河川工学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 河川工学
科目番号 V5010 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 SD まちづくり・防災コース 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 川合 茂他「河川工学」(コロナ社) 参考書: 福岡捷二「洪水の水理と河道の設計法」(森北出版) ,国土交通省の資料等
担当教員 岡田 将治

到達目標

【到達目標】
1.文明社会と河川の利用について理解している。
2.河川の分類と流域,流れの作用と河床形状について理解している。
3.水の循環,雨が降る仕組み,流出過程,流況曲線,わが国の降雨特性について理解している。
4.水文量の観測手法を説明でき,流域平均雨量を計算できる。
5.河川流の一次元および二次元解析法,感潮河川の水理について理解している。
6.河床形態,限界掃流力,掃流砂量公式,浮遊砂量公式,河床変動について理解している。
7.水害の特性とその変遷,河道計画の策定について理解している。
8.河道およぶダムによる洪水対策,河川の管理と整備について理解している。
9.都市型水害の内水処理の対策について理解している。
10.河川堤防・護岸・水制の役割について理解している。
11.河川における生態系の保全と復元について理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.文明社会と河川の利用について理解している。文明社会と河川の利用について理解している。文明社会と河川の利用について概ね理解している。文明社会と河川の利用について理解していない。
2.河川の分類と流域,流れの作用と河床形状について理解している。河川の分類と流域,流れの作用と河床形状について理解している。河川の分類と流域,流れの作用と河床形状について概ね理解している。河川の分類と流域,流れの作用と河床形状について理解していない。
3.水の循環,雨が降る仕組み,流出過程,流況曲線,わが国の降雨特性について理解している。水の循環,雨が降る仕組み,流出過程,流況曲線,わが国の降雨特性について理解している。水の循環,雨が降る仕組み,流出過程,流況曲線,わが国の降雨特性について概ね理解している。水の循環,雨が降る仕組み,流出過程,流況曲線,わが国の降雨特性について理解していない。
4.水文量の観測手法を説明でき,流域平均雨量を計算できる。水文量の観測手法を説明でき,流域平均雨量を計算できる。水文量の観測手法を概ね説明でき,流域平均雨量を計算できる。水文量の観測手法を説明および流域平均雨量の計算ができない。
5.河川流の一次元および二次元解析法,感潮河川の水理について理解している。河川流の一次元および二次元解析法,感潮河川の水理について理解している。河川流の一次元および二次元解析法,感潮河川の水理について概ね理解している。河川流の一次元および二次元解析法,感潮河川の水理について理解していない。
6.河床形態,限界掃流力,掃流砂量公式,浮遊砂量公式,河床変動について理解している。河床形態,限界掃流力,掃流砂量公式,浮遊砂量公式,河床変動について理解している。河床形態,限界掃流力,掃流砂量公式,浮遊砂量公式,河床変動について概ね理解している。河床形態,限界掃流力,掃流砂量公式,浮遊砂量公式,河床変動について理解していない。
7.水害の特性とその変遷,河道計画の策定について理解している。水害の特性とその変遷,河道計画の策定について理解している。水害の特性とその変遷,河道計画の策定について概ね理解している。水害の特性とその変遷,河道計画の策定について理解していない。
8.河道およぶダムによる洪水対策,河川の管理と整備について理解している。河道およぶダムによる洪水対策,河川の管理と整備について理解している。河道およぶダムによる洪水対策,河川の管理と整備について概ね理解している。河道およぶダムによる洪水対策,河川の管理と整備について理解していない。
9.都市型水害の内水処理の対策について理解している。都市型水害の内水処理の対策について理解している。都市型水害の内水処理の対策について概ね理解している。都市型水害の内水処理の対策について理解していない。
10.河川堤防・護岸・水制の役割について理解している。河川堤防・護岸・水制の役割について理解している。河川堤防・護岸・水制の役割について概ね理解している。河川堤防・護岸・水制の役割について理解していない。
11.河川における生態系の保全と復元について理解している。河川における生態系の保全と復元について理解している。河川における生態系の保全と復元について概ね理解している。河川における生態系の保全と復元について理解していない。

