到達目標
①現代社会の諸現象に対して、自らの社会課題として発見し・考え、自発的・主体的に課題解決に向かう姿勢を身につける。
②中学校社会および高専で学んできた地理・歴史・公共の知識を総動員し、問題解決へその知識を探求・応用する力を身につける。
③地理・歴史・公共の知識を総動員する学問として(講師の専門領域である)文化人類学・社会学・日本民俗学を考え、こうした学問を通してグローカルで相対的な価値観を身につける。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 現代社会の諸現象に対し、自らの社会課題として考え、主体的に解決に向かう姿勢が顕著にみられる。 | 現代社会の諸現象に対し、自らの社会課題として考え、主体的に解決に向かう姿勢がみられる。 | 現代社会の諸現象に対し、自らの社会課題として考え、主体的に解決に向かう姿勢が不充分である。 |
評価項目2 | 社会問題解決にむけて、これまで学んできた人文社会科学的な視点が特に活かされている。 | 社会問題解決にむけて、これまで学んできた人文社会科学的な視点が活かされている。 | 社会問題解決にむけて、これまで学んできた人文社会科学的な視点が活かされていない。 |
評価項目3 | グローカルで相対的な価値観がレポート等で顕著に表現されている。 | グローカルで相対的な価値観がレポート等で表現されている。 | グローカルで相対的な価値観がレポート等で表現されていない。 |
評価項目4 | 社会課題の解決に向けて人文社会科学および自然科学を総合的に探求し、応用する力が顕著にみられる。 | 社会課題の解決に向けて人文社会科学および自然科学を総合的に探求し、応用する力がみられる。 | 社会課題の解決に向けて人文社会科学および自然科学を総合的に探求し、応用する力が不充分である。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本授業は、中学校社会および高専で学んだ地理・歴史・公共をベースとして、グローカルな現代社会において様々な事象をどのようにとらえ、様々な課題に対処・行動していくか、ということを考えていきます。具体的には、文化人類学・社会学・民俗学といった学問を通して、人類の社会や文化が多様性と共通性を持つことや、我々をとりまく政治・経済・倫理面での課題について、自分のことにひきつけつつ、相対的視点をもって考えていきたいと思います。
授業の進め方・方法:
基本的には座学中心ですが、動画視聴、担当講師の経験事例、ディスカッションを実施し、状況によっては模擬的なフィールドワークやワークショップといったアクティヴ・ラーニング的なスタイルの導入を考えています。
注意点:
成績評価は試験代替として学術レポートで評価する。知識を問うものではないので、学術的な参考文献と個々の経験に根拠づけられた論理的なレポートを課すので、常に「自分のこと」として考え、学術的な論文や書籍に親しむことが必要である。レポートは、安易に答えを導き出すようなGoogleなどのWeb検索、Wikipedia検索、ChatGPT(AIチャット)利用等はいずれも学術的な根拠や方法に乏しく、不合格となる可能性が高いので注意が必要である。各自が原則として講義内容や学術的内容を自分のものにし、自分のことにひきつけて考え、かつ学術的根拠を示して論理的にレポート文章を展開する必要がある。レポートでは60点以上を合格とするが、レポート採点の過程で少なくとも合格点になるまで修正をしてもらうという形にするので、追再試は原則として実施しない。なお、授業の受講にあたっては、次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味等を理解しておくこと。また、シラバス作成時点ではCOVID-19のリスクがかなり低いことを想定してシラバスを作成しているため、COVID-19の流行状況等により授業スタイルや内容を変更することがあります。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
イントロダクション 授業のコンセプト |
授業においての目的・位置づけと進め方等を理解し、次週以降の内容に備える。
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2週 |
社会と文化の概念および単位と文化相対主義(「地理」の発展的復習)
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「社会」や「文化」といった概念について理解する。
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3週 |
フィールドワーク-人文社会科学探求の方法論として(「地理」の発展的復習) |
社会調査、とりわけフィールドワークによる質的データを得る調査手法の利点と限界について知る。
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4週 |
言語・衣食住・生業の比較文化その1 |
フィールドワークによって得られた文化人類学的な知識から言語・衣食住・生業といった文化を比較する視点を得る。
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5週 |
言語・衣食住・生業の比較文化その2 |
フィールドワークによって得られた文化人類学的な知識から言語・衣食住・生業といった文化を比較する視点を得る。
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6週 |
家族・親族・出自・結婚 その1 |
人類の特徴として家族・親族を組織する理由について、それらが文化によって異なることや近年の変化について様々な辞令を知る。
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7週 |
家族・親族・出自・結婚 その2 |
人類の特徴として家族・親族を組織する理由について、それらが文化によって異なることや近年の変化について様々な辞令を知る。
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8週 |
信仰・宗教・儀礼 |
人々はなぜ何かを信仰し、儀礼を実施するのかについての根本原理を知る。
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4thQ |
9週 |
人の死と死者儀礼 |
人間は生を受けた以上、必ず死ぬ運命にあるが、死に対し、家族・親族や社会はどのように考えるのか、信仰や儀礼と併せて考える。
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10週 |
通過儀礼と儀礼の過程 |
人々が様々な節目で儀礼を実施することの理由やそれらが文化によって異なることを知る。
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11週 |
儀礼と祭礼 |
儀礼は祭りや祭礼として実施されることがあるが、その社会的な役割や文化によっての差異があることを知る。
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12週 |
現代社会と文化 |
K-POPやアニメなどの現代文化と社会のありかた、あるいは超少子超高齢化といった現代の課題について考察する。
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13週 |
三池炭鉱の社会と文化その1 |
担当講師のフィールドワーク対象地(であり出身在住地でもある)福岡県大牟田市の三池炭鉱の社会と文化について考える。
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14週 |
三池炭鉱の社会と文化その2-炭じん爆発事故と技術者倫理 |
三池炭鉱の歴史の中で、技術者倫理とかかわりの深い1963年の三川鉱炭じん爆発事故について考える。
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15週 |
まとめ |
本講義全体をふりかえる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。 | 3 | |
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 3 | |
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。 | 3 | |
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。 | 3 | |
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。 | 3 | |
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。 | 3 | |
公民的分野 | 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。 | 3 | 後10 |
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。 | 3 | 後10 |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 3 | 後10 |
評価割合
| 試験(レポート) | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 25 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 25 |
専門的能力 | 25 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 25 |
分野横断的能力 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 |