到達目標
幾何光学および波動光学物性についてどのような現象か説明でき,どのような用途で用いられるかその物性と対応して挙げることができる
光の吸収,発光などの原理を分子と光の相互作用の観点から説明でき,そのような用途で用いられるか挙げることができる。
半導体物性を,光機能の観点から有機,無機ごとに説明することができ,受光デバイス,発光デバイスについてその原理を説明できる。
主なレーザー材料について挙げることができる。レーザーとは何か説明できる
機能性色素について代表的なものを挙げてその原理と具体例を説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 各種幾何光学物性現象が起こる原理を説明できる。世の中のデバイスを見て,どの光物性を利用したデバイスか原理とともに説明できる。 | 幾何光学物性についてどのような現象か説明でき,どのような用途で用いられるかその物性と対応して挙げることができる | 幾何光学物性について,どのような現象か説明することができない |
評価項目2 | 材料を見て半導体物性を示すか,それはp型かn型かを根拠を持って見当をつけることができる。 | 半導体物性を,有機無機ごとに説明することができ,受光デバイス,発光デバイスについてその原理を説明できる。 | 無機半導体と有機半導体について,光機能材料とその用途の観点に基づいて違いを説明できない。 |
評価項目3 | レーザーの原理を初めての人にもわかるように説明できる。レーザーが世の中でどのように役立っているか説明できる。 | 主なレーザー材料について挙げることができる。レーザーとは何か説明できる | レーザーとは何か説明できない。 |
評価項目4 | 光の吸収,発光などの原理を分子と光の相互作用の観点から初めての人にもわかるように説明でき,そのような用途で用いられるか詳細に説明することができる。 | 光の吸収,発光などの原理を分子と光の相互作用の観点から説明でき,そのような用途で用いられるか挙げることができる。 | 光の吸収,発光などの原理を分子と光の相互作用の観点から理解できない。そのような用途で用いられるか挙げることができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
光を利用したテクノロジーは現代社会では必須であり,情報分野,エネルギー分野だけでなく日常生活にも深く浸透している。本授業では光機能材料を主テーマに,光と物質の相互作用、各材料が示す光機能,光物性の原理について講義し,さらには用途についても説明する。将来においても確実にさらなる発展をするであろう光の技術についての知識を身に着け,各技術分野へ進むための礎とする。
授業の進め方・方法:
授業は随時演習を取り入れた講義形式で進めていく。必要に応じて演習課題,小テストがある。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績70%,小テストと課題からなる平常点30% の割合で総合的に評価する。最後の評価は中間と期末の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【事前・事後学習】
本科目は事後学習に重点を置いている。課題が出された場合は必ず自身で熟慮して実施し,〆切までに提出すること。また,小テストを実施しる場合もある。事後学習を十分に進めたうえで次の授業の最初に実施する小テストに臨むこと。
場合によっては調査課題を課すことがある。必ず自身で実施して〆切までに提出すること。
【履修上の注意】
この科目を履修するにあたり,1年生の化学Ⅰ,2年生の化学Ⅱ, 材料学基礎, 物理Ⅱの一部(第Ⅱ章「波動」および第Ⅳ章「原子」)3年生の無機化学Ⅰ,機能性材料,4年生の無機材料学,有機材料学の内容を十分に理解しておくこと。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
光の基礎:幾何光学,電磁波としての光の概論 光ファイバー |
幾何光学の基礎として,透過,反射,屈折について理解できる。偏光について理解できる。電磁波と物質の相互作用について理解できる。
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2週 |
電磁波と光の相互作用 レンズの開発と屈折率,屈折率分散
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電磁波と物質の相互作用について理解できる。 屈折率と屈折率分散について理解でき,原子屈折,分子屈折を利用してポリマーの屈折率を推算できる。レンズの原理を理解できる。
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3週 |
波動光学としての光の概論 光の3原色,色の3原色と 人間の目のしくみ 構造色 |
薄膜による光干渉について理解できる。 光の混色と演色について理解できる。ヒトの目に色が見える仕組みを説明できる。液晶とその光物性について説明できる。液晶ディスプレイの原理を説明できる。
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4週 |
光と物質:物質のエネルギー状態と光吸収 |
電磁波の吸収と回転遷移,振動遷移,電子遷移の違いを説明できる
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5週 |
光と物質:物質のエネルギー状態と光吸収 色素の構造 |
1次元の箱のモデルを使って光吸収のエネルギー差について説明できる。物質の軌道準位とエネルギー状態について説明できる。励起状態とは何か理解できる。光の吸収現象について理解できる。
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6週 |
光と物質:物質のエネルギー状態と光吸収
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電子遷移の大きさが何に起因するか説明できる。禁制遷移について理解できる。
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7週 |
前期1週目~6週目までの復習 |
前期1週目~6週目までの復習を通して,ここまでの内容を定着できる
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8週 |
前期中間試験 |
前期中間試験を通してこれまでの内容における到達目標を達成できる。
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4thQ |
9週 |
光と物質:物質からの光の発光 |
物質からの光の発光の原理を説明できる。蛍光,りん光,蓄光についてそれぞれの違いを理解したうえで説明できる。
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10週 |
光物性の基礎としての半導体 太陽電池 |
無機半導体のバンド図を理解できる。pn接合について理解できる。無機半導体と有機半導体の違いを説明できる。
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11週 |
様々な太陽電池,光触媒,無機LED,無機発光体 |
発光デバイス,受光デバイスについて理解し,原理を説明できる。
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12週 |
ボルツマン分布,レーザー |
レーザーの原理を説明できる。レーザーの種類と主に使われる材料を説明できる。レーザーの利用用途について理解できる。
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13週 |
光記録,有機エレクトロニクス |
光記録の原理について説明できる。光学ディスクにどのように用いられているか説明できる。主な光記録材料を挙げることができる。有機エレクトロニクスの特徴とデバイス構造,用途について理解できる。
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14週 |
前期9週目~15週目までの復習 |
前期9週目~15週目までの復習を通して,ここまでの内容を定着できる
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15週 |
光機能材料の調査報告 |
光機能材料について調査し,報告する。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 物理化学 | 代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 小テスト, 課題 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 40 | 15 | 0 | 55 |
分野横断的能力 | 30 | 15 | 0 | 45 |