数学3B

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 数学3B
科目番号 3A05 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:新編高専の数学3(森北出版)問題集:新編高専の数学3問題集 (森北出版)ドリルと演習シリーズ 線形代数(電気書院)ドリルと演習シリーズ 微分積分(電気書院)
担当教員 菰田 智恵子

到達目標

1.行列,およびベクトルに関する基礎知識の定着.
2.(抽象的)線型空間についての定義や理論についての基礎的な問題が解ける.
3.基礎的な微分方程式が解ける.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 線型代数具体的な計算が着実にでき,抽象的な議論ができる.定義を理解し,標準的な計算ができる.定義を理解せず,計算もできない.
評価項目2 微分方程式複雑な微分方程式を簡単なものに帰着して解を求められる.典型的な微分方程式が解ける.簡単な微分方程式が解けない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
この授業は,線型代数の基礎と微分方程式の解法を身に着けることを目的とする.いずれの項目も工学を習得するためには必須のものである.具体的な計算方法が身につくことが第一であるが,その計算法の背後にある理論を体得し,工学の問題に応用するために必要な能力を獲得することも視野に入れた授業であることを強調しておきたい.
授業の進め方・方法:
授業は通常の講義形式で進める.前半は線型代数,後半は微分方程式についての講義である.
既習の内容よりも一段と高度な内容であり,また授業の進度も速くなるため,自宅での継続的な学習がなされなければならない.
注意点:
計4回の定期試験を7割、小テスト、レポート等を3割として評価する。
具体的には、(4回の定期試験の平均点)×0.7に小テスト、レポート等からなる平常点を上限30点として加えたものを評点とする。評点が60点以上であるものを合格とする。また、必要があれば再試を行う。
授業予定の教科書該当ページを事前に読んでおくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベクトルの外積,行列式の復習 ベクトルの外積・行列式の定義を知り,具体的なベクトル・行列についてその外積や行列式を計算できる.
2週 ベクトルの外積,行列式の性質 ベクトルの外積と行列式について成り立つことがらを,証明を含めて理解する.
3週 線型空間の定義 抽象的な線型空間の定義を学び,どのような例があるかを知る.
4週 部分空間 部分空間の定義と例を知る.
5週 一次独立と一次従属 複数のベクトルが一次独立であるか,一次従属であるかを判定できる.
6週 行列の階数 行列の階数を求め,それが何を意味するかを知る.
7週 線型空間の次元 線型空間の次元とは何かを知る.
8週 線型写像 一般的な線型写像が何を指すかを知り,どのような例があるかを把握する.
2ndQ
9週 表現行列 線型写像の表現行列が何か,基底が変わると表現行列がどのように変わるかを知る.
10週 固有値と固有ベクトル 行列(線型写像)の固有値,固有ベクトルを求められる.
11週 対角化 行列の対角化を計算できる.
12週 正規直交化と直交行列 一次独立なベクトルについて,その正規直交化を計算できる.直交行列の定義と,正規直交化との関係を知る.
13週 対称行列の対角化 対称行列はいつでも直交行列で対角化できることを知る.
14週 二次曲線の分類 二次曲線にはどのようなものがあるかを知り,与えられた二次曲線の形を判定できる.
15週 前期のまとめ(問題演習など) これまでの学習内容についての,応用的な問題の演習を通して,さらなる理解を深める.
16週
後期
3rdQ
1週 微分方程式の解 微分方程式とは何か,その解とは何かを知る.
2週 変数分離形(1) 変数分離形の微分方程式が解ける.
3週 変数分離形(2) やや複雑な変数分離形の微分方程式が解ける.
4週 同次形 同次形の微分方程式が解ける.
5週 1階線型微分方程式(1) 1階線型微分方程式とは何かを知る.
6週 1階線型微分方程式(2) 1階線型微分方程式が解ける.
7週 完全微分形 完全微分形の微分方程式が解ける.
8週 線型微分方程式 2階以上の線型微分方程式とは何かを知る.
4thQ
9週 定数係数線型微分方程式(1) 定数係数線型微分方程式の基本的な解法を知る.
10週 定数係数線型微分方程式(2) 定数係数線型微分方程式の解の形を知り,実際に解を求めることができる.
11週 いろいろな線型微分方程式(1) 線型微分方程式のさまざまなパターンを知る.
12週 いろいろな線型微分方程式(2) やや複雑な線型微分方程式が解ける.
13週 線型でない微分方程式(1) 扱いやすい線型でない微分方程式について知る.
14週 線型でない微分方程式(2) 線型でない微分方程式が解ける場合があることを知り,実際に解ける.
15週 後期のまとめ(問題演習など) これまでの学習内容の範囲で,やや複雑な問題の演習を通して理解を深める.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3前1,前2
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3前3,前7,前8
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3前8,前9
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3前8,前9
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3後1,後2,後3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3後5,後6
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3後9,後10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力7000001585
専門的能力0000000
分野横断的能力100000515