化学工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学工学Ⅱ
科目番号 T5021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 SD 新素材・生命コース 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 講義資料、配布プリント
担当教員 長山 和史

到達目標

【到達目標】
1.蒸留の原理,単蒸留,精留・蒸留装置について理解している。また,蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。
2.基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。
3.吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解している。
4.調湿の原理、湿度の定義、湿り空気の諸性質を理解でき、湿度図表を用いて増減湿操作の計算ができる。
5.乾燥の原理を理解でき、乾燥所要時間を計算できる。
6.バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1気液平衡、単蒸留、連続蒸留、精留・蒸留装置を理解し、蒸留装置の基礎設計ができる蒸留の原理、単蒸留、連続蒸留、精留・蒸留装置を理解し、蒸留の基本計算ができる。蒸留の原理、単蒸留、連続蒸留、精留・蒸留装置の理解や蒸留の基本計算ができない。
評価項目2液液抽出の原理、目的、方法を理解し、液液平衡データをもとに複雑な抽出操作の計算ができる。液液抽出の原理、目的、方法を理解し、液液平衡データをもとに抽出操作の基本計算ができる。液液抽出の原理、目的、方法の理解や液液平衡データをもとに抽出操作の基本計算ができない。
評価項目3吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解し、諸計算ができる。吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解している。吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解していない。
評価項目4調湿の原理、湿度の定義、湿り空気の諸性質を理解でき、湿度図表を用いて増減湿装置の基礎設計ができる。調湿の原理、湿度の定義、湿り空気の諸性質を理解し、湿度図表を用いて増減湿操作の基本計算ができる。調湿の原理、湿度の定義、湿り空気の諸性質の理解や湿度図表を用いて増減湿操作の計算ができない。
評価項目5乾燥の原理、乾燥機構を理解し、乾燥所要時間を計算できる。乾燥の原理、乾燥機構を理解している。乾燥の原理、乾燥機構を理解していない。
評価項目6バッチ式と連続式反応装置の概略を図示でき、それぞれの特徴や用途を理解している。バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解している。バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学工業では,蒸留,抽出,吸着並びに調湿に関する装置があり,物質の分離や移動操作を行っている。本講義では,これらの物質分離並びに移動操作を理解し,装置の基礎設計を行うための専門知識を学ぶ。
この科目は企業で化学プロセスの設計を担当していた教員が,その経験を活かし,蒸留,抽出,膜分離,吸着,調湿,乾燥に関する基礎設計の手法等について授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
講義資料・配布プリントをもとに,演習課題を取り入れた講義形式で授業を行う。
注意点:
【成績評価の基準・方法】試験の成績70%,演習課題等からなる平常点30%の割合で総合的に評価する。学期毎の評価は中間と期末の各期間の評価の平均,学年の評価は前学期と後学期の評価の平均とする。なお、通年科目における後学期中間の評価は前学期中間,前学期末,後学期中間の各期間の評価の平均とする。技術者が身につけるべき専門基礎として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【事前・事後学習】事前に配布する講義資料、課題を学習すること。また、作成課題を事後復習すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.蒸留[1-2]:気液平衡関係について学ぶ。 気液平衡について理解できる。
2週 1.蒸留[1-2]:気液平衡関係について学ぶ。 沸点曲線(液相線),露点曲線(気相線),x-y曲線が理解できる。
3週 1.蒸留[3-4]:気液平衡の計算について学ぶ。 ラウールの法則を基づいた気液平衡の計算方法を理解できる。
4週 1.蒸留[3-4]:気液平衡の計算について学ぶ。 相対揮発度を用いた気液平衡の計算方法を理解できる。
5週 1.蒸留[5-6]:単蒸留について学ぶ。 単蒸留の原理,物質収支を理解できる。
6週 1.蒸留[5-6]:単蒸留について学ぶ。 レーリーの式をもとに理想溶液系の解析式を導出できる。
7週 1.蒸留[7-8]:フラッシュ蒸留について学ぶ。 フラッシュ蒸留の原理,物質収支を理解できる。
8週 1.蒸留[7-8]:フラッシュ蒸留について学ぶ。 物質収支式とx-y曲線から,留出液,塔底液の組成を求める方法を理解できる。
2ndQ
9週 1.連続蒸留[9-13]:連続蒸留について学ぶ。 連続蒸留の原理,精留・蒸留装置を理解できる。
10週 1.連続蒸留[9-13]:連続蒸留について学ぶ。 段塔による連続蒸留の物質収支式,操作線,q線,還流比を理解できる。
11週 1.連続蒸留[9-13]:連続蒸留について学ぶ。 マッケーブシール法の階段作図の手順を理解できる。
12週 1.連続蒸留[9-13]:連続蒸留について学ぶ。 マッケーブシール法を用いて理論段数を求めることができる。
13週 1.連続蒸留[9-13]:連続蒸留について学ぶ。 マッケーブシール法を用いて理論段数を求めることができる。
14週 2.膜分離[14-15]:膜分離について学ぶ。 膜分離の原理,目的,方法が理解できる。
15週 2.膜分離[14-15]:膜分離について学ぶ。 多孔質膜,非多孔質膜,逆浸透膜,限外濾過膜,イオン交換膜を理解できる。
16週
後期
3rdQ
1週 3.液液抽出[16-19]:液液抽出について学ぶ。 液液抽出の原理,目的,方法,抽出装置の概要が理解できる。
2週 3.液液抽出[16-19]:液液抽出について学ぶ。 液液平衡関係,溶解度曲線,対応線,プレイトポイントが理解できる。
3週 3.液液抽出[16-19]:液液抽出について学ぶ。 単抽出の計算方法が理解できる。
4週 3.液液抽出[16-19]:液液抽出について学ぶ。 多回抽出の計算方法が理解できる。
5週 4.吸着[20-22]:吸着について学ぶ。 吸着の原理,吸着剤の種類、吸着等温式を理解できる。
6週 4.吸着[20-22]:吸着について学ぶ。 回分吸着を理解ができる。
7週 4.吸着[20-22]:吸着について学ぶ。 固定層吸着を理解できる。
8週 5.調湿[23-26]:調湿について学ぶ。 調湿の原理,湿度の定義,湿り空気の諸性質を理解できる。
4thQ
9週 5.調湿[23-26]:調湿について学ぶ。 湿度計,断熱冷却線,湿度図表を理解できる。
10週 5.調湿[23-26]:調湿について学ぶ。 増湿操作の計算方法を理解できる。
11週 5.調湿[23-26]:調湿について学ぶ。 減湿操作の計算方法を理解できる。
12週 6.乾燥[27-29]:乾燥について学ぶ。 乾燥の原理を理解できる。
13週 6.乾燥[27-29]:乾燥について学ぶ。 乾燥所要時間の計算方法を理解できる。
14週 6.乾燥[27-29]:乾燥について学ぶ。 乾燥所要時間の計算方法を理解できる。
15週 7.反応装置[30]:反応装置について学ぶ。 バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学蒸留の原理について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。3

評価割合

試験演習課題等合計
総合評価割合7030100
基礎的能力602585
専門的能力10515