応用物理2

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理2
科目番号 3A09 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 検定済教科書 高等学校理科用 改訂版 総合物理(数研出版)2、 問題集: 四訂版 リードα 物理基礎・物理(数研出版)
担当教員 谷 太郎

到達目標

1. 電気・磁気についての基礎的な物理法則を理解する。
2. 具体的な電気・磁気に関する問題を解くことができる。
3. 身の回りの現象との関係を電磁気学的に理解できる。
4. 電磁気学の知識を日常生活に生かす技術と態度を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1クーロン力、電場、電位の関係を理解し、すべての静電現象の基本法則がクーロンの法則であることを把握している。クーロン力、電場、電位の公式を使って問題を解くことができる。クーロン力、電場、電位の公式を理解できない。
評価項目2キルヒホッフの法則を使って問題が解け、微視的な視点からも電流の性質を理解している。キルヒホッフの法則を使って問題を解くことができる。キルヒホッフの法則を理解していない。
評価項目3磁場と電流の性質から、ローレンツ力とは何かを説明できる。磁場の基本法則を理解し、ローレンツ力などの具体的な問題を解ける。磁場の基本法則を理解できず、ローレンツ力の問題に適用できない。
評価項目4ファラデーの法則のみならず、交流回路の問題などから誘導現象とは何かを理解できる。電磁誘導や交流回路の公式を使って問題を解くことができる。ファラデーの法則や交流電流の発生について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
電磁気学の基礎・仕組みを学び、電子工学において必要な電気・磁気についての考え方を理解する。
さらに物理学的視点から物事を観察・分析できる能力を養う。
授業の進め方・方法:
授業は講義形式で進める。理解を深めるために適宜演習を行い、レポート課題を課す。授業の進行は基本的に教科書に従うが、より高度な内容を適宜盛り込む。物理学は、講義を聴くだけでは理解しにくいため、自ら考え自ら手を動かすことが必要となる。身近な現象や日常的に使っている機器の原理を知ることも理解につながるため、身の回りの現象に興味を持ち観察することも重要である。
注意点:
この講義の学習内容は一言でいえば電磁気学である。今後どの分野に進むにしても必ず必要な学問であり、高年次においてより高度な内容を扱う講義もあるため、本講義の内容はもれなく理解してもらいたい。不明な点があれば講義中や休み時間に質問し、その日のうちにわからない点をなくすようにしてほしい。
定期試験は計4回行い、それらの定期試験の結果を 75%程度、適宜行う小テストや課題レポートの結果を 25%程度、合計100%で評価する。60点以上を合格とし、成績が60点未満の者を対象に必要に応じて再試験を行う。
【事前学習内容】毎回宿題を課すので、次回提出すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電荷と静電気力 電荷とは何かということと静電気が電子の移動によって生じることを知る。
2週 静電誘導・誘電分極 静電誘導と誘電分極という現象を学び、箔検電器の実験を理解する。
3週 電場とクーロンの法則 クーロンの法則を理解し、電場が1Cの電荷にはたらく力であることを学ぶ。
4週 電気力線とガウスの法則 電気力線が描けるようになる。
5週 電位 電位と静電場のエネルギーについて理解し、等電位面が描けるようになる。
6週 導体と電場・電位 静電場中の導体の性質を電荷の性質から導く。
7週 コンデンサーの電気容量と静電エネルギー コンデンサーの性質と公式を理解する。
8週 コンデンサーの接続 コンデンサーの直列・並列接続について公式を導く。
2ndQ
9週 電流・抵抗とオームの法則 微視的な視点から電流とは何かを導き、オームの法則を学ぶ。
10週 電力・ジュール熱 抵抗でジュール熱が発生することと、電力が消費されることを学ぶ。
11週 直流回路 直流回路における電位の変化を理解し、抵抗の直列・並列接続を学習する。
12週 電流・電圧・抵抗の測定方法 電流計と電圧計の原理について理解する。
13週 キルヒホッフの法則 キルヒホッフの法則を学び、例題を解く。
14週 抵抗とコンデンサーを含む回路 コンデンサーに流れる電流が次第に0になることを、定性的に理解する。
15週 半導体 半導体、ダイオード、トランジスタについて知る。
16週
後期
3rdQ
1週 磁気力 磁気力に関するクーロンの法則を理解したうえで、磁荷が存在しないことを知る。
2週 磁場・磁力線 磁場の基本的な性質を電場と比較しながら理解する。
3週 電流がつくる磁界 磁場の発生原因が電流であることを理解し、アンペールの法則を学ぶ。
4週 電流が磁場から受ける力 磁場中の電流が受ける力とその原因を理解する。
5週 磁束密度と磁性体 磁場と磁束密度の関係について理解する。
6週 ローレンツ力と粒子の運動 ローレンツ力について学び、磁場中の電荷の運動を考察する。
7週 電磁誘導の法則 ファラデーの法則を理解する。
8週 誘導起電力 誘導起電力の大きさと向きがわかる。
4thQ
9週 自己誘導と相互誘導 コイルの性質について考察し、様々な誘導現象が起きることを知る。
10週 交流の発生、抵抗に流れる交流 交流電流の発生の仕組みと電流・電圧の式を理解する。
11週 コンデンサーやコイルに流れる交流 コイルやコンデンサーでは電圧と電流の位相がずれることを理解する。
12週 RLC回路 RLC回路のインピーダンスと位相のずれについて学ぶ。
13週 共振回路 共振とは何かを学び、交流回路以外の現象と比較する。
14週 電気振動 電気振動の性質を理解し、電場と磁場が相互に変化する現象を知る。
15週 電磁波 電磁波の性質を理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3前1
電場・電位について説明できる。3前3,前5,前6
クーロンの法則が説明できる。3前3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3前3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3前9
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3前9,前11
ジュール熱や電力を求めることができる。3前10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力7500001085
専門的能力000001515
分野横断的能力0000000