物理化学・化学工学実験

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 物理化学・化学工学実験
科目番号 T4070 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 SD 新素材・生命コース 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 6
教科書/教材 教科書:「実験テキスト」(高知高専 新素材・生命コース編) 参考書:浅田他「新物理化学実験」(技報堂出版)
担当教員 中林 浩俊,藤田 陽師,長山 和史

到達目標

1.物理化学・化学工学の各々の実験テーマにおいて、適切な器具を用いて各種の物性値を測定し、得られたデータを解析できる。
2.各々の実験テーマに基づいた実験技術やレポート作成能力を身に付ける。  

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理化学・化学工学の各々の実験テーマにおいて、適切な器具を用いて各種の物性値を測定し、得られたデータを十分に解析できる。物理化学・化学工学の各々の実験テーマにおいて、適切な器具を用いて各種の物性値を測定し、得られたデータを解析できる。物理化学・化学工学の各々の実験テーマにおいて、適切な器具を用いて各種の物性値を測定し、得られたデータを解析できない。
評価項目2各実験の原理と実験プロセスを理解し実験に必要な各々の実験テーマに基づいた実験技術やレポート作成能力が十分に身に付いている。  各々の実験テーマに基づいた実験技術やレポート作成能力が身に付いている。  各々の実験テーマに基づいた実験技術やレポート作成能力が身に付いていない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理化学および化学工学における基本的な実験操作およびデータ解析の手法を修得し,それぞれの理論について学ぶ。
実際に化学工場や研究所での製品評価やプロセス設計に用いられている物理化学および化学工学を解説することにより,実務で幅広く応用できる能力を養成する。
授業の進め方・方法:
実験テーマ毎にグループに分かれて、実験を実施する。
注意点:
全てのレポートが提出されている場合を合格とする。平素の学習状況(実験の予習・準備及び取り組み姿勢,実験技術の修得度)30%,レポート70%の割合で総合的に評価する。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を,実験技術や実験結果をレポートとして論理的に記述できる能力等により総合的に評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1.実験ガイダンスおよび実験器具・装置の準備・点検 実験器具・測定装置の組み立てと取扱ができる。
2週 2.物理化学実験
(1) 液体および固体の密度・粘度測定
液体および固体の密度と粘度を正確に測定し,物性評価が出来る。
3週 (1) 液体および固体の密度・粘度測定 液体および固体の密度と粘度を正確に測定し,物性評価が出来る。
4週 (2) 分子量測定 溶液のもつ束一的性質から,溶質の分子量を求めることめることができる
5週 (2) 分子量測定 溶液のもつ束一的性質から,溶質の分子量を求めることめることができる
6週 (3) 一次反応の反応速度測定 化学反応の時間的変化を測定し,反応速度定数および活性化エネルギーを求めることが出来る。
7週 (3) 一次反応の反応速度測定
化学反応の時間的変化を測定し,反応速度定数および活性化エネルギーを求めることが出来る。
8週 (4) 吸着平衡の測定 吸着実験により吸着等温曲線を作成し,吸着等温式から吸着現象を考察する。
4thQ
9週 (4) 吸着平衡の測定 吸着実験により吸着等温曲線を作成し,吸着等温式から吸着現象を考察する。
10週 3.化学工学実験
(1) 単蒸留
メタノール・水2成分系の単蒸留を行い,実験データを得ることができる。
11週 (1) 単蒸留 得られたデータを解析し、設定課題を行うことができる。
12週 (2) 流体輸送 流体輸送の理論を理解し,実験データを得ることができる。
13週 (2) 流体輸送 得られたデータを解析し、設定課題を行うことができる。
14週 (3) 強制対流伝熱 二重管式熱交換器の理論を理解し,実験データを得ることができる。
15週 (3) 強制対流伝熱 得られたデータを解析し、設定課題を行うことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術工学実験技術物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4後1
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4後1
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4後1
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4後1
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4後1
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4後3,後5,後7,後9
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4後3,後5,後7,後9
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4後1
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4後1
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4後1
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4後1
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野(実験・実習能力)物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。4後1
各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。4後2,後3
粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。4後2,後3
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。4
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。4後4,後5
相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。4後8,後9
基本的な金属単極電位(半電池)を組み合わせ、代表的なダニエル電池の起電力を測定できる。また、水の電気分解を測定し、理論分解電圧と水素・酸素過電圧についても説明できる。4
反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。4後6,後7
化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4

評価割合

レポート平素の学習状況合計
総合評価割合7030100
基礎的能力403070
専門的能力30030
分野横断的能力000