機械加工学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械加工学
科目番号 3A16 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教 科 書:「機械製作要論」 鬼鞍 宏猷ほか 養賢堂。 参考図書:「要訣 機械工作法」和栗 明ほか 養賢堂
担当教員 細野 高史

到達目標

1.鋳造の種類と特徴を理解し、説明できる。
2.塑性加工の種類と特徴を理解し、説明できる。
3.溶接と熱処理の種類と特徴を理解し、説明できる。
4.切削加工の基礎理論を理解し、説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1鋳造について深く理解し、部品の目的に合致した鋳造法を提案できる。鋳造について概ね理解し、加工方法を説明できる。鋳造についてほとんど理解できていない。
評価項目2塑性加工について深く理解し、部品の目的に合致した塑性加工法を提案できる。塑性加工について概ね理解し、塑性加工法を説明できる。塑性加工についてほとんど理解できていない。
評価項目3溶接と熱処理について深く理解し、部品の目的に合致した溶接と熱処理法を提案できる。溶接と熱処理について概ね理解し、溶接と熱処理法を説明できる。溶接と熱処理についてほとんど理解できていない。
評価項目4切削理論の基礎を深く理解している。二次元切削、構成刃先、切削条件と切削抵抗の関係を理解している。切削理論の基礎をほとんど理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械を構成する数多くの部品が所期の役割を果たし、機械全体としての機能を発揮するためには、個々の機械部品に適切な形状・強さ・運動が必要とされる。この講義では部品の形状を作るプロセスのうち、鋳造・塑性加工・溶接の各方法を知るとともに、除去加工の基礎となる切削理論を理解する。また部品に必要な強さをはじめとする機械的特性を与えるための熱処理について知る。
授業の進め方・方法:
「機械製作要論」の教科書および配布資料に基づいて講義し、随時小テストを実施する。
この講義は機械加工実習の各科目と密接に関連しており、機械加工実習1、2について復習して講義に臨み、またこの講義の内容を踏まえて機械加工実習3に取り組むことが極めて重要である。また、材料学と加工学は車の両輪と言え、また機械設計においては常に加工法を考慮する必要があるため、これらを互いに関連して理解することが求められる。
関連科目:精密加工学、材料システム工学概論、機械加工実習(1,2,3)、機械設計製図、品質管理
注意点:
点数配分:中間試験30%、期末試験30%、小テストの合計点15%、レポート25%、平均点が例年と著しく異なる場合などには補正式により試験の得点に調整をする可能性がある。
60点以上を合格とする。  
再試験は1回のみ行い、(1)再試験の素点、(2)中間試験、期末試験の合計得点を再試験の素点の2倍に置き換えて計算した総合評価、のいずれか高い方が60点を上回った場合に合格とし、その場合の総合評価は60点とする。なお、中間試験、期末試験の素点が両方とも40点未満の者は怠学と見なし、再試験の対象者にしない。
定期試験の得点開示方法:答案は全て採点後に返却する。または電子的手段により定期試験を実施し、結果は即時確認できるようにする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 機械製作の手順と概説 ものづくりの方法について概要を説明できる。
2週 鋳造(1)鋳造模型、鋳型方案、鋳物砂 鋳造の基本について説明できる。
3週 鋳造(2)鋳物材料と溶解 鋳造材料について説明できる。
4週 鋳造(3)特殊鋳造法、鋳仕上げ 特殊鋳造法について説明できる。
5週 塑性加工(1)圧延、押し出し 塑性加工の概念と、圧延について説明できる。
6週 塑性加工(2)鍛造 鍛造の概念と効果について説明できる。
7週 塑性加工(3)曲げ、深絞り その他の塑性加工の方法を説明できる。
8週 溶接・接合(1)融接、圧接 溶接の方法について説明できる。
4thQ
9週 溶接・接合(2)熱影響、欠陥と検査 溶接における熱影響層について説明できる。
10週 熱処理(1)材料と組織 鋼の材料学的性質を説明できる。
11週 熱処理(2)熱処理のプロセス 熱処理の具体的方法を説明できる。
12週 切削加工(1)除去加工の概要と切削様式 除去加工の概要と切削様式について説明できる。
13週 切削加工(2)切削機構 切削のしくみ、切りくずの形態、構成刃先について説明できる。
14週 切削加工(3)切削動力 切削条件と切削動力の関係を説明できる。
15週 切削加工(4)切削工具 切削工具の材質、種類、損傷について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。4後2,後3
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。4後3,後4
鋳物の欠陥について説明できる。4後4
溶接法を分類できる。4後8
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。4後8
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。4後8
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。4後8
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4後5,後6,後7
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4後5
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4後5
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。4後5
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4後12,後13
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。3後12
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。1後12
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。1後12
切削工具材料の条件と種類を説明できる。3後15
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。3後13,後14
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4後13,後14
材料塑性変形の起り方を説明できる。1後5
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。1後5
鉄鋼の製法を説明できる。2後5
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。2後10
焼きなましの目的と操作を説明できる。4後10,後11
焼きならしの目的と操作を説明できる。4後10,後11
焼入れの目的と操作を説明できる。4後10,後11
焼戻しの目的と操作を説明できる。4後10,後11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力0000000
専門的能力75000025100
分野横断的能力0000000