概要:
高度の実践的技術者になるために、機械加工実習(1、2)で学んだことよりも、さらに広範囲の機械・工具・道具・計測器などを使用し、図面に示す部品を実際に加工し、その際の現象や事象をしっかりと体得し、エンジニアとしての高度のスキルを身に付ける。特に、NC工作機械や特殊工作機械による加工法をマスターする。
授業の進め方・方法:
クラスの学生を4グループに班割りし、図面を基に学習内容に記載のテーマごとに連続7回程度の加工実習を行い、指定した図面の部品を完成させる。特に、安全教育、図面の見方、機械の取り扱い方、工具・道具の使い方、測定器の使い方、素材の特徴、加工工程、加工方法、加工条件等を学ぶ。受講が2回目以降の者について、特別なテーマを設定する場合がある。また、工場見学など特別な授業を実施することがある。
関連科目:機械加工実習(1、2)、機械製図(1、2、3)、機械加工学、精密加工学、品質管理、CAD演習、機械設計製図
注意点:
点数配分:4テーマごとに実習に取り組む態度・整理整頓状況・課題・製作した部品の品質、報告書やレポートの内容を総合して各25点、合計100点満点。
60点以上を合格とする。
再試は行わない。
工場見学など特別な授業について成績評価には反映しないが、出席しなければ欠課扱いとなる。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
全体的な説明・安全教育等 |
加工実習にあたっての全般的な注意事項を再確認する。
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2週 |
手仕上げ(a.安全教育・形削り盤による加工等) |
加工の方法を理解する。
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3週 |
手仕上げ(b.やすりによるブロックの中仕上げ) |
安全に手仕上げを実施する。
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4週 |
手仕上げ(c.きさげによるブロックの仕上げ1) |
安全に手仕上げを実施する。
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5週 |
手仕上げ(d.きさげによるブロックの仕上げ2) |
安全に手仕上げを実施する。
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6週 |
手仕上げ(e.けがき) |
安全に手仕上げを実施する。
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7週 |
手仕上げ(f.穴あけ) |
安全に手仕上げを実施する。
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8週 |
手仕上げ(g.タップによるねじ切り) |
安全に手仕上げを実施する。
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2ndQ |
9週 |
溶 接およびCNC加工(安全教育及び溶接・切断、CNC工作機械の基本作業の説明等) |
溶接に特有の安全上の注意事項を理解し、正しい保護具の装備方法を実施する。CNC工作機械特有の安全上の留意点を理解する。
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10週 |
溶 接(a.基本のガス溶接作業) |
安全に溶接を実施する。
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11週 |
溶 接(b.板金作業およびガス溶接作業) |
安全に溶接を実施する。
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12週 |
溶 接(c.アーク溶接、ガス切断、エアプラズマ切断) |
安全に溶接を実施する。
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13週 |
CNC加工(a.CNC旋盤用プログラムの作成および加工1) |
CNC工作機械の動作を理解する。
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14週 |
CNC加工(f.CNC旋盤用プログラムの作成および加工2) |
NCプログラムが作成できる。
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15週 |
CNC加工(g.CNC旋盤用プログラムの作成および加工3) |
NCプログラムにより実際の加工を実施できる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
特殊機械(a.汎用旋盤による鋼材の高速加工) |
安全に旋盤作業を実施する。
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2週 |
特殊機械(b.ロジック回路) |
シーケンサを理解するための基礎となる、ロジック回路について説明できる。
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3週 |
特殊機械(c.汎用旋盤による鋼材のねじ切り加工) |
安全に旋盤加工を実施する。
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4週 |
特殊機械(d.汎用円筒研削盤による精密な軸加工) |
安全に研削を実施する。
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5週 |
特殊機械(e.汎用フライス盤によるキー溝加工) |
安全にフライス加工を実施する。
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6週 |
特殊機械(f.汎用ホブ盤による平歯車加工) |
安全に歯切りを実施する。
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7週 |
特殊機械(g.汎用ホブ盤によるはすば歯車加工等) |
安全に歯切りを実施する。
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8週 |
旋 盤(a.安全教育、汎用旋盤による中ぐり作業の基本説明等) |
安全に旋盤作業を実施する。
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4thQ |
9週 |
旋 盤(b.汎用旋盤によるカップリングの製作1) |
安全に旋盤作業を実施する。
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10週 |
旋 盤(c.汎用旋盤によるカップリングの製作2) |
安全に旋盤作業を実施する。
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11週 |
旋 盤(d.NC旋盤用プログラムの作成1) |
安全に旋盤作業を実施する。
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12週 |
旋 盤(e.NC旋盤用プログラムの作成2) |
安全に旋盤作業を実施する。
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13週 |
旋 盤(f.NC旋盤による曲面付き軸加工1) |
安全に旋盤作業を実施する。
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14週 |
旋 盤(g.NC旋盤による曲面付き軸加工2) |
安全に旋盤作業を実施する。
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15週 |
加工方法の復習・まとめ |
安全に旋盤作業を実施する。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 機械系分野【実験・実習能力】 | 機械系【実験実習】 | 実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。 | 3 | 前1 |
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。 | 3 | 前1 |
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。 | 4 | 後8,後9,後10 |
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。 | 4 | 後8,後9,後10 |
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。 | 4 | 前3,前4,前5 |
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。 | 4 | 前2,前6 |
やすりを用いて平面仕上げができる。 | 4 | 前3 |
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。 | 4 | 前8 |
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。 | 4 | 前12 |
アーク溶接の基本作業ができる。 | 4 | 前12 |
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。 | 4 | 後2,後3,後8,後9,後10 |
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。 | 4 | 後2,後3,後8,後9,後10 |
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。 | 4 | 後5 |
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。 | 4 | 後5 |
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。 | 4 | 前7,後10 |
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。 | 3 | 前13,前14,前15,後11,後12,後13,後14 |
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。 | 3 | 前13,前14,前15,後11,後12,後13,後14 |