伝熱工学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 伝熱工学
科目番号 7136 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 ソーシャルデザイン工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:杉山・佐野・永橋・加藤「はじめて学ぶ移動現象論」(森北出版) 参考書:一色尚次・北山直方「伝熱工学」(森北出版)「エネルギー管理士実戦問題 熱分野+必須基礎科目」(オーム社)
担当教員 永橋 優純

到達目標

1. 伝熱の基本形態を理解し,各形態における伝熱機構を説明できる。
2. フーリエの法則および熱伝導率が説明できる。
3. ニュートンの冷却の法則および熱伝達率が説明できる。
4. 熱交換器における伝熱およびフィン付面の伝熱を計算できる。
5. 放射の基本法則が説明できる。
6. 熱伝導では,具体的事例について基礎方程式が立てられ,計算できる。
7. 熱伝達や放射では,関連する諸式を取り扱い,定量的に問題解決ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1:伝熱の基本形態を学び理解する。伝熱の基本的な形態としての熱伝導。熱伝達、放射の一般的概念を具体例を示しながら説明できる。熱伝導に関しては、異なった相における熱伝導機構を説明できる。伝熱の基本的な形態としての熱伝導。熱伝達、放射の一般的概念を理解し具体例を示しながら説明できる。伝熱の基本的な形態としての熱伝導。熱伝達、放射の一般的概念を理解できていない。
評価項目2:熱伝導に関して学び、理解する。固体の熱伝導に関して、平板や円筒およびそれらの積層状態における伝導伝熱について説明できると共に伝熱量を求めることが出来る。さらに、非定常熱伝導に関しては、限定された条件下での基礎方程式を求めることが出来る。固体の熱伝導に関して、平板や円筒およびそれらの積層状態における伝導伝熱について説明できると共に複数の選択肢の中から正しい伝熱量の求め方(式)を選ぶことが出来る。非定常熱伝導では、基本概念が理解できている。固体の熱伝導に関して、平板や円筒およびそれらの積層状態における伝導伝熱や非定常熱伝導が理解できていない。
評価項目3:熱伝達について学び、理解する。熱伝達に関して、平板や円筒における定常熱伝達を理解し、代表的な伝熱場における移動熱量を求めることが出来る。熱伝達に関して、平板や円筒における定常熱伝達を理解し、代表的な伝熱場における移動熱量を与えられた実験式を用いて求めることが出来る。熱伝達に関して基本概念全般が理解できていない。
評価項目4:熱通過やフィンでの伝熱および装置における熱移動に関して学び理解する。熱通過やフィンにおける伝熱が理解でき、代表的な伝熱場における伝熱量を求める(導出する)ことが出来る。熱通過やフィンにおける伝熱が理解でき、代表的な伝熱場における伝熱量を与えられた実験式などを用いて計算することが出来る。熱通過やフィンにおける伝熱が理解できていない。
評価項目5:放射に関して学び理解する。放射に関してその基本事項を理解し、代表的な条件下での形態係数や放射伝熱量を導くことが出来る。放射に関してその基本事項を理解し、代表的な条件下での形態係数や放射伝熱量を、複数の選択肢の中から正しい答えを選ぶことが出来る。放射に関してその基本事項が理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
熱の移動現象(伝熱工学)を「分かりやすく使えるように」を目標とした授業内容とする。そのためには,難解な数式的展開は極力避け,重要で大切な基本項目のみ簡潔に解説し,その後に続く演習問題で理解した知識を確実なものにすることを目指す。
授業の進め方・方法:
教科書を基準として、一部プリントを併用し、関連項目を板書により解説。演習問題は教科書以外に別途用意する。また、隔週で、学生自身により基本事項の説明をさせ、授業後半で教員がそのまとめを行う方法も採用する。
注意点:
試験の成績を80%,平素の学習状況等(課題・小テスト・レポート等を含む)を20%の割合で総合的に評価する。
実務に応用できる専門基礎知識として,到達目標に対する達成度を試験等において評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 伝熱の基本形態[1]:伝熱工学の概要および伝熱の三形態について学ぶ。 熱工学の概要および伝熱の三形態についてその概要を説明できる。
2週 2. 熱伝導[2-5]:熱伝導の概要を学び,平板・円筒の定常定常熱伝導について学ぶ。 定常熱伝導において、平板や積層平板における移動熱量を計算できる。また、その式を導出できる。
3週 2. 熱伝導[2-7]:熱伝導の概要を学び,平板・円筒の定常伝導について学ぶ。【演習問題】 定常熱伝導において、円筒や積層円筒における移動熱量を計算できる。また、その式を導出できる。
4週 2. 熱伝導[2-7]:平板の非定常熱伝導について学ぶ。 非定常熱伝導において、3次元非定常熱伝導方程式を導くことができる。
5週 2. 熱伝導[2-7]:平板の非定常熱伝導について学ぶ。 非定常熱伝導において、無限物体への非定熱伝導方程式を解き、温度分布や移動熱量を求めることができる。
6週 2. 熱伝導[2-7]:平板の非定常熱伝導について学ぶ。 非定常熱伝導において、半無限平板への非定熱伝導方程式を解き、温度分布や移動熱量を求めることができる。
7週 2. 熱伝導[2-7]:平板の非定常熱伝導について学ぶ。【演習問題】 非定常熱伝導の工学的応用問題として、平板の焼き入れ問題を扱い、具体的な数値計算により温度分布や各瞬間における伝熱量が計算できる。
8週 3. 熱伝達[8-9]:熱伝達の概要を学び,自然対流熱伝達,強制対流熱伝達について学ぶ。 水平平板や垂直平板における自然対流熱伝達について説明できる。
2ndQ
9週 3. 熱伝達[8-9]:熱伝達の概要を学び,自然対流熱伝達,強制対流熱伝達について学ぶ。 水平平板や垂直平板における自然対流熱伝達について代表的な場合の関連する実験式を適用できる。
10週 4. 熱交換器[10-13]:熱交換器の基礎概念としての熱通過や、装置の基本要素としてのフィンの伝熱を学び、装置全体を通じての伝熱計算(熱通過と実験式の利用)について学ぶ。 熱伝導や熱伝達が複合する伝熱場において、関連する無次元相関式を用いて、簡単な形状の実際の装置からの移動熱量を計算できる。
11週 4. 熱交換器[10-13]:熱交換器の基礎概念としての熱通過や、装置の基本要素としてのフィンの伝熱を学び、装置全体を通じての伝熱計算(熱通過と実験式の利用)について学ぶ。【演習問題】 フィンからの伝熱に関して、基礎方程式を立て、それを解くことによフィンからの放熱量を求めることができる。
12週 4. 熱交換器[10-13]:熱交換器の基礎概念としての熱通過や、装置全体を通じての伝熱計算(熱通過と実験式の利用)について学ぶ。【演習問題】 熱交換器における代表的な流れ様式や対数平均温度差を理解し、簡単な熱交換器における交換熱量の計算ができる。
13週 4. 熱交換器[10-13]:熱交換器の基礎概念としての熱通過や、装置全体を通じての伝熱計算(熱通過と実験式の利用)について学ぶ。【演習問題】 各種熱交換器における交換熱量の求め方を学び、図表を利用して交換熱量の計算ができる。
14週 5. 放射[14-15]:放射の概要,固体表面からの放射,形態係数について学ぶ。 放射の基礎概念を学び、簡単な条件下における形態係数を求めることができる。
15週 5. 放射[14-15]:放射の概要,固体表面からの放射,形態係数について学ぶ。【演習問題】 簡単な条件下における物体表面からの放射伝熱量が計算できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力200000525
専門的能力6000001575
分野横断的能力0000000