応用数理科学Ⅰ

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用数理科学Ⅰ
科目番号 6112 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 ソーシャルデザイン工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 プリントを適宜、配付
担当教員 市木 一平

到達目標

ディープラーニング,AI,データサイエンスを学ぶ上で必要となる線形代数,微分積分,確率・統計を学び,それらの諸概念を活用・応用し,受講者自らが与えられた問題・課題を解決することを目指す。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1線形代数(ベクトル空間,行列式,固有値・固有ベクトルなど)の内容を十分理解し、与えられた問題・課題を常時解決できる。線形代数(ベクトル空間,行列式,固有値・固有ベクトルなど)の内容を理解し、与えられた問題・課題を解決できる。線形代数(ベクトル空間,行列式,固有値・固有ベクトルなど)の内容を理解できず、与えられた問題・課題を解決できない。
評価項目2微分積分(微分、積分、偏微分、重積分など)の内容を十分理解し、与えられた問題・課題を常時解決できる。微分積分(微分、積分、偏微分、重積分など)の内容を理解し、与えられた問題・課題を解決できる。微分積分(微分、積分、偏微分、重積分など)の内容を理解できず、与えられた問題・課題を解決できない。
評価項目3確率・統計(確率、確率変数、確率分布など)の内容を十分理解し、与えられた問題・課題を常時解決できる。確率・統計(確率、確率変数、確率分布など)の内容を理解し、与えられた問題・課題を解決できる。確率・統計(確率、確率変数、確率分布など)の内容を理解できず、与えられた問題・課題を解決できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B) 説明 閉じる
基準1(2)の知識・能力 基準1(2)(c) 説明 閉じる
基準1(2)の知識・能力 基準1(2)(d)(1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ディープラーニング(深層学習)などAI関連技術を学ぶために必要な基本的な数学について学ぶ。主な学習項目は,線形代数,微分積分,確率など,データサイエンスとのつながりに留意しながら授業を進める。
授業の進め方・方法:
1.授業は講義形式で行う。講義中は集中して聴講し,質問があれば授業中を利用して行うこと。
2.授業内容をより一層理解するために事前・事後学習をすること。
3.課題等に真剣に取り組み,提出物の提出期限を厳守すること。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績を60%,平素の学習状況等(課題・小テスト等を含む)を40%の割合で総合的に評価する。学年の評価は前期末の評価とする。実務に応用できる専門基礎知識として,上記の到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【事前・事後学習】
事前学習として教科書の該当部分(事前に説明)を読んだうえで,ノートや指定のプリントに理解が難しかった部分を抜き出してまとめて授業に臨む。また,事後学習として授業内で指示した課題を提出する。その課題とした演習問題については,周りの学生とディスカッションし,自分なりの解答を提出する。
【学修単位科目(授業時間外の学習時間等)】
本科目は学修単位のため,以下の標準学習時間を設定した自主学習を累計45時間分以上実施しなければならない。
・授業に対して,0.5時間の事前学習と2.0時間の事後学習の計37.5時間分
・期末試験に対して,試験勉強のための課題学習8時間分
【履修上の注意】
この科目を履修するにあたり,本科2~4年次に「微分積分Ⅰ」,「線形打数」,「微分積分Ⅱ」,「数学活用」,「応用数学」で習得した内容を理解しておくことが望ましい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベクトルと行列 ベクトルと行列の定義や演算,さらには数学的な特徴を理解し,説明できる。
2週 ベクトル空間(1) ベクトル空間の概念を理解できる。
3週 ベクトル空間(2) ベクトル空間の概念をもとに,ベクトル・行列の特性を理解できる。
4週 行列式 行列式を用いて,ベクトル空間のボリュームを評価することできる。
5週 固有値・固有ベクトル 行列の写像としての特徴を表す固有値・固有ベクトルを求めることできる。
6週 関数 関数の概念を理解し,説明できる。また関数に関する諸性質を導くことができる。
7週 微分 微分に関する諸性質を導くことができ、具体的に微分の計算ができる。
8週 積分 積分に関する諸性質を導くことができ、具体的に積分の計算ができる。
2ndQ
9週 偏微分 偏微分に関する諸性質を導くことができ、具体的に偏微分の計算ができる。
10週 重積分 重積分に関する諸性質を導くことができ、具体的に重積分の計算ができる。
11週 確率の概念 確率の概念を理解できる。確率に関する諸性質を導くことができ,具体的に確率の計算ができる。
12週 確率変数と確率分布(1) 確率変数と確率分布,確率密度関数,確率分布関数などの概念を理解し,説明できる。
13週 確率変数と確率分布(2) 期待値、分散,積率などの概念を理解し,具体的にそれらの計算ができる。
14週 基本的な確率分布(1) 二項分布、ポアソン分布など離散型の確率分布の概念を理解し,具体的な計算ができる。
15週 基本的な確率分布(2) 一様分布、正規分布など連続型の確率分布の概念を理解し,具体的な計算ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。4前6
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4前6
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。4前6
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。4前6
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4前6
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4前6
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。4前6
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4前6
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4前6
角を弧度法で表現することができる。4前6
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。4前6
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。4前6
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。4前6
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。4前6
一般角の三角関数の値を求めることができる。4前6
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。4前11
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。4前11
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。4前1,前2,前3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。4前1,前2,前3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。4前1,前2,前3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。4前1,前2,前3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。4前1,前2,前3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。4前1
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。4前1
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。4前4,前5
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。4前2,前3,前4,前5
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。4前2,前3,前4,前5
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。4前2,前3,前4,前5
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。4前7
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。4前7
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。4前7
合成関数の導関数を求めることができる。4前7
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。4前7
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。4前7
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。4前7
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。4前7
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。4前7
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。4前7
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。4前7
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。4前8
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。4前8
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。4前8
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。4前8
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。4前8
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。4前8
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。4前8
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。4前9
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。4前9
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。4前9
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。4前9
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。4前10
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。4前10
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。4前10
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。4前11,前12,前13,前14,前15
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。4前11,前12,前13,前14,前15
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。4前11,前12,前13,前14,前15
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。4前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

試験学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)合計
総合評価割合6040100
基礎的能力404080
専門的能力20020