有機化学・無機化学実験

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 有機化学・無機化学実験
科目番号 T3052 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 SD 新素材・生命コース 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 6
教科書/教材 参考書:配布プリント,GoogleClassRoom
担当教員 大角 理人

到達目標

1.教科書で学習した内容について,実験を通して実践できる。
2.有機・無機合成の実験を通して,合成実験の技術を習得できる。
3.実験中の観察とともにその場での実験ノート書き込みができる。
4.実験とその考察を論理的に論文形式の文章としてまとめ,報告できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
実験の予習実験書の内容に加えて、それに関連する事項を予習して実験に臨むことができる。実験書の内容を予習して実験に臨むことができる。実験書の内容を予習して実験に臨むことができない。
実験の理解実験書の内容の意味を十分に理解したうえで、実験書に従い、安全に実験を行うことができる。実験書に従い、安全に実験を行うことができる。実験書に従い、安全に実験を行うことができない。
実験結果のまとめ実験結果および考察を論理的に論文形式の文章としてまとめることができる。実験結果を論理的に論文形式の文章としてまとめることができる。実験結果を論理的に論文形式の文章としてまとめることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学技術者が身につけるべき専門基礎として,有機・無機化合物の合成実験を中心に行い,合成に関する実験技術を習得する。実験とその考察を論理的に文章としてまとめ,報告できる能力を身につける。
授業の進め方・方法:
下記の授業計画の通り進める。ただし,状況によって実験順序などが変更になることもある.
注意点:
【成績評価の基準・方法】
全てのレポート及び実験ノートを提出していることが合格の条件である。レポートを70%,平素の学習状況(実験の予習・準備,取り組み姿勢及び実験技術の修得度等)を20%,実験ノートを10%の割合で総合的に評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として,レポートおよび実験ノートの内容をもとに,実験内容に関する理解の程度を評価する。
【事前・事後学習】
実験の予習を必ず行い、ノートにまとめておくこと。事後学習として実験で指示したレポート・課題を期限内に提出すること。
【履修上の注意】
本科目は有機化学I・IIおよび無機化学I・IIで学ぶ内容についての実習となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 導入:無機化学実験を行うに当たっての注意。実験ノートの取り方,レポートの作成方法について,実験器具の基本的使用方法の習得
酸化亜鉛の合成:銅と亜鉛のイオン化傾向の差を利用し、亜鉛粉末と硫酸銅から硫酸亜鉛と粉末銅を得る。
合成実験に関する基本的なレポートの書き方について理解し、レポート執筆に実践できる。基本的な実験器具を使用することができる
酸化亜鉛の合成を手順通りに実施することができる。
2週 酸化亜鉛の合成:銅と亜鉛のイオン化傾向の差を利用し、亜鉛粉末と硫酸銅から硫酸亜鉛と粉末銅を得る。 酸化亜鉛の合成を手順通りに実施することができる。
3週 硫酸銅の合成:銅を硝酸に溶かし,炭酸ナトリウムを加え,得られた合成物に硫酸を加えて硫酸銅を合成する。 硫酸銅の合成を手順通りに実施することができる。
4週 硫酸銅の合成:銅を硝酸に溶かし,炭酸ナトリウムを加え,得られた合成物に硫酸を加えて硫酸銅を合成する。
※レポート指導
硫酸銅の合成を手順通りに実施することができる。
5週 コバルト錯体の合成 :塩化コバルト(II)六水和物をアンモニア存在下で酸化し,触媒を用いてヘキサアンミンコバルト(III)塩化物を合成する。 コバルト錯体の合成を手順通りに実施することができる。
6週 塩化t-ブチルの合成:t-ブチルアルコールの塩素化を学ぶ。 反応を理解し、塩化t-ブチルの合成ができる。
7週 酢酸エチルの合成:酢酸のエステル化を学ぶ。 反応を理解し、酢酸エチルの合成ができる。
8週 酢酸エチルのNMRの測定と解析. NMR分光計を理解し,酢酸エチルのNMR分析・解析ができる。
4thQ
9週 シクロヘキセンの合成:シクロヘキサノールの脱水による二重結合の生成を学ぶ。 反応を理解し、シクロヘキセンの合成ができる。
10週 アスピリンの合成:サリチル酸のアセチル化を学ぶ。 反応を理解し、アスピリンの合成ができる。
11週 ジベンジリデンアセトンの合成:ベンズアルデヒドとアセトンの脱水縮合を学ぶ。 反応を理解し、ジベンジリデンアセトンの合成ができる。
12週 m-ニトロ安息香酸メチルの合成:置換基の配向性を学ぶ。(合成) 反応を理解し、m-ニトロ安息香酸メチルの合成ができる。
13週 m-ニトロ安息香酸メチルのGCの測定と解析. GCを理解し、m-ニトロ安息香酸メチルのGC分析・解析ができる。
14週 アゾ色素の合成:多段階合成を学ぶ。(1・2段階目の合成) 反応を理解し、アゾ色素の合成ができる。
15週 アゾ色素の合成:多段階合成を学ぶ。(3・4段階目の合成)
反応を理解し、アゾ色素の合成ができる。
16週 ベンジルアルコールの合成:還元反応を学ぶ 反応を理解し、ベンジルアルコールの合成ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術工学実験技術物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野(実験・実習能力)化学・生物系分野(実験・実習能力)加熱還流による反応ができる。4後4,後6,後7,後8
蒸留による精製ができる。4後2,後3,後4,後6,後7,後8
吸引ろ過ができる。4後9,後10
再結晶による精製ができる。4後2,後9,後10,後12,後13
分液漏斗による抽出ができる。4後1,後3,後4,後7,後8,後14
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。4後2,後9,後12,後13,後14
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。4後3,後4,後6,後7,後8,後9,後12,後13
収率の計算ができる。4後3,後4,後6,後7,後8,後9,後10,後12,後13,後14

評価割合

レポート平素の学習状況ノート合計
総合評価割合702010100
基礎的能力3010040
専門的能力30101050
分野横断的能力100010