概要:
材料を学ぶ基礎となる無機化学を学ぶ。原子の電子配置,周期律, 分子軌道,錯体の分子軌道について学び,そこから得られる基礎的な性質についても学習する。
授業の進め方・方法:
授業は随時演習を取り入れた講義形式で進めていく。この中で、平均週1回を目安に前週までの内容に関する小テストを実施する。また、必要に応じて随時課題がある。
注意点:
試験の成績90%,小テストと課題からなる平常点10% の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。
なお,後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
2 原子モデルと周期表 ◆補助単位換算 ◆光と波の復習 ◆光電効果 |
無機化学で用いる単位系を正しく理解できる。光波の諸物性の計算ができる。 光のエネルギー計算ができる。
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2週 |
2 原子モデルと周期表 ◆水素原子の発光スペクトルについて学習する。 |
水素原子の発光スペクトルについて説明できる。
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3週 |
2 原子モデルと周期表 ◆ボーアの水素モデルについて学習する。ド・ブロイ波について学習する。 |
ボーアの水素モデルについて、その導出を理解し、各量子数でのエネルギー計算ができる。ド・ブロイ波とは何かを理解し、説明できる。
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4週 |
2 原子モデルと周期表 ◆原子軌道の意味と性質 |
軌道関数の特徴の概要を説明できる。
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5週 |
2 原子モデルと周期表 ◆Shrodinger方程式 ◆量子数とエネルギー,波動関数の関係 ◆電子スピン |
シュレディンガー方程式の存在を理解しており、現れた各種の量子数と軌道の関係が理解できる。原子軌道の図を正しく書くことができる。
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6週 |
2 原子モデルと周期表 ◆電子の配置則 ◆Caまでの電子配置 ◆Rnまでの電子配置 ◆周期表との関係 |
パウリの排他則およびフントの規則を利用して、各原子の電子配置を正しく書くことができる。 周期表と電子配置の相関を理解できる。周期表上の各種ブロックを答えることができる。
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7週 |
前期中間試験 |
前期中間試験を通してこれまでの内容における到達目標を達成できる。
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8週 |
2 原子モデルと周期表 ◆単純イオンの電子配置 ◆典型元素の電子配置 ◆遷移元素の電子配置 ◆ランタノイドの電子配置 |
パウリの排他則およびフントの規則を利用して、各イオンの電子配置を正しく書くことができる。
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2ndQ |
9週 |
2 原子モデルと周期表 ◆有効殻電荷 3化学結合 ◆イオン化エネルギー,電子親和力序論 |
各元素、イオンの有効核電荷を計算できる。電子軌道の貫入とは何かを理解し、説明できる。
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10週 |
3化学結合 ◆イオン化エネルギー,電子親和力,原子半径、イオン半径と周期表 |
原子番号とイオン化エネルギー、電子親和力、イオン半径の相関グラフをもとにして、その相関性について説明できる。ランタノイド収縮とは何か説明できる。
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11週 |
◆イオン化エネルギー,電子親和力,原子半径、イオン半径と周期表 |
原子番号とイオン化エネルギー、電子親和力、イオン半径の相関グラフをもとにして、その相関性について説明できる。ランタノイド収縮とは何か説明できる。
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12週 |
3化学結合 ◆電気陰性度 ◆ポーリングの電気陰性度 ◆Mullikenの殿筋制度 ◆オールレッドロコウの電気陰性度 |
各種の電気陰性度の特徴を説明でき、必要な物性データを用いて算出できる。
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13週 |
前期第8週から第12週までの演習 |
前期第8週から第12週までの範囲の内容を定着させる。
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14週 |
前期期末試験 |
前期期末試験を通してこれまでの内容における到達目標を達成できる。
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15週 |
分子のルイス構造について学ぶ。 |
分子のLewis構造を描くことができる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
分子のルイス構造について学ぶ。 ルイス構造を基にした、分子の形の予測方法について学ぶ。 |
分子のLewis構造を描くことができる。 VSEPR理論を使い、分子の形を正しく答えることができる。
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2週 |
ルイス構造を基にした、分子の形の予測方法について学ぶ。 結合の分極と分子の極性について学ぶ。 |
VSEPR理論を使い、分子の形を正しく答えることができる。 分子式、分子名を見てその分子の形からその分子が極性分子か、無極性分子か判別できる
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3週 |
3化学結合 ◆原子価軌道法 ◆混成軌道 |
原子軌道の混成のイメージを理解している。指定した原子の混成軌道を正しく答えることができる。
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4週 |
3化学結合 ◆分子軌道法 ◆H2の分子軌道 |
分子軌道に関する専門用語が意味するところを理解したうえで水素分イオン、水素分子、ヘリウム二量体等のの分子軌道図を描ける。
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5週 |
3化学結合 ◆第二周期の分子軌道 |
分子軌道に関する専門用語が意味するところを理解したうえで等核二原子分子,異核二原子分子の分子軌道図を描ける。 分子軌道図からその分子の磁性について、答えることができる。
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6週 |
後期第1週から第6週までの演習 |
後期第1週から第6週までの範囲の内容を定着させる。
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7週 |
後期中間試験 |
後期中間試験を通してこれまでの内容における到達目標を達成できる。
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8週 |
5錯体化学 ◆金属錯体の種類とその命名法 |
錯体および錯イオンを正しく命名することができる。錯体および錯イオンの名称から分子式を書くことができる。
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4thQ |
9週 |
5錯体化学 ◆金属錯体の立体異性体 ◆金属錯体とd軌道 |
錯体の構造異性体を区別して書くことができる。錯体の名称から立体構造を書くことができる。
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10週 |
5錯体化学 ◆d軌道の分裂 |
八面体錯体、四面体錯体、正方錯体、直線錯体について、d軌道の分裂を描くことができ、なぜそのような分裂になるのかを結晶場理論に基づいて説明することができる。
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11週 |
5錯体化学 ◆錯体のスピン状態 |
八面体錯体について、高スピン錯体と低スピン錯体を区別して電子配置を書くことができる。錯体の電子配置からCFSEを計算することができる。
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12週 |
5錯体化学 ◆ヤーンテラー効果 ◆錯体の物性 |
ヤーンテラー効果とは何か、電子配置図とともに説明することができる。 d軌道分裂の特性からその錯体が何色か、予想できる。電子配置からその錯体の磁気モーメントを計算することができる。
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13週 |
5錯体化学 ◆配位子場理論序論 |
配位子場理論がどのようなものか概略を説明できる。
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14週 |
5錯体化学 ◆配位子の種類と配位子場理論 ◆錯体の物性 |
σ配位子、π供与体配位子、π受容体配位子とは何か説明でき、それぞれの場合の錯体の分子軌道を描くことができる。MLCT遷移、LMCT遷移について理解できる。分光化学系列について説明できる。配位子の置換活性について説明できる。
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15週 |
後期第8週から第14週までの演習 |
後期第8週から第14週までの範囲の内容を定着させる。
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16週 |
学年末試験 |
学年末試験を通してこれまでの内容における到達目標を達成できる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 4 | 前5 |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 4 | 前4 |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | 前6,前8 |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 4 | 前6,前8 |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 3 | 前6,前8 |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | 前10,前11,前12 |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 3 | 前12 |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 4 | 前15,後1,後2 |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 4 | 後3,後4,後5 |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 4 | 後3 |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 4 | 後8 |
錯体の命名法の基本を説明できる。 | 4 | 後8 |
配位数と構造について説明できる。 | 4 | 後9 |
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。 | 4 | 後12,後14 |