水環境工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 水環境工学Ⅱ
科目番号 V4056 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 SD まちづくり・防災コース 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:山崎慎一「PEL環境工学」(実教出版)
担当教員 山崎 慎一

到達目標

【到達目標】
1.全体として国家公務員一般職,地方公務員中級に合格するレベルの知識を身につける。
2.水道施設の種類,処理フロー,単位操作が理解でき説明できる。
3.土壌汚染,大気汚染,騒音・振動の現状を説明できる。
4.廃棄物の種類,資源化,処理方法が説明できる。
5.生態系と生物多様性の保全方法が理解でき説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1水道施設の種類,処理フロー,単位操作が理解でき説明できる。水道施設の種類,処理フロー,単位操作がある程度理解でき説明できる。水道施設の種類,処理フロー,単位操作が説明できない。
評価項目2土壌汚染,大気汚染,騒音・振動の現状を説明できる。土壌汚染,大気汚染,騒音・振動の現状をある程度説明できる。土壌汚染,大気汚染,騒音・振動の現状が説明できない。
評価項目3廃棄物の種類,資源化,処理方法が理解でき説明できる。廃棄物の種類,資源化,処理方法がある程度理解でき説明できる。廃棄物の種類,資源化,処理方法が説明できない。
評価項目4生態系と生物多様性の保全方法が理解でき説明できる。生態系と生物多様性の保全方法がある程度理解でき説明できる。生態系と生物多様性の保全方法が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (C) 説明 閉じる
基準1(2)の知識・能力 基準1(2)(d)(3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
上水道の施設や浄水操作方法,土壌及び大気汚染,騒音・振動の現状,廃棄物の種類や処分方法,生態系の保全について,高知県の身近な例を掲げながら分かり易く解説する。この講義では,主に上水道,土壌汚染,大気汚染,騒音・振動,廃棄物,生態系に関する知識を修得し,実務に応用できる基礎知識を身につける。この科目は企業で上下水道や環境関連装置の開発や設計を担当していた教員が、その経験を活かし、それら施設の計画設計等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
下記の授業計画に従って講義を行う。授業は配付プリントやスライドを使って説明したり、課題の自主学習を行って知識の向上を図る。欠課した時間に配布する課題や資料は各自の机に入れておくので提出期日までに提出すること。後学期中間と学年末に試験を行う。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績を60%,平素の学習状況等(課題を含む)を40%の割合で総合的に評価する。成績評価は中間と期末の各期間の評価の平均とする。学年の評価は後学期末の評価とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,上記の到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【事前・事後学習】
事前・事後学習として課題を手書きで提出する。課題はSNSで調べたり(出典を明記)、周囲の学生とディスカッションをしても構わないが、自分で考えた解答を書くこと(他人の解答を写してはいけない)。
【学修単位科目(授業時間外の学習時間等)】
本科目は学修単位のため、以下の標準学習時間を設定した自主学習を累計45時間分以上実施して提出しなければ、成績が60点を超えた場合でも59点として扱い単位を認定しない。
・全15回の授業に対して、2.5時間の事前・事後学習。計37.5時間分。
・期末試験勉強のための課題学習7.5時間。
【履修上の注意】
この科目を履修するにあたり、4年前学期の水環境工学Ⅰの内容を理解しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 上水道の役割としくみ[1-5]:水道の歴史,役割と課題,種類,基本計画の方法,水質管理基準を理解する。 水道の歴史,役割と課題,種類,基本計画の方法について理解できる。
2週 上水道の役割としくみ[1-5]:水道の歴史,役割と課題,種類,基本計画の方法,水質管理基準を理解する。 ロジスティック曲線式による計画給水人口の推定ができる。水質管理の基準が理解できる。
