到達目標
1.実験で事故を誘起する可能性がある危険要素、要因を予測することができる。
2.実験を理解し、メンバー全員で協力しながら安全に実験を進めることができる。
3.実験装置を調整し、条件を整え、目的の物理量を得ることができる。
4.得られたデータが正しく測定されたかどうか判断でき、適切に処理できる。
5.得られたデータを解析して目的の物理量を得て、その物理量がどの程度正しいか評価できる。
6.実験結果を適切な書式で報告書にまとめることができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
実験を理解し、班で協力して実験を進めることができる。 | 一人一人の役割を決め、全員で協力して実験を完了する。 | 与えられた役割の測定ができる。 | 測定を他の班員に任せ、自分では測定しない。 |
目的の物理量を測定できる。 | 全ての装置を自分で調整し、正しい値を得ることができる。 | 調整された装置を使い、目的の物理量を測定できる。 | 与えられた装置を使い測定できない。 |
得られたデータが正しく測定されたかどうか判断でき、適切に処理できる。 | 得られたデータを評価するために必要な処理を考え、正しく測定されたかどうか判断できる。 | 指示された処理をして、正しく測定されたかどうか判断できる。 | 得られたデータが評価できない。 |
得られたデータを解析して目的の物理量をえて、どの程度正しいか評価できる。 | 目的の物理量を得るための解析方法を理解し、データを解析して目的の物理量を得て、その物理量がどの程度正しいか評価できる。 | 実験で得たデータを解析して、目的の物理量を求めることができる。 | 実験で得たデータから目的の物理量を求めることができない。 |
実験結果を適切な書式で報告書にまとめることができる。 | 実験・解析結果を適切なグラフや表に整理し、見易く分かり易い報告書にまとめることができる。 | 実験結果をいくつかのグラフや表を用いてまとめることができる。 | 報告書を書いても何を書いているか分かり難く、必要なグラフや表を付けていない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
基本的な物理量を測定することで、物理、応用物理Ⅰ・Ⅱの講義で学んだ物理法則の理解を深める。
また実験データのまとめ方、評価方法について学び、報告書の形式や作成方法も習得する。
今後の実験研究で必要な一連の基本作業を体験し、それらを修得する。
授業の進め方・方法:
実験書の類は配布しないので、説明をよく聞き、事故が起こらないように注意して実験を行う。
実験は3名程度の班単位で行うが、報告書は各自で作成し提出する。
実験方法・報告書の内容等は、実験開始前に説明する。各自ノートを取り、理解すること。
実験に参加しない場合、報告書を提出することはできない。
注意点:
以下に示す授業計画は書式に従って週単位で授業内容や到達目標を示しているが、授業は実験の状況を見ながら進めるので、あくまでも目安であり、半年間でどのような事を学ぶかの目安と理解して欲しい。
提出されたレポートにより評価する。60点以上を合格とする。
たとえレポートを全て提出しても、基準に達していないものが含まれている場合、不合格となり得ることに注意すること。以下のようなものは問題のあるレポートである:
・データを整理し解析するために必要な表やグラフを書いていない。
・測定データを整理して書いていない。
・実験目的を達成するために必要な解析をしていない。
・解析結果の考察をしていない。
・他学生のレポートを真似したかのようなそっくりのレポートになっている。
など
測定データだけではなく、授業中の説明や実験の状況・実験中に気付いた点など必要な事項を各自が用意したノートに記録すること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
本講義を行う上での基本的な事柄の説明と安全に関する必要な基礎知識の習得 |
レポートの書き方、グラフ用紙の使い方、最小二乗法などの基本的な解析方法を理解する。
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2週 |
振り子1:ボルタの振り子による重力加速度の測定 |
装置を組み立てて実験し、得られたデータを評価できる。
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3週 |
振り子2:ボルタの振り子による重力加速度の測定 |
測定した値から、重力加速度を求めることができ、糸の長さと周期の関係を確認する。
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4週 |
弦の共鳴1:メルデの装置を使った弦の定常波の実験 |
装置を組み立てて実験し、得られたデータを評価できる。
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5週 |
弦の共鳴2:メルデの装置を使った弦の定常波の実験 |
弦を伝わる波の速さを (1)固有振動数と波長から (2)弦の線密度と張力から の2通りから求め、同じ値になることを確認する。
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6週 |
弦の共鳴3:メルデの装置を使った弦の定常波の実験 |
異なる測定方法で得られたの違いを理解し、それぞれに合った解析ができる。
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7週 |
コンデンサー1:コンデンサーの充放電特性の測定 |
測定用の回路を組み、コンデンサーの電圧が時間経過とともにどのように変化するか測定し、得られたデータを評価できる。
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8週 |
コンデンサー2:コンデンサーの電気容量測定 |
得られた電圧のデータからコンデンサーに蓄えられた電気量を見積もることができる。
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4thQ |
9週 |
コンデンサー3:コンデンサーの電気容量測定 |
充電した電圧と蓄えられる電気量の関係からコンデンサーの電気容量(静電容量)を求めることができる。
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10週 |
ヤング率1:ユーイングの装置によるヤング率の測定 |
装置を組み立てて実験し、得られたデータを評価できる。
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11週 |
ヤング率2:ユーイングの装置によるヤング率の測定 |
得られた値から試料のヤング率を求めることができる。
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12週 |
光の干渉:光の干渉を使った光学測定 |
装置を組み立てて実験し、得られたデータを評価できる。 レーザー光の波長を求めることができる。
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13週 |
半減期:サイコロを使った半減期の実験 |
装置を組み立てて実験し、得られたデータを評価できる。 半減期を求めることができる。
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14週 |
運動量保存則の実験 |
運動量の保存を確かめることができる。
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15週 |
データ処理方法、誤差論、演習など |
データを整理し目的の値を求めることができる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | |
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。 | 2 | |
評価割合
| 報告書 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 100 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |