機械加工実習3

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械加工実習3
科目番号 3A17 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教 科 書:指定しない  参考図書:「要訣機械工作法」和栗明他10名 養賢堂 「機械工学便覧β3 加工学・加工機器」日本機械学会編
担当教員 中武 靖仁,細野 高史

到達目標

1.NC工作機械や特殊工作機械の基本操作ができる。
2.加工した部品の品質を評価することができる。
3.エンジニアとしてのスキルを身に付ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1自分ばかりでなく周囲の安全にまで配慮して作業ができる。作業服や保護具を適切に着用し、怪我や災害が起きないよう注意して作業ができる。作業服や保護具を適切に着用しない。怪我や災害を引き起こすような作業方法である。
評価項目2指示された加工手順などについて、なぜそのような作業方法であるのかを考えることができる。指示された通りに加工作業をすることができる。指示に従うことができず、適切な加工方法で作業できない。
評価項目3図面の通りに加工することができる。加工における図面の重要性を理解し、図面通りに加工しようと努力することができる。加工における図面の重要性を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
高度の実践的技術者になるために、機械加工実習(1、2)で学んだことよりも、さらに広範囲の機械・工具・道具・計測器などを使用し、図面に示す部品を実際に加工し、その際の現象や事象をしっかりと体得し、エンジニアとしての高度のスキルを身に付ける。特に、NC工作機械や特殊工作機械による加工法をマスターする。
授業の進め方・方法:
クラスの学生を4グループに班割りし、図面を基に学習内容に記載のテーマごとに連続6回程度の加工実習を行い、指定した図面の部品を完成させる。特に、安全教育、図面の見方、機械の取り扱い方、工具・道具の使い方、測定器の使い方、素材の特徴、加工工程、加工方法、加工条件等を学ぶ。
3年生で原級留置履歴があり、2度目以降の履修となる者には、テーマにより指導員の監督の下で他の学生の作業補助などを行い、実施内容や改善点の提案などを報告書にまとめさせる場合がある。
関連科目:機械加工実習(1、2)、機械製図(1、2、3)、機械加工学、精密加工学、品質管理、CAD演習、機械設計製図
注意点:
点数配分:4テーマごとに実習に取り組む態度・整理整頓状況・課題・製作した部品の品質、報告書やレポートの内容を総合して各25点、合計100点満点。
60点以上を合格とする。 
再試は行わない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 全体的な説明・安全教育等 加工実習にあたっての全般的な注意事項を再確認する。
2週 手仕上げ(a.安全教育・形削り盤による加工等) 加工の方法を理解する。
3週 手仕上げ(b.やすりによるブロックの中仕上げ) 安全に手仕上げを実施する。
4週 手仕上げ(c.きさげによるブロックの仕上げ1) 安全に手仕上げを実施する。
5週 手仕上げ(d.きさげによるブロックの仕上げ2) 安全に手仕上げを実施する。
6週 手仕上げ(e.けがき) 安全に手仕上げを実施する。
7週 手仕上げ(f.穴あけ) 安全に手仕上げを実施する。
8週 手仕上げ(g.タップによるねじ切り) 安全に手仕上げを実施する。
2ndQ
9週 溶  接およびCNC加工(安全教育及び溶接・切断、CNC工作機械の基本作業の説明等) 溶接に特有の安全上の注意事項を理解し、正しい保護具の装備方法を実施する。CNC工作機械特有の安全上の留意点を理解する。
10週 溶  接(a.基本のガス溶接作業) 安全に溶接を実施する。
11週 溶  接(b.板金作業およびガス溶接作業) 安全に溶接を実施する。
12週 溶  接(c.アーク溶接、ガス切断、エアプラズマ切断) 安全に溶接を実施する。
13週 CNC加工(a.CNC旋盤用プログラムの作成および加工1) CNC工作機械の動作を理解する。
14週 CNC加工(f.CNC旋盤用プログラムの作成および加工2) NCプログラムが作成できる。
15週 CNC加工(g.CNC旋盤用プログラムの作成および加工3) NCプログラムにより実際の加工を実施できる。
16週
後期
3rdQ
1週 特殊機械(a.安全教育など) 汎用フライス盤、汎用ホブ盤、汎用円筒研削盤の使用方法を理解し、安全に作業を実施する。
2週 特殊機械(b.汎用旋盤による鋼材の高速加工) 安全に旋盤加工を実施する。
3週 特殊機械(c.汎用旋盤による鋼材のねじ切り加工) 安全に旋盤加工を実施する。
4週 特殊機械(d.汎用円筒研削盤による精密な軸加工) 安全に研削を実施する。
5週 特殊機械(e.汎用フライス盤によるキー溝加工) 安全にフライス加工を実施する。
6週 特殊機械(f.汎用ホブ盤による平歯車加工) 安全に歯切りを実施する。
7週 特殊機械(g.汎用ホブ盤によるはすば歯車加工等) 安全に歯切りを実施する。
8週 旋  盤(a.安全教育、汎用旋盤による中ぐり作業の基本説明等) 安全に旋盤作業を実施する。
4thQ
9週 旋  盤(b.汎用旋盤によるカップリングの製作1) 安全に旋盤作業を実施する。
10週 旋  盤(c.汎用旋盤によるカップリングの製作2) 安全に旋盤作業を実施する。
11週 旋  盤(d.NC旋盤用プログラムの作成1) 安全に旋盤作業を実施する。
12週 旋  盤(e.NC旋盤用プログラムの作成2) 安全に旋盤作業を実施する。
13週 旋  盤(f.NC旋盤による曲面付き軸加工1) 安全に旋盤作業を実施する。
14週 旋  盤(g.NC旋盤による曲面付き軸加工2) 安全に旋盤作業を実施する。
15週 加工方法の復習・まとめ 安全に旋盤作業を実施する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3前1
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3前1
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4後8,後9,後10
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4後8,後9,後10
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。4前3,前4,前5
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。4前2,前6
やすりを用いて平面仕上げができる。4前3
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。4前8
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。4前12
アーク溶接の基本作業ができる。4前12
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。4後2,後3,後8,後9,後10
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。4後2,後3,後8,後9,後10
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。4後5
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。4後5
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。4前7,後10
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。3前13,前14,前15,後11,後12,後13,後14
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。3前13,前14,前15,後11,後12,後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度その他合計
総合評価割合0000100100
基礎的能力000000
専門的能力0000100100
分野横断的能力000000