概要:
機械を構成する数多くの部品が所期の役割を果たし、機械全体としての機能を発揮するためには、個々の機械部品に適切な形状・強さ・運動が必要とされる。この講義では部品の形状を作るプロセスのうち、鋳造・塑性加工・溶接の各方法を知るとともに、除去加工の基礎となる切削理論を理解する。また部品に必要な強さをはじめとする機械的特性を与えるための熱処理について知る。
授業の進め方・方法:
「機械製作要論」の教科書および配布資料に基づいて講義し、随時小テストを実施する。
この講義は機械加工実習の各科目と密接に関連しており、機械加工実習1、2について復習して講義に臨み、またこの講義の内容を踏まえて機械加工実習3に取り組むことが極めて重要である。また、材料学と加工学は車の両輪と言え、また機械設計においては常に加工法を考慮する必要があるため、これらを互いに関連して理解することが求められる。
関連科目:材料システム工学概論、機械加工実習(1,2,3)、機械設計製図、品質管理
注意点:
点数配分:中間試験30%、期末試験30%、小テストの合計点15%、レポート25%、平均点が例年と著しく異なる場合には補正式により試験の得点に調整をする可能性がある。
60点以上を合格とする。
再試を行う。
定期試験の得点開示方法:答案は全て採点後に返却する。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 工作 | 鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。 | 4 | 後2,後3 |
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。 | 4 | 後3,後4 |
鋳物の欠陥について説明できる。 | 4 | 後4 |
溶接法を分類できる。 | 4 | 後8 |
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。 | 4 | 後8 |
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。 | 4 | 後8 |
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。 | 4 | 後8 |
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。 | 4 | 後5,後6,後7 |
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。 | 4 | 後5 |
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。 | 4 | 後5 |
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。 | 4 | 後5 |
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。 | 4 | 後12,後13 |
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。 | 3 | 後12 |
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。 | 1 | 後12 |
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。 | 1 | 後12 |
切削工具材料の条件と種類を説明できる。 | 3 | 後15 |
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。 | 3 | 後13,後14 |
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。 | 4 | 後13,後14 |
材料 | 塑性変形の起り方を説明できる。 | 1 | 後5 |
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。 | 1 | 後5 |
鉄鋼の製法を説明できる。 | 2 | 後5 |
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。 | 2 | 後10 |
焼きなましの目的と操作を説明できる。 | 4 | 後10,後11 |
焼きならしの目的と操作を説明できる。 | 4 | 後10,後11 |
焼入れの目的と操作を説明できる。 | 4 | 後10,後11 |
焼戻しの目的と操作を説明できる。 | 4 | 後10,後11 |