概要:
最初に,倫理学の基本的な考え方を技術者倫理の入門という観点から講義する。次に,技術者倫理についての基礎的事項を学習すると共に,企業経験豊かな教員が,その経験を活かし「設定された事例に関するグループ討議やディベート等に基づく模擬体験」による講義を行う。加えて,企業等の現場の技術者等を外部講師として招いて,「社会で活躍中の現役技術者の体験談に触れ質疑に参加すること」による講義を行う。これらを通して技術者として倫理的に何を考えるかを学び,技術者倫理の基礎的素養を身につける。また,学生をグループ分けして,新聞等のニュースを技術者倫理の立場から取り上げ,討議した結果を発表させることにより,より実践的な技術者倫理の学習を行う。
授業の進め方・方法:
倫理学の教員と各専攻の企業経験豊かな教員等による講師グループに,企業等の現場の技術者等を外部講師として招いて,輪番形式の授業を行う。授業は公開されており,担当以外の教職員の参観や討議への参加もある。
倫理学の学習(8週),技術者倫理の体験学習もしくは外部講師の特別授業(4週),調査発表会(3週)の割合で実施する。
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として課題やレポート提出を実施します。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
倫理学の学習(30%),技術者倫理の基礎的事項に関する学習(30%),技術者倫理の体験学習(40%)の割合で評価する。倫理学の学習(30%)と技術者倫理の基礎的事項に関する学習(30%)は,前学期末の定期試験にもとづいて評価する。倫理学の学習に関する試験は50点満点で行う。その際,採点基準として,(1)独自性(originality),(2)論理的思考(logical thinking),(3)表現力(power of expression)を重視する。換言すれば,課題に対する柔軟な思考が大切である。技術者倫理の基礎的事項に関する試験も50点満点で行い,倫理学の学習に関する試験と合算して百点満点とする。技術者倫理の体験学習(40%)は,授業における提出レポート等による各教員の評価(70%),グループ調査・発表(30%)で評価を行う。
技術者としての基本的な素養のひとつである「技術者倫理」に関して,実務に応用できる専門基礎知識として,倫理学の基礎的な考え方の理解の程度,事例研究,グループ調査並びに発表等に対する取り組み姿勢,並びに各種の倫理綱領を適切に事例に適用し判断する能力の程度を評価する。
【事前・事後学習】
事前学習として,担当教員から与えられる事前課題に取り組むこと。また,事後学習として,担当教員から与えられる事後課題に取り組むこと。
【履修上の注意】
この科目を履修するにあたり,本科の倫理・哲学系科目の内容を十分に理解しておくこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
現代社会における科学技術と倫理 |
現代社会における科学技術をめぐる倫理的問題について理解する。
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2週 |
現代社会における科学技術と倫理 |
現代社会における科学技術をめぐる倫理的問題について理解する。
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3週 |
倫理学の基本的な考え方(功利主義,義務倫理,徳倫理など) |
倫理学の基本的な考え方(功利主義,義務倫理,徳倫理など)について理解する。
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4週 |
倫理学の基本的な考え方(功利主義,義務倫理,徳倫理など) |
倫理学の基本的な考え方(功利主義,義務倫理,徳倫理など)について理解する。
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5週 |
倫理学の基本的な考え方(功利主義,義務倫理,徳倫理など) |
倫理学の基本的な考え方(功利主義,義務倫理,徳倫理など)について理解する。
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6週 |
ハイデガーの技術論と現代社会 -視点の転換に向けて- |
ハイデガーの技術論の思索を参考にして、現代社会の根本問題について理解する。
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7週 |
ハイデガーの技術論と現代社会 -視点の転換に向けて- |
ハイデガーの技術論の思索を参考にして、現代社会の根本問題について理解する。
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8週 |
現代の科学技術批判(フランクフルト学派の思想) -主体性の回復のために- |
現代の科学技術批判(フランクフルト学派の思想)の要点を理解する。
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2ndQ |
9週 |
技術者倫理の体験学習,外部講師による特別授業[9-12]:外部講師による特別授業もしくは次の項目から選定した体験学習。 1. 工学倫理の基礎知識 2. 専門知識の研鑽:無駄な開発,現地ワーカから抗議された 3. 組織とエンジニア:チャレンジャー号事件,コロンビア号事故 4. セクシャル・ハラスメント:職場でのセクシャル・ハラスメント,米国三菱自動車訴訟 5. わいろ:賄賂,贈り物 6. 企業の社会的責任:フォード・ピント事件 7. 製造物責任:レガシィ・リコール事件 8. 日航機ニアミス,信楽高原鉄道事故
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技術者倫理の体験学習もしくは外部講師による特別授業を通して,倫理的に判断することができるようになる。
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10週 |
技術者倫理の体験学習,外部講師による特別授業[9-12]:外部講師による特別授業もしくは次の項目から選定した体験学習。 1. 工学倫理の基礎知識 2. 専門知識の研鑽:無駄な開発,現地ワーカから抗議された 3. 組織とエンジニア:チャレンジャー号事件,コロンビア号事故 4. セクシャル・ハラスメント:職場でのセクシャル・ハラスメント,米国三菱自動車訴訟 5. わいろ:賄賂,贈り物 6. 企業の社会的責任:フォード・ピント事件 7. 製造物責任:レガシィ・リコール事件 8. 日航機ニアミス,信楽高原鉄道事故
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技術者倫理の体験学習もしくは外部講師による特別授業を通して,倫理的に判断することができるようになる。
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11週 |
技術者倫理の体験学習,外部講師による特別授業[9-12]:外部講師による特別授業もしくは次の項目から選定した体験学習。 1. 工学倫理の基礎知識 2. 専門知識の研鑽:無駄な開発,現地ワーカから抗議された 3. 組織とエンジニア:チャレンジャー号事件,コロンビア号事故 4. セクシャル・ハラスメント:職場でのセクシャル・ハラスメント,米国三菱自動車訴訟 5. わいろ:賄賂,贈り物 6. 企業の社会的責任:フォード・ピント事件 7. 製造物責任:レガシィ・リコール事件 8. 日航機ニアミス,信楽高原鉄道事故
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技術者倫理の体験学習もしくは外部講師による特別授業を通して,倫理的に判断することができるようになる。
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12週 |
技術者倫理の体験学習,外部講師による特別授業[9-12]:外部講師による特別授業もしくは次の項目から選定した体験学習。 1. 工学倫理の基礎知識 2. 専門知識の研鑽:無駄な開発,現地ワーカから抗議された 3. 組織とエンジニア:チャレンジャー号事件,コロンビア号事故 4. セクシャル・ハラスメント:職場でのセクシャル・ハラスメント,米国三菱自動車訴訟 5. わいろ:賄賂,贈り物 6. 企業の社会的責任:フォード・ピント事件 7. 製造物責任:レガシィ・リコール事件 8. 日航機ニアミス,信楽高原鉄道事故
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技術者倫理の体験学習もしくは外部講師による特別授業を通して,倫理的に判断することができるようになる。
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13週 |
調査発表会[13-15]: |
調査発表会を通じて,主体的に技術者倫理の問題を考え,倫理的に判断することができるようになる。
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14週 |
調査発表会[13-15]: |
調査発表会を通じて,主体的に技術者倫理の問題を考え,倫理的に判断することができるようになる。
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15週 |
調査発表会[13-15]: |
調査発表会を通じて,主体的に技術者倫理の問題を考え,倫理的に判断することができるようになる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 3 | 前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 2 | 前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。 | 3 | 前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | 前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 2 | 前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 3 | 前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | 前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 3 | 前1,前2,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | 前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 3 | 前3,前4,前5,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |