ロボット生産加工学

科目基礎情報

学校 高知工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 ロボット生産加工学
科目番号 7137 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 ソーシャルデザイン工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:小林輝夫「機械工作入門」(理工学社)  参考書:青木顕一郎「基礎材料学」(朝倉書店),日本熱処理協会「入門・金属材料と組織」(大河出版)
担当教員

到達目標

1.部品の種類や機能に応じた、寸法・形状の精度や表面の粗さを大まかに指示できる能力を得る。
2.単刃、多刃工具を用いた切削加工の原理と特徴を理解する。
3.砥石や遊離砥粒を用いた研削の原理と特徴を理解する。
4.放電、電解加工等の基礎原理を理解する。
5.金属材料の塑性加工について習得できる。
6.セラミックスの基礎構造や加工法について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
加工の基礎となる加工精度部品の種類や機能に応じた、寸法・形状の精度や表面の粗さを的確に指示できる。部品の種類や機能に応じた、寸法・形状の精度や表面の粗さを大まかに指示できる。部品の種類や機能に応じた、寸法・形状の精度や表面の粗さを指示できない。
切削加工単刃、多刃工具を用いた切削加工の原理と特徴を理解し,応用できる。単刃、多刃工具を用いた切削加工の原理と特徴を理解できる。単刃、多刃工具を用いた切削加工の原理と特徴を理解できない。
研削加工砥石や遊離砥粒を用いた研削の原理と特徴を理解し,応用できる。砥石や遊離砥粒を用いた研削の原理と特徴を理解できる。砥石や遊離砥粒を用いた研削の原理と特徴を理解できない。
特殊加工放電、電解加工、超音波加工、噴射加工、MEMS等を理解し,応用できる。放電、電解加工、超音波加工、噴射加工、MEMS等の特殊加工を理解できる。放電、電解加工、超音波加工、噴射加工、MEMS等を理解できない。
塑性加工金属材料の塑性加工について習得し,応用できる。金属材料の塑性加工について習得できる。金属材料の塑性加工について習得できない。
セラミックス加工セラミックスの基礎構造や加工法について理解し,応用できる。セラミックスの基礎構造や加工法について理解できる。セラミックスの基礎構造や加工法について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
授業では、ロボットを構成する要素部品等について、素材を所望の部品・製品に仕上げる各種の加工技術と製造工程のプロセスについて学ぶ。部品を高精度、高能率に加工する技術を身につけることは、ロボットの要素部品を製作する上で非常に重要である。そこで本講義では、部品の加工法の種類、加工原理、各加工法の特徴などについて学び、部品の種類や精度に応じて適切な加工法を選択できる力を習得する。
授業の進め方・方法:
授業は,教科書の重要な部分を補足した資料を配布して実施する。また毎回,理解度確認のための小問題等の課題を実施する。
※夏休みに集中講義として開講する。
注意点:
【成績評価の基準・方法】
試験の成績を80%、平素の学習状況(課題・小テスト・レポート等)を20%の割合で総合的に評価する。
技術者が身につけるべき専門基礎として、到達目標に対する達成度を試験等において評価する。
【事前・事後学習】
事前学習:シラバスをみて、教科書の該当箇所を読んで授業に臨むこと。
事後学習:理解度確認のための小問題等の課題を実施する。
【学修単位科目(授業時間外の学習時間等)】
本科目は学修単位のため,以下の標準学習時間を設定した自主学習を累計45時間分以上実施して提出しなければならない。
・全15回の授業に対して,1.0時間の事前学習と1.5時間の事後学習。計37.5時間分。
・試験勉強のための学習7.5時間分。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 全体の概要と加工精度(1):機械加工法の種類、製作原理、特徴などを知ることにより、製作する部品の性格に応じて各種の加工法が使い分けられることを理解するとともに、部品の精度を表す寸法精度の定義と表示法について学ぶ。 製作する部品の性格に応じて各種の加工法が使い分けられることを理解するとともに、部品の精度を表す寸法精度の定義と表示法を理解する。
2週 加工精度(2):形状精度、表面粗さ等の定義と表示法について学ぶ。 公差と表面性状の意味を理解できる。
3週 射出成形法:流動性の樹脂を金型に圧入して部品を製作する射出成形加工について学ぶ。 射出成形加工を理解し、説明できる。
4週 切削加工(1)刃物を用いて金属材料を削り取ることにより加工する切削加工の基礎原理の学習のはじめとして、バイトを用いて円筒形状や平面の加工を行う、旋削加工、中ぐり加工や平削り加工について学ぶ。 切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を理解し、説明できる。
5週 切削加工(2)フライスを使用して平面形状、溝形状、3次元形状などの加工を行うフライス加工について学ぶ。 フライス加工を理解し、説明できる。
6週 切削加工(3)ドリル、タップ、ホブ、ブローチなどの特殊な形状をした工具を使用して,穴明け加工、ねじ加工、歯車加工、特殊形状穴加工などを行う方法について学ぶ。 穴明け加工、ねじ加工、歯車加工、特殊形状穴加工などを理解し、説明できる。
7週 砥粒加工(1):アルミナ、炭化珪素などのような硬度の高い砥粒を結合した砥石を使用して、主として表面が滑らかで精度の高い加工を行う研削加工について学ぶ。 砥石を使用して、主として表面が滑らかで精度の高い加工を行う研削加工を理解し、説明できる。
8週 砥粒加工(2):超仕上げ加工、ラッピング加工、ポリシング加工について学ぶ。 超仕上げ加工、ラッピング加工、ポリシング加工などの研削加工を理解し、説明できる。
2ndQ
9週 特殊加工(1):放電加工、電解加工等の特殊加工法を用いた高度で効率的な形状創出技術について学ぶ。 特殊加工法を用いた高度で効率的な形状創出技術を理解し、説明できる。
10週 特殊加工(2):超音波加工、噴射加工等の特殊加工法について学ぶ。また、リソグラフィーを用いた微細加工法であるMEMS技術について学ぶ。 特殊加工法を用いた高度で効率的な形状創出技術を理解し、説明できる。
11週 塑性加工の基礎(1):2次元圧延理論(Karmanの方程式)の導出を実施する。 2次元圧延理論(Karmanの方程式)を導出できる。
12週 塑性加工の基礎(2):上記理論を基に、圧延圧力分布等の基礎事項について学ぶ。 2次元圧延理論を理解でき,圧延圧力分布等の基礎事項を説明できる。
13週 塑性加工のトライボロジー(1):プレス加工における潤滑の重要性を、多くの実験結果を基に考察する。 プレス加工における潤滑の重要性を、多くの実験結果を基に考察できる。
14週 塑性加工のトライボロジー(2):塑性加工時の潤滑状態を支配するレイノルズ方程式に、粗さの影響を加えた修正レイノルズ方程式を導出し、塑性加工時の潤滑状態改善策を考察する。 塑性加工時の潤滑状態改善策について考察できる。
15週 セラミックス基礎と加工法:イオンおよび共有結合等のセラミックスの構造について学ぶとともに、セラミックアロイ、セラミックスの製造と成形、セラミックスの加工法、金属との接合法について学ぶ。 セラミックスの構造を理解し,セラミックアロイ、セラミックスの製造と成形、セラミックスの加工法、金属との接合法について学ぶ。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験平素の学習状況(課題・レポート等)合計
総合評価割合8020100
基礎的能力201030
専門的能力601070
分野横断的能力000