3週 上水道の役割としくみ[1-5]:水源の種類と特徴,構成施設,配管とポンプ施設を理解する。 水源の種類と特徴,構成施設,配管とポンプ施設が理解でき,簡単な設計計算ができる。
4週 上水道の役割としくみ[1-5]:浄水方法の種類,緩速ろ過と急速ろ過,高度浄水処理を理解する。 塩素のみ,緩速ろ過,急速ろ過,膜ろ過のプロセス選択について考察できる。
5週 上水道の役割としくみ[1-5]:凝集・沈殿・ろ過の仕組み,高度浄水処理を理解する。 凝集・沈殿・ろ過の仕組みが理解できる。高度浄水処理の目的と方法が理解できる。
6週 土壌・大気環境の汚染と対策[6]:土壌汚染の現状と調査法,大気汚染の現状と発生原因を理解する。 土壌汚染と大気汚染の現状と発生源について説明できる。
7週 音・振動の評価と対策[7]:騒音・振動問題の現況と対策方法を理解する。 騒音・振動の現状と発生源について説明できる。
8週 廃棄物の処理とリサイクル[8-9]:廃棄物問題の歴史,区分,発生状況,廃棄物の処理と処分,中間処理及び最終処分の方法を理解する。 廃棄物問題の歴史,区分,発生状況,廃棄物の処理と処分,中間処理及び最終処分の方法を理解できる。
4thQ
9週 廃棄物の処理とリサイクル[8-9]:廃棄物の不法投棄と不適正処理,循環型社会形成のための法体系を理解する。 廃棄物の不法投棄と不適正処理,循環型社会形成のための法体系を理解できる。
10週 生態系と生物多様性の保全[10-11]:生物多様性の劣化原因,重要性,評価方法を理解する。 生態系の構造や機能、生物多様性などが理解できる。
11週 生態系と生物多様性の保全[10-11]:生態系と生物多様性の保全施策を理解する。 生態系と生物多様性の保全施策が理解できる。
12週 環境アセスメントとミティゲーション[12]:環境アセスメントの目的,現状,リスクアセスメント,LCAを理解する。 環境アセスメントの目的,現状,リスクアセスメント,LCAが理解できる。
13週 再生可能エネルギーへの転換[13]:エネルギー自給率,再生可能エネルギーと特徴,FIT制度,バイオマスエネルギーを理解する。 エネルギー自給率,再生可能エネルギーと特徴,FIT制度,バイオマスエネルギーが理解できる。
14週 SDGsと企業の取り組み[14-15]:SDGs,プラネタリーバウンダリー,取り組みの進捗を理解する。 SDGs,プラネタリーバウンダリー,取り組みの進捗が理解できる。
15週 SDGsと企業の取り組み[14-15]:企業の取り組み,サプライチェーンマネジメント,ESG投資を理解する。 企業の取り組み,サプライチェーンマネジメント,ESG投資が理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス地球上の生物の多様性について説明できる。3
生物の共通性と進化の関係について説明できる。3
生物に共通する性質について説明できる。3
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。3
生態ピラミッドについて説明できる。3
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。3
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境水道の役割、種類を説明できる。3後1
水道計画(基本計画、給水量、水質、水圧等)を理解でき、これに関する計算ができる。4後2,後3
浄水の単位操作(凝集、沈澱凝集、濾過、殺菌等)を説明できる。4後4,後5
大気汚染の現状と発生源について、説明できる。3後6
騒音の発生源と現状について、説明できる。3後7
廃棄物の発生源と現状について、説明できる。3後8
廃棄物の収集・処理・処分について、説明できる。3後9
廃棄物の減量化・再資源化について、説明できる。3後11
廃棄物対策(施策、法規等)を説明できる。3後10
環境影響評価の目的を説明できる。3後15
環境影響評価の現状(事例など)を説明できる。3後15
環境影響指標を説明できる。3後15
リスクアセスメントを説明できる。3後15
ライフサイクルアセスメントを説明できる。3後15
生物多様性の現状と危機について、説明できる。3後12
生態系の保全手法を説明できる。3後14
生態系や生物多様性を守るための施策を説明できる。3後13
物質循環と微生物の関係を説明できる。3後12
土壌汚染の現状を説明できる。3後6

評価割合

試験課題他合計
総合評価割合6040100
基礎的能力202040
専門的能力402060
分野横断的能力000