機能性材料

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 機能性材料
科目番号 T3026 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 SD 新素材・生命コース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント,教科書(9 ~ 15週):執行直之「はじめての半導体デバイス」(近代科学社) /参考(16~22週):PEL編集委員会「機械・金属材料学」(実教出版),菱田博俊「わかりやすい材料学の基礎」(成山堂書店)
担当教員 安川 雅啓,赤崎 達志,奥村 勇人,大角 理人

到達目標

1.元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。
2.イオン結合、共通結合、配位結合、金属結合、水素結合について説明できる。
3.代表的な無機機能材料について、構造、製法(合成法)、性質、応用を理解できる。
4.半導体の基礎物性,半導体デバイスの動作原理,応用例を理解できる。
5.金属材料に求められる性質を説明できる。
6.金属材料,複合材料,機能性材料の性質と用途を説明できる。
7.基本的な有機化合物について説明できる・。
8.代表的な有機機能材料について、構造、製法(合成法)、性質、応用を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を十分に説明できる。元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できない。
評価項目2イオン結合、共通結合、配位結合、金属結合、水素結合について十分に説明できる。イオン結合、共通結合、配位結合、金属結合、水素結合について説明できる。イオン結合、共通結合、配位結合、金属結合、水素結合について説明できない。
評価項目3代表的な無機機能材料について、構造、製法(合成法)、性質、応用を十分に理解できる。代表的な無機機能材料について、構造、製法(合成法)、性質、応用を理解できる。代表的な無機機能材料について、構造、製法(合成法)、性質、応用を理解できない。
評価項目4半導体の基礎物性,半導体デバイスの動作原理,応用例を十分に理解できる。半導体の基礎物性,半導体デバイスの動作原理,応用例を理解できる。半導体の基礎物性,半導体デバイスの動作原理,応用例を理解できない。
評価項目5求められる性質に対応した金属材料を選択できる。金属材料に求められる性質を説明できる。金属材料に求められる性質を説明できない。
評価項目6求められる性質に対応した材料を選択できる。金属材料,複合材料,機能性材料の性質と用途を説明できる。金属材料,複合材料,機能性材料の性質と用途を説明できない。
評価項目7基本的な有機化合物について十分に説明できる。基本的な有機化合物について説明できる。基本的な有機化合物について十分に説明できない。
評価項目8代表的な有機機能材料について、構造、製法(合成法)、性質、応用を十分に理解できる。代表的な有機機能材料について、構造、製法(合成法)、性質、応用を理解できる。代表的な有機機能材料について、構造、製法(合成法)、性質、応用を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期中間までは、元素の周期律、典型元素や遷移元素の一般的な性質、各種の化学結合を学習し、代表的な無機機能材料について構造、製法、性質、応用を学習する。その後、前期末までは半導体の基礎物性,半導体デバイスの動作原理,応用例について学習する。後期中間までは自動車に使用されている金属材料を中心にそれぞれの材料が有する特徴について、学年末までは代表的な有機機能材料について、構造、製法、性質、応用を学習する。
2年次の材料学基礎につながる科目として、種々の機能性材料に関する専門基礎知識を養う。
授業の進め方・方法:
4名の教員が期間毎に順次担当する。
注意点:
試験の成績80%、平素の学習状況(課題、小テスト、提出物等)20%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均、学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお、後学期中間の評価は前学期中間、前学期末、後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として、到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 元素の周期律[1]:元素の周期律について学習する。 元素の周期律について理解する。
2週 典型元素と遷移元素[2]:典型元素と遷移元素の一般的性質について学習する。 典型元素と遷移元素の一般的性質を説明できる。
3週 各種の化学結合[3-4]:イオン結合と共有結合について学習する。 イオン結合と共有結合について説明できる。
4週 各種の化学結合[3-4]:配位結合、水素結合、金属結合について学習する。 配位結合、水素結合、金属結合について説明できる。
5週 無機機能材料[5-8]:代表的な無機機能材料について、構造、製法、性質、応用を学習する。 代表的な無機機能材料について、構造、製法、性質、応用が理解できる。
6週 無機機能材料[5-8]:代表的な無機機能材料について、構造、製法、性質、応用を学習する。 代表的な無機機能材料について、構造、製法、性質、応用が理解できる。
7週 無機機能材料[5-8]:代表的な無機機能材料について、構造、製法、性質、応用を学習する。 代表的な無機機能材料について、構造、製法、性質、応用が理解できる。
8週 無機機能材料[5-8]:代表的な無機機能材料について、構造、製法、性質、応用を学習する。 代表的な無機機能材料について、構造、製法、性質、応用が理解できる。
2ndQ
9週 半導体の物理[9-11]:エネルギーバンド,電子の統計分布,不純物効果について学ぶ。 エネルギーバンド,電子の統計分布,不純物効果について,
理解できる。
10週 半導体の物理[9-11]:エネルギーバンド,電子の統計分布,不純物効果について学ぶ。 エネルギーバンド,電子の統計分布,不純物効果について,
理解できる。
11週 半導体の物理[9-11]:エネルギーバンド,電子の統計分布,不純物効果について学ぶ。 エネルギーバンド,電子の統計分布,不純物効果について,
理解できる。
12週 半導体デバイスの動作原理[12-14]:pn接合,バイポーラトランジスタ,電界効果トランジスタの動作原理について学ぶ。 pn接合,バイポーラトランジスタ,電界効果トランジスタの動作原理について,理解できる。
