国語Ⅲ

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 国語Ⅲ
科目番号 3A01 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書 中野幸一ほか編著『古典B』(桐原書店)。参考図書 池内輝男ほか監修『新総合図説国語』(東京書籍)、国語辞典、古語辞典、漢和辞典。
担当教員 小宮 厚

到達目標

1.古人の物の見方・感じ方に学びつつ、多様な物の見方・感じ方ができる。
2.日本語の源泉としての古語・漢語に対する理解を深め、豊かな言語感覚を磨く。
3.古典への関心を培い、読み味わうことに対する認識を深め、読書の習慣を育む。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1古人の考え方に関心を持て、自身の中に取り込もうとしている。古人の考え方に関心が持てている。古典、古人に関心が持てない。
評価項目2古典作品の美しさを認め、取り入れよいうとする姿勢を持つ。古典作品の美しさを認められる。古典・漢語への関心・理解がない。
評価項目3自発的に古典作品を読もうとする姿勢が身についている。読書量は不足ながら、古典作品への関心が高い。自発的に古典を読もうという姿勢鵜がない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
言語は、その民族が人為的に創り上げてきた独自性のある文化である。それ故に、日本人を育んで来た地下水脈としての古典を読むことの意義ははかり知れない。この観点を導きの糸に、今日まで読み継がれて来た古文・漢文を集中して読み、文章そのものに親しむとともに、作品が喚起して止まない人間理解に学びながら、自己の在り様を省みる貴重な契機ともしたい。
授業の進め方・方法:
・予め本文をよく読んで授業を受けることが望ましい。
・原文を楷書で丁寧に書写することは、迂遠なようで古典に親しむ捷径でもある。
・内容の理解と共に、原文を声に出して読み、日本語のもつ美しいリズムに慣れ親しんでほしい。
・いつも座右に古語・漢和辞典を備えて、不明な語句に出会ったらそのつど引いて、確認する癖を確かなものにしてほしい。
注意点:
評価方法は次のとおりである
・満点を100点とし、60点以上の者を合格とする。
・試験(前期・後期のそれぞれの中間試験及び定期試験)を80%、課題などを20%とする。
・願などが提出され必要が生じた場合は再試験を行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 古典世界を学ぶこと 古典世界が現代の思想や文化の基底をなしていることを理解する
2週 古文編 歴史と伝説『古事記』「倭建命」 『古事記』「倭建命」を読み、『古事記』の文体などの古代の歴史著述について理解する
3週 古文編 随筆『枕草子』「すさまじきもの」 『枕草子』「すさまじきもの」を読み、中古の女房文学と随筆について理解する
4週 古文編 日記『蜻蛉日記』「嘆きつつひとり寝る夜」 『蜻蛉日記』「嘆きつつひとり寝る夜」を読み、中古の女房文学と日記について理解する
5週 古文編 物語『堤中納言物語』「虫めづる姫君」 『堤中納言物語』「虫めづる姫君」を読み、中古の女房文学と物語について理解する
6週 古文編 歴史と伝説『大鏡』「道長の豪胆」 『大鏡』「道長の豪胆」を読み、中古文学の歴史著述について理解する
7週 古文編 評論『古今和歌集』「仮名序」 『古今和歌集』「仮名序」を読み、中古文学の和歌について理解する
8週 古文編 説話『古今著聞集』「刑部卿敦兼と北の方」 『古今著聞集』「刑部卿敦兼と北の方」を読み、中世文学の説話の特徴について理解する
2ndQ
9週 古文編 説話『沙石集』「勘解由小路」 『沙石集』「勘解由小路」を読み、中世文学の説話の特徴について理解する
10週 古文編 評論『風姿花伝』「秘する花を知ること」 『風姿花伝』「秘する花を知ること」を読み、中世文学の芸能論について理解する
11週 古文編 評論『難波土産』「虚実皮膜」 『難波土産』「虚実皮膜」を読み、近世文学の芸能論について理解する
12週 古文編 戯曲と近世和歌『曽根崎心中』「徳兵衛お初道行」 『曽根崎心中』「徳兵衛お初道行」を読み、近世文学の浄瑠璃の特徴について理解する
13週 古文編 評論『玉勝間』「師の説になづまざること」 『玉勝間』「師の説になづまざること」を読み、本居宣長の思想を理解する
14週 古文編 戯曲と近世和歌「狂歌」 「狂歌」を読み、近世文学の特徴を理解する
15週 古典を学ぶこと これまでの講義を振り返り、古典世界と現代との接点を理解する
16週
後期
3rdQ
1週 漢文を学ぶということ 漢文世界が現代の思想や文化の基底をなしていることを理解する
2週 漢文編 思想『老子』「無用之用」「大道廃有仁義」 『老子』「無用之用」「大道廃有仁義」を読み、老荘思想を理解する
3週 漢文編 思想『荘子』「胡蝶之夢」「渾沌」 『荘子』「胡蝶之夢」「渾沌」を読み、老荘思想を理解する
4週 漢文編 思想『韓非子』「侵官之害」「処知則難」 『韓非子』「侵官之害」「処知則難」を読み、法家思想を理解する
5週 漢文編 思想『墨子』「非攻」 『墨子』「非攻」を読み、墨家思想を理解する
6週 漢文編 逸話「不顧後患」 「不顧後患」を読み、先秦時代の逸話について理解する
7週 漢文編 史伝(一)「子路」 『史記』「子路」を読み、司馬遷の文学について理解する
8週 漢文編 史伝(二)「廉頗と藺相如」 『史記』「廉頗と藺相如」を読み、司馬遷の文学について理解する
4thQ
9週 漢文編 詩「月下独酌」 「月下独酌」を読み、唐詩の世界を理解する
10週 漢文編 詩「兵車行」 「兵車行」を読み、唐詩の世界を理解する
11週 漢文編 詩「長恨歌」 「長恨歌」を読み、唐詩の世界を理解する
12週 漢文編 伝奇小説「人面桃花」 「人面桃花」を読み、伝奇小説を理解する
13週 漢文編 伝奇小説「種梨」 「種梨」を読み、伝奇小説を理解する
14週 漢文編 思想「性非学者之所急」 「性非学者之所急」を読み、日本近世の漢文学について理解する
15週 漢文を学ぶこと これまでの講義を振り返り、漢文世界と現代との接点を理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3前1
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3前2
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3前3
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3前4
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3前5
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3前7
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3前8
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3後1
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3後2
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3後10
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3後3
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3後4
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3後15
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3後15
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3後15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前8
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3後2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3後3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3後5
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3後5
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3後6
他者の意見を聞き合意形成することができる。3後7
合意形成のために会話を成立させることができる。3後12
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後12
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後13
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前10
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前10
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前11
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前11
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前12
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前12
複数の情報を整理・構造化できる。3前13
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3前13
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前13
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前13
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前14
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前14
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前15
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前15

評価割合

試験課題合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力7015000085
専門的能力105000015
0000000