概要:
【授業の目標等】
化学技術者が身につけるべき専門基礎として,金属イオンの定性分析実験および無機イオンの定量分析実験を行い,定性・定量分析化学に関する実験技術を習得する。実験とその結果と考察を論理的にまとめ,文章で報告できる能力を身につける。
定性分析化学実験では,化学実験の基本的な技術や手法を身につけるとともに,器具の使い方や洗浄方法をはじめ,種々の金属イオンを含む溶液からの各金属イオンの分離・検出法について実践的に学習する。
定量分析化学実験では,重量分析や容量分析の基本的な技術や手法を身につけるとともに,無機化合物の構造や無機イオンを含む溶液内の反応に関する基本概念や理論を理解し,定量分析操作や化学計算法を実践的に習得する。
授業の進め方・方法:
各実験のはじめには実験に関する注意事項を講義し、その後各自その週のテーマの実験を始める。実験授業中は操作が正しいか、安全な実験をしているか、実験ノートは正しくつけているかを教員が監督しながら実験を進める。実験によって得られた結果は実験ノートやレポートに記載して報告する。
注意点:
実験ノート・レポート(実験の予習・準備を含む)80%,平素の学習状況(取り組み姿勢)20%,の割合で総合的に評価する。全てのレポート及び実験ノートが提出されていることが求められる。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を総合的に評価する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1.導入:分析化学実験を行うに当たっての注意。実験ノートの取り方,レポートの作成方法について,実験器具の基本的使用方法の習得 |
分析化学実験に関する基本的なレポートの書き方について理解し、次回からの実験ノート・レポート執筆に実践できる。基本的な実験器具を使用することができる。
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2週 |
2.定性分析実験①:第1属陽イオンの分析(基本操作) |
第1属陽イオンの分析を手順通りに実験を実施することができ、実験中の観察事項などを実験ノート書き込みができる。
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3週 |
2.定性分析実験①:第1属陽イオンの分析(分離・検出) |
第1属陽イオンを含む未知試料溶液の分析ができる。
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4週 |
2.定性分析実験②:第2属陽イオンの分析(基本操作) |
第2属陽イオンの分析を手順通りに実験を実施することができ、実験中の観察事項などを実験ノート書き込みができる。
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5週 |
2.定性分析実験②:第2属陽イオンの分析(分離・検出) |
第2属陽イオンを含む未知試料溶液の分析ができる。
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6週 |
2.定性分析実験③:第3属陽イオンの分析(基本操作および分離・検出) |
第3属陽イオンの分析を手順通りに実験を実施することができ、実験中の観察事項などを実験ノート書き込みができる。第3属陽イオンを含む未知試料溶液の分析ができる。
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7週 |
2.定性分析実験④:第4属陽イオンの分析(基本操作) |
第3属陽イオンの分析を手順通りに実験を実施することができ、実験中の観察事項などを実験ノート書き込みができる。
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8週 |
2.定性分析実験④:第4属陽イオンの分析(分離・検出) |
第4属陽イオンを含む未知試料溶液の分析ができる。
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2ndQ |
9週 |
2.定性分析実験⑤:第5属陽イオンの分析(基本操作および分離・検出) |
第5属陽イオンの分析を手順通りに実験を実施することができ、実験中の観察事項などを実験ノート書き込みができる。第5属陽イオンを含む未知試料溶液の分析ができる。
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10週 |
3.定量分析実験①:[酸塩基滴定1]中和滴定による酸の定量 |
試料溶液中の酸性物質の定量のために、自作の塩基溶液を標準溶液を用いて濃度決定し,その後に中和滴定(酸塩基滴定)によって未知試料を定量する。
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11週 |
3.定量分析実験②:[酸塩基滴定2]水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの定量 |
水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの塩基混合物の水溶液に対して酸塩基滴定によって各物質の定量ができる。
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12週 |
3.定量分析実験③:[酸化還元滴定]CODの測定 |
有機物が溶存するモデル水溶液のCOD測定ができる。
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13週 |
3.定量分析実験④:[錯滴定]EDTA標準液調製 |
錯滴定のためのEDTA標準溶液の調製ができ,作製したEDTA溶液の濃度決定が正しくできる。
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14週 |
3.定量分析実験④:[錯滴定]キレート滴定による水の硬度測定 |
市販のミネラルウォーターの硬度測定を通じて,水の硬度測定ができる。
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15週 |
4.分析化学実験のまとめ・片付け |
定性・定量分析化学実験を振り返り,実験内容の理解度・到達度を確認する。実験器具を正しく点検できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | 前1 |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | 前1 |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | 前1 |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | 前1 |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | |
試薬の調製ができる。 | 3 | 前13 |
代表的な気体発生の実験ができる。 | 3 | |
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。 | 3 | |
工学基礎 | 工学実験技術 | 工学実験技術 | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | 前10,前11,前12,前13,前14 |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | |
分析化学 | いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9 |
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。 | 4 | 前11 |
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。 | 4 | 前12 |
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。 | 4 | 前13,前14 |
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。 | 3 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野(実験・実習能力) | 分析化学実験 | 中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。 | 4 | 前11 |
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。 | 4 | 前12 |
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。 | 4 | 前13,前14 |
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9 |