到達目標
グローバル化の進む国際社会の課題を発見し、解決する技術・制度等を「SDGs(持続可能な開発目標)を原動力とする強靭で環境に優しい循環型社会の構築」を手がかりとして考えていく。
1.地球生命体の存続すら危ぶまれる現在、SDGsという世界レベルの複数の目標が設定された意図と背景、現状について説明できる。
2.「持続可能な開発」の目標とは具体的にはどのようなものを指すのか、目標がカバーする分野の特徴、目標設定の背景と取り組みの実態について説明できる。
3.授業やその中の討論等を通じ、SDGsの理念や考え方を身に着け、国際社会の抱える課題を発見・整理し、解決に繋げる方法を考案し見出す力を身に着ける。
4.個人やグループによる調査及び研究発表を通じ、各自が主体的に持続可能な国際社会の実現に取り組む姿勢を身に着ける。
5.SDGsの概念を活用し、国際社会の課題を解決する技術や知識、問題解決能力を養う。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 持続可能な開発目標(SDGs)の理念、歴史的経緯等の概要を説明できる。 | 持続可能な開発目標(SDGs)の理念、歴史的経緯等の概要を理解できる。 | 持続可能な開発目標(SDGs)の理念、歴史的経緯等の概要を理解できない。 |
評価項目2 | SDGsの各目標 の内容とその背景、取り組みの概要を説明できる。 | SDGsの各目標の内容とその背景、取り組みの概要を理解できる。 | SDGsの各目標の内容とその背景、取り組みの概要を理解できない。 |
評価項目3 | 企業や自治体によるSDGsへの取り組みに関し、根拠となる思想、留意点、制度等について説明できる。 | 企業や自治体によるSDGsへの取り組みに関し、根拠となる思想、留意点、制度等について理解できる。 | 企業や自治体によるSDGsへの取り組みに関し、根拠となる思想、留意点、制度等について理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育目標 (A)
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基準1(2)の知識・能力 基準1(2)(a)
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基準1(2)の知識・能力 基準1(2)(b)
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教育方法等
概要:
環境や格差など現代世界が抱える課題とその解決について、社会学の視座と方法を用い、「持続可能な開発目標(SDGs)」を手がかりとして読み解いていく。この学びを通し、学生がこれまでに修得した専門的な工学の知識や方法が世界的諸課題の整理やその解決に新たな視点や方法を提供することに繋がる可能性がある。学生は卒業後、企業や自治体、研究・教育分野の業務としてこの課題に取り組む可能性もある。
具体的には、国連で採択された国際目標である「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」について学ぶ。これらが制定された背景や環境対策、貧困・差別解消等、設定されている17の目標の背景にある現実や取り組み、企業や自治体が取り組むにあたっての根拠や留意点、使える制度等を学ぶ。諸外国や国内の先進事例、研究・教育分野の取り組み事例も紹介する。
本科目は大学で「ジェンダー学」等を教え、地方自治体で男女共同参画行政に長年、委員として関わってきた教員が、その経験を活かし、「ジェンダー平等」を含むSDGsについて授業を行う。
授業の進め方・方法:
授業は講義形式で行い、教科書と資料、スライド等を用い実施する(1~12回)。トピックのまとまりごとにグループあるいは全体討論を行う。また、12回までの授業に関連したテーマを探索し、専門分野の知見と関連付けたレポートを作成し発表し討論に付す(13~14回を予定)。なお、学生の状況や学外環境等により、授業計画や進度に関し、日程等の変更を行う場合がある。
注意点:
試験の成績を60%、レポート・課題・小レポート等を40%の割合で総合的に評価する。
【学習単位科目(授業時間外の学習時間等)】本科目は学習単位科目であり、自主学習を45時間以上行う必要がある。各回授業前の教科書等の事前読破と関連文献読了、ニュース視聴とコメント(0.5時間、計7.5時間)、事後のノート整理・不明箇所確認・関連文献閲覧(0.5時間、計7.5時間)、随時、レポートや課題作成(計15時間)、レポート発表準備(計5時間)、試験前の総復習(7時間)、各自の必要に応じ、自由を割り振り(計3時間)、総合計45時間。
【履修上の注意】本科目履修にあたり、地理・現代社会・社会科学Ⅰ、Ⅱ等本科の全人文・社会科目、本科・専攻科の専門科目の内容を十分に理解しておくこと。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
オリエンテーション 本授業の目的、専攻科学習目的との関係、授業計画と受講生の取組 |
学習目的、到達目標、SDGsと現代世界の関係を理解する(計画週は学生状況、学外環境等により、日程変更等の可能性あり)
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2週 |
第1章 SDGsとは何か 1 持続する世界を作るための目標 |
SDGs(持続可能な開発目標群)が現在、どのような背景のもとに目指されているのか、ゴールやターゲットの概要他。
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3週 |
2 強いられた変革 |
SDGsに基づく変革が迫られている背景に何があったのだろうか、その背景を探る。
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4週 |
第2章 国連でのSDGs交渉 1 SDGsの起源 2 SDGSsの合意まで |
SDGsに関する議論・決定が行われた国際連合の場において闘わされた議論と合意形成の過程を理解する。
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5週 |
3 先進国と途上国との二分法を超えて |
SDGsに対する先進国と発展途上地域の立場・取り組みの差異と合意形成過程を辿る。
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6週 |
SDGsのゴールとターゲットを学ぶ 受講生の発表 第1回 ゴール1~9 |
SDGsで取り上げれられた17のゴールと夫々のターゲットについて学生自身が調べ報告する。
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7週 |
SDGsのゴールとターゲットを学ぶ 受講生の発表 第2回 ゴール10~17 |
同上
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8週 |
第3章 日本のSDGs 1 政府の政策
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日本におけるSDGsへの取り組みに関し、政府の実施指針と行動計画を理解する。
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4thQ |
9週 |
2 地域の持続可能性を見つめて |
日本の持続可能性中、最も問題となる地域の持続可能性に関し、山間部等における実例をもとに検討する。
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10週 |
第4章 「地球一個分」の経済社会へ 1 企業を変える 2 労働と社会を変える |
SDGsに向けた企業の取り組み、また、労働組合・協同組合の関り方などについて検討する。
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11週 |
第5章 2030年までの「行動の10年」 1 SDGsサミット 2 人間(People)のゴール 3 繁栄(Prosperity)のゴール
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SDGsを目指す上で、人権や経済繁栄の位置づけを考える。シンデミック、グリーンボンド等について理解する。
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12週 |
4 地球(Planet)のゴール 5 平和(Peace)のゴール 6 パートナーシップ(Partnership)のゴール |
改めて地球環境や平和の観点からSDGsの取り組みを見直すとともに、連携の対象や方法、事例について理解する。
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13週 |
学生レポートの報告と討論 第1回 |
レポート作成・発表・討議を通し、SDGs概念と専門性を生かす国際的社会問題への主体的関りを理解、説明、記述できる。
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14週 |
学生レポートの報告と討論 第2回 |
レポート作成・発表・討議を通し、SDGs概念と専門性を生かす国際的社会問題への主体的関りを理解、説明、記述できる。
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15週 |
学生レポートの総括、全体総括、 試験解説 |
講義・発表・討論等を通し、SDGs概念や取り組みへの理解、残された課題について確認を行う場とする。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | レポート・課題等 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 13 | 33 |
専門的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 14 | 34 |
分野横断的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 13 | 33 |