業の進め方・方法:
前期は,GIS演習(2時間),水理実験と土質実験(3時間)を実施する。
【GIS演習】基本的な事項を講義した後,演習必要なシステム体系を示し,ソフトウェアの使い方を学んだ後,選定テーマに従いグル-プにて情報分析演習を行う。最後に発表し,他の演習発表を相互評価する。
【水理実験および土質実験】2グループに分かれて水理実験と土質実験を7週ずつ行う。実験結果と考察をレポートにまとめ,毎回提出する。
後期は,2グループに分けて土木系演習と建築系演習を各7週行う。
注意点:
水理実験および土質実験:成績評価はテーマごとのレポート(試験方法と結果に対する考察)の合計に,実験時の学習状況を含めて,総合的に評価する。
技術者が身につけるべき専門基礎として,水理実験および地盤工学に関する実習・実験への取り組む姿勢と理解度を評価する。水理実験と土質実験の両方が「合」のとき,総合的に「合」と評価する。ただし,各分野の評価は,JABEE基準1(2)における(d)(3)専門的知識を20点,応用する能力を10点,(i)チームで仕事をするための能力を10点,レポートなどを60点で評価し,各評価項目における各分野の平均が6割以上であることが単位修得の条件である。技術者が身につけるべき専門基礎として,上記の到達目標に対する理解と協働の程度を評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 空間情報工学概論Ⅰ[1-2]
水理学実験①[3-5]:物体の密度,比重,浮力の実験
空間情報工学(写真測量)の概要を理解する。/物体の密度を計測でき,その浮力を計算することができる。
2週 空間情報工学概論Ⅱ[6-7]
水理実験②[8-10]:エネルギー保存則の実験(ベルヌーイの定理:水槽からの流出)
空間情報工学(リモートセンシング)概要を理解する。/ベルヌーイの定理を理解して,水槽からの横流出現象を説明できる。
3週 空間情報工学概論Ⅲ[10-11]
水理実験③[13-15]:運動量保存則の実験(壁に当たる水の力)
空間情報工学(GNSS)の概要を理解する。/運動量保存則を理解して,壁に当たる水の力を計算できる。
4週 空間情報工学概論Ⅳ[16-17]
水理実験④[18-20]:レイノルズの実験(層流と乱流)
地理情報システムの基礎と利用環境について理解する。/レイノルズの実験を行って,層流と乱流について説明できる。
5週 データベース基礎演習[21-22]
水理実験⑤[23-25]:管路の摩擦損失,形状損失実験
属性データベースの構築方法を知る。身近なデータベースソフトの利用/管路のエネルギー損失について実験から計算できる。
6週 電子地図の作成1[26-27
水理実験⑥[28-30]:開水路実験(マニングの式)
ラスター・ベクター変換について演習し、学ぶ。/開水路実験を行って,マニングの式を理解し,計算ができる。
7週 電子地図の作成2[31-32]
水理実験⑦[33-35]:開水路実験(比エネルギー,常流と射流,跳水)
ラスター・ベクター変換を実習する。/開水路実験を行って,比エネルギーが計算でき,常流と射流,跳水現象を説明できる。
8週 電子地図の作成3[36-37]
土質実験①[38-40]:ガイダンス,土粒子の密度試験
アナログ地図を入力し電子化する手法を学ぶ。/土粒子の密度試験を実施できる。
2ndQ
9週 空間情報解析手法を学ぶ[41-42]
土質実験②[43-45]:土粒子の密度試験
ラスター地図とベクター地図の活用/土粒子の密度試験を実施できる。
10週 空間情報分析テーマを選ぶ[46-47[
土質実験③[48-50]:液性・塑性限界試験
GISの学ぶ各種解析手法を学ぶ。/液性・塑性限界試験を実施できる。
11週 空間情報・地域情報を収集する。[51-52]
土質実験④[53-55]:粒度試験
空間情報の問題点を見つけ、グループにより解決チームを結成し、方針を決める。/粒度試験を実施できる。
12週 空間情報分析1[56-57]
土質実験⑤[58-60]:締め固め試験
ビッグデータの活用法・地図データの収集を行う。/締め固め試験を実施できる。
13週 空間情報分析2[61-62]
土質実験⑥[63-65]:一軸圧縮試験または一面せん断試験
空間情報分析実習を行う。/一軸圧縮試験または一面せん断試験を実施できる。
14週 GIS総合演習レポート[66-67]
土質実験⑦[68-70]:透水試験または現場単位体積重量試験
選定テーマに於ける演習レポートの作成ができる。/透水試験または現場単位体積重量試験を実施できる。
15週 情報分析結果の発表を行う。
土質実験⑦[71-72]:レポートまとめ
グループ毎にGISを利用した情報分析結果を発表ができる。/レポートをまとめることができる。
16週
後期
3rdQ
1週 建築系演習[1-7]:授業スケジュールの説明(三橋,池田,木村,北山),設計コンセプト・思考法(三橋),ポートフォリオの作成(三橋) 設計コンセプト・思考法を学び,ポートフォリオを作成する。
2週 建築系演習[1-7](三橋):2D-CAD JWW (1-2h),3D-CAD SketchUp (3-4h),ポートフォリオ作成(5h) 2D-CAD JWWおよび3D-CAD SketchUpポートフォリオを作成する。