学科の到達目標項目との関係

基準1(2)(d)(3) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
流域の治水・利水などに関する専門的基礎知識を習得するとともに,河川環境,生態系等の課題やその対策について学び,社会における技術者の役割について考える。
授業の進め方・方法:
授業は,はじめに前回の内容の理解度および予習状況を確認する小テスト(10分),教員による説明(計60分),個人およびグループによる演習(計20分)で構成する。毎回,授業内容に関する演習問題と次回の授業に関する予習課題を課し,レポートとして提出させる。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績60%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)40%の割合を基準として総合的に評価する。学期末の成績は,中間と期末の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【事前・事後学習】
事前学習として教科書の該当部分を事前に読んで授業に臨むこと。また,事後学習として授業内で学習した内容の復習や演習問題を解いて各自の理解度を認識するとともに,不明な点は他学生や教員とディスカッションするなどして理解を深めること。
【学修単位科目(授業時間外の学習時間等)】
・本科目は学修単位のため,以下の標準学習時間を設定した自主学習を累計45時間以上実施して提出しなければ,成績が60点を超えた場合でも59点として扱い,単位を認定しない。
・全15回の授業に対して,0.5時間の事前学習と1.5時間の事後学習の計30時間の学習を行う。
・中間試験および期末試験に対してそれぞれ試験勉強のための課題学習として各4時間の計8時間の学習を行う。
・休業中に総まとめ課題として7時間分の学習を行う。
【履修上の注意】
この科目を履修するにあたり,3年生後期の自然・都市災害論,4年生前期の防災工学Iの内容を十分に理解しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 川と河川工学[1]:河川工学と私たちの生活との関わりについて理解する。 文明社会と河川の利用について理解している。
2週 河川地形学[2-3]:河川と流域,河川の作用と地形,世界および日本における河川の特性について理解する。 河川の分類と流域,流れの作用と河床形状について理解している。
3週 河川水文学[3-6]:地球の水循環,日本の降水の特徴,流出現象,水文観測調査の目的と調査法について学び,流出解析法を理解する。 水の循環,雨が降る仕組み,流出過程,流況曲線,わが国の降雨特性について理解している。
4週 河川水文学[3-6]:地球の水循環,日本の降水の特徴,流出現象,水文観測調査の目的と調査法について学び,流出解析法を理解する。 水文量の観測手法を説明でき,流域平均雨量を計算できる。
5週 河川水文学[3-6]:地球の水循環,日本の降水の特徴,流出現象,水文観測調査の目的と調査法について学び,流出解析法を理解する。 水文量の観測手法を説明でき,流域平均雨量を計算できる。
6週 河川水文学[3-6]:地球の水循環,日本の降水の特徴,流出現象,水文観測調査の目的と調査法について学び,流出解析法を理解する。 水文量の観測手法を説明でき,流域平均雨量を計算できる。
7週 河川水理学[7-8]:河川流の一次元および二次元解析,河口の水理について学ぶ。 河川流の一次元および二次元解析法,感潮河川の水理について理解している。
8週 河川水理学[7-8]:河川流の一次元および二次元解析,河口の水理について学ぶ。 河川流の一次元および二次元解析法,感潮河川の水理について理解している。
4thQ
9週 流砂と河床変動[9-10]:土砂の移動現象とその形態,土砂の生産,流砂,河床変動について学ぶ。 河床形態,限界掃流力,掃流砂量公式,浮遊砂量公式,河床変動について理解している。
10週 流砂と河床変動[9-10]:土砂の移動現象とその形態,土砂の生産,流砂,河床変動について学ぶ。 河床形態,限界掃流力,掃流砂量公式,浮遊砂量公式,河床変動について理解している。
11週 河川計画[11-13]:基本高水の決定方法,治水計画,都市水害と対策,利水計画,環境保全計画について学ぶ。 水害の特性とその変遷,河道計画の策定について理解している。
12週 河川計画[11-13]:基本高水の決定方法,治水計画,都市水害と対策,利水計画,環境保全計画について学ぶ。 河道およぶダムによる洪水対策,河川の管理と整備について理解している。
13週 河川計画[11-13]:基本高水の決定方法,治水計画,都市水害と対策,利水計画,環境保全計画について学ぶ。 都市型水害の内水処理の対策について理解している。
14週 河川構造物[14]:河川構造物の種類と構造について理解する。 河川堤防・護岸・水制の役割について理解している。
15週 河川生態環境に配慮した川づくり[15]:河川における生物生息場の多様性,多自然型川づくりの事例について学ぶ。 河川における生態系の保全と復元について理解している。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。3
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。2
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。3
浮力と浮体の安定を計算できる。3
完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。2
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。2
層流と乱流について、説明できる。3
河川の分類と流域について、説明できる。2
水の循環、雨が降る仕組み、我が国の降雨特性について、説明できる。2
水文量の観測方法を説明でき、流域平均雨量を計算できる。3
河道およびダムによる洪水対策を説明できる。2
都市型水害と内水処理の対策について、説明できる。2
日本の水資源の現況について、説明できる。2
河川堤防・護岸・水制の役割について、説明できる。2

評価割合

試験授業課題レポート合計
総合評価割合602020100
基礎的能力20101040
専門的能力40101060
分野横断的能力0000