概要:
機械工学はものづくりに関する幅広い学問である。電子制御技術や情報技術の急速な進歩の中にあって、機械技術の重要性はますます高まりつつあります。授業では、①機械部品の設計法、②機械の振動など、他分野を専門とする学生の基礎となる機械工学について演習を多く取り入れて講義する。
授業の進め方・方法:
事前に配布した講義資料の基本問題を,学生自ら解答し解説を行う。わからないところあれば質問し,理解する。講義後に,復習のための応用問題を解答することで,知識の定着を図る。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績を80%、平素の学習状況(課題・小テスト等)を20%の割合で総合的に評価する。
技術者が身につけるべき専門基礎として、到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【事前・事後学習】
事前学習:講義資料を熟読し,基本問題を解答し,発表できるように準備しておくこと。
事後学習:復習のための応用問題を解答すること。
【学修単位科目(授業時間外の学習時間等)】
本科目は学修単位のため,以下の標準学習時間を設定した自主学習を累計45時間分以上実施して提出しなければならない。
・全15回の授業に対して,1.0時間の事前学習と1.0時間の事後学習。計30時間分。
・8回ごとに総まとめ課題を提出。各7.5時間,合計15時間分。
【履修上の注意】
この科目を履修するにあたり,本科の数学及び物理科目の内容を十分に理解しておくこと。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
応力とひずみ:応力とひずみの概念、フックの法則、ポアソン比等について学ぶ。 |
応力とひずみを説明でき,またフックの法則を理解し弾性係数について説明できる。
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2週 |
応力とひずみ:各種棒の応力とひずみを計算し、熱応力について学ぶ。【演習問題】 |
棒の自重や遠心力によって生じる応力とひずみが計算でき,また線膨張係数を理解し,熱応力を計算できる。
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3週 |
ねじり:丸棒のねじり、ねじりのせん断応力とねじり角について学ぶ。 |
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。
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4週 |
ねじり:動力軸の設計法について学ぶ。【演習問題】 |
軸のねじり剛性の意味を理解し,軸のねじり角を計算できる。
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5週 |
せん断力と曲げモーメント:集中荷重と分布荷重が作用するはりのせん断力、曲げモーメントの計算法を学ぶ。 |
はりに作用する力のつりあい,せん断力および曲げモーメントが計算できる。
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6週 |
せん断力と曲げモーメント:集中荷重と分布荷重が作用するはりのせん断力、曲げモーメントの計算法(重ね合わせ)を学ぶ。【演習問題】 |
二軸応力について,任意の斜面上に作用する応力,主応力と主せん断応力を計算できる。
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7週 |
はりの応力と変形:はりの曲げ応力について学ぶ。【演習問題】 |
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。
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8週 |
はりの応力と変形:カスティリアーノの定理を用いて、はりのたわみの計算法について学ぶ。【演習問題】 |
カスティリアーノの定理を理解し,不静定ばりの問題などに応用できる。
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2ndQ |
9週 |
1自由度系の自由振動:固有振動数や固有周期について学ぶ。【演習問題】 |
減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
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10週 |
1自由度系の強制振動:力加振と変位加振について学ぶ。【演習問題】 |
調和外力または調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
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11週 |
2自由度系の自由振動:固有振動数や固有モード振動について学ぶ。【演習問題】 |
2自由度減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
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12週 |
1および2自由度系の自由振動:DSSを使って総合演習を行う。 |
2自由度減衰系の自由振動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
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13週 |
ラグランジュの方程式:ラグランジュ法による運動方程式の立て方について学ぶ。 |
位置エネルギーと運動エネルギーが計算でき,ラグランジュ法で運動方程式を立式できる。
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14週 |
ラグランジュの方程式:2自由度系の運動について学ぶ。【演習問題】 |
2自由度系の運動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
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15週 |
ラグランジュの方程式:DSSを使って2自由度系の運動に関する総合演習を行う。 |
2自由度系の運動を運動方程式で表し,系の運動を説明できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 3 | |
応力とひずみを説明できる。 | 3 | |
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。 | 3 | |
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。 | 3 | |
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。 | 3 | |
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。 | 3 | |
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。 | 3 | |
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。 | 3 | |
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。 | 3 | |
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。 | 3 | |
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。 | 3 | |
多軸応力の意味を説明できる。 | 3 | |
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。 | 3 | |
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。 | 3 | |
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。 | 3 | |
振動の種類および調和振動を説明できる。 | 3 | |
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 3 | |
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 3 | |
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 3 | |
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 3 | |