3週 建築系演習[1-7](池田):木造枠組模型作成 一室(6畳間程度)のみ(1-4h),ポートフォリオ作成(5h) 木造枠組模型作成方法を学び,ポートフォリオを作成する。
4週 建築系演習[1-7](木村):レーザー加工機,3Dプリンタ,センサー等の簡単な回路の工作(1-4h),ポートフォリオ作成(5h) レーザー加工機,3Dプリンタ,センサー等の簡単な回路の工作を行い,ポートフォリオを作成する。
5週 建築系演習[1-7]:プレゼン技術(北山(主),木村(副):イラストレーター,フォトショップ,手描き,画像加工),ポートフォリオ作成 プレゼン技術(イラストレーター,フォトショップ,手描き,画像加工)を学び,ポートフォリオを作成する。
6週 建築系演習[1-7]:プレゼン技術(北山:イラストレーター,フォトショップ,手描き,画像加工),ポートフォリオ作成 プレゼン技術(イラストレーター,フォトショップ,手描き,画像加工)を学び,ポートフォリオを作成する。
7週 建築系演習[1-7]:発表準備(全員:1-2h) プレゼンテーションorポスターセッション(全員:3-5h) 発表準備を行い,プレゼ�%
8週 土木系演習[8-14]:演習スケジュール,レポート作成方法の説明,配属先の決定(1-2h),配属先の研究室でテーマの設定(3-5h) レポートの作成方法を理解し,配属先研究室でテーマを決める。
4thQ
9週 土木系演習[8-14]:文献調査 テーマに関連する文献を調査し,内容をまとめる。
10週 土木系演習[8-14]:文献調査 テーマに関連する文献調査の結果を説明し,研究内容を決定する。
11週 土木系演習[8-14]:実験・調査・解析など 実験・調査・解析等を実施し,得られた結果を考察する。
12週 土木系演習[8-14]:実験・調査・解析など 実験・調査・解析等を実施し,得られた結果を考察する。
13週 土木系演習[8-14]:演習レポートの作成 書式に基づいて演習レポートを作成する。指導教員から添削を受け,修正を行う。
14週 土木系演習[8-14]:演習レポートの作成,提出 演習レポートを完成させ,提出する。
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野測量写真測量の原理や方法について、説明できる。3
GNSS測量の原理を説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】土粒子の密度試験について理解し、器具を使って実験できる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
液性限界・塑性限界試験について理解し、器具を使って実験できる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
粒度試験について理解し、器具を使って実験できる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
透水試験について理解し、器具を使って実験できる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
突固めによる土の締固め試験について理解し、器具を使って実験できる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
一軸圧縮試験について理解し、器具を使って実験できる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7
各種の流量測定の方法を理解し、器具を使って実験できる。4前3,前4,前5,前6,前7
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、実験ができる。4前3,前4,前5,前6,前7
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3後1,後2,後3,後4,後6
合意形成のために会話を成立させることができる。3後1,後2,後3,後4,後6
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後1,後2,後3,後4,後6
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3後1,後2,後3,後4,後5,後6
複数の情報を整理・構造化できる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
事実をもとに論理や考察を展開できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
目標の実現に向けて計画ができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3後1,後2,後3,後4,後5,後6
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3後1,後2,後3,後4,後5,後6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合0000000
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000