13週 半導体デバイスの動作原理[12-14]:pn接合,バイポーラトランジスタ,電界効果トランジスタの動作原理について学ぶ。 pn接合,バイポーラトランジスタ,電界効果トランジスタの動作原理について,理解できる。
14週 半導体デバイスの動作原理[12-14]:pn接合,バイポーラトランジスタ,電界効果トランジスタの動作原理について学ぶ。 pn接合,バイポーラトランジスタ,電界効果トランジスタの動作原理について,理解できる。
15週 半導体応用[15]:半導体デバイスを用いた回路の機能について学ぶ。 半導体デバイスを用いた回路の機能について,理解できる。
16週
後期
3rdQ
1週 金属の代表的な構造および欠陥・変形[16]:金属材料の構造や欠陥および変形について学ぶ。 金属材料の構造を知り、基本的な変形を知る。
2週 構造材料に求められる性質[17-19]:機械的性質とその試験方法について学ぶ。 引張試験の方法を理解し、応力―ひずみ線図を説明できる。
3週 構造材料に求められる性質[17-19]:結晶粒と強度の関係と変形メカニズムについて学ぶ。 結晶粒の微細化による超塑性現象について知る。疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。
4週 構造材料に求められる性質[17-19]:機械的性質とその試験方法について学ぶ。 機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。
5週 形状記憶合金・超弾性合金[20]:形状記憶合金・超弾性合金について学ぶ。 形状記憶合金・超弾性合金の性質とその変形メカニズムをを知る。
6週 水素吸蔵合金[21]:水素吸蔵合金の種類と特徴を学ぶ。 水素吸蔵合金の種類と特徴およびその性質を知る。
7週 炭素繊維強化複合材料[22]:炭素繊維強化複合材料の特徴について学ぶ。 炭素繊維強化複合材料の特長について知る。
8週 有機化合物の性質[23-24]:有機化合物の基本的な性質を学ぶ。 有機化合物の基本的な性質理解する。
4thQ
9週 有機化合物の性質[23-24]:有機化合物の基本的な性質を学ぶ。 有機化合物の基本的な性質理解する。
10週 有機化合物の立体化学[25-26]:有機化合物の基本的な立体化学を学ぶ。 有機化合物の基本的な立体化学を理解する。
11週 有機化合物の立体化学[25-26]:有機化合物の基本的な立体化学を学ぶ。 有機化合物の基本的な立体化学を理解する。
12週 有機機能材料[27-30]:代表的な有機機能材料について、構造、製法、性質、応用を学習する。 代表的な有機機能材料について理解できる。
13週 有機機能材料[27-30]:代表的な有機機能材料について、構造、製法、性質、応用を学習する。 代表的な有機機能材料について理解できる。
14週 有機機能材料[27-30]:代表的な有機機能材料について、構造、製法、性質、応用を学習する。 代表的な有機機能材料について理解できる。
15週 有機機能材料[27-30]:代表的な有機機能材料について、構造、製法、性質、応用を学習する。 代表的な有機機能材料について理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4後2
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。4後3
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。4後4
塑性変形の起り方を説明できる。3後2
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。3後2
電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。2前9,前10,前11
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。2前9,前10,前11
原子の構造を説明できる。2前9,前10,前11
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。2前9,前10,前11
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。2前9,前10,前11
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。2前9,前10,前11
真性半導体と不純物半導体を説明できる。2前9,前10,前11
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。2前9,前10,前11
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。2前12,前13,前14
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。2前12,前13,前14
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。2前12,前13,前14
化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。2後8,後9
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。2後8,後9
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。2後10,後11
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。2後10,後11
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。2後10,後11
高分子化合物がどのようなものか説明できる。2後12,後13,後14,後15
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。2後12,後13,後14,後15
無機化学元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4前1,前2
イオン結合と共有結合について説明できる。4前3
金属結合の形成について理解できる。4前4
配位結合の形成について説明できる。4前4
水素結合について説明できる。4前4

評価割合

試験平素の学習状況合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000