材料システム工学概論

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 材料システム工学概論
科目番号 3A18 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 機械・金属材料学(黒田大介編著,実教出版)/プリント
担当教員 森園 靖浩

到達目標

1. 金属材料の種類と代表的な性質について理解する。
2. 金属物理学の基礎知識を身につける。
3. 合金状態図の基本を理解する。
4. 鉄鋼・非鉄材料について理解を深める。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属材料の種類と代表的な性質を理解し,説明できる。金属材料の種類と代表的な性質をおおよそ理解している。金属材料の種類と代表的な性質を理解していない。
評価項目2金属物理学の基本的な事項を理解し,説明できる。金属物理学の基本的な事項についておおよそ理解している。金属物理学の内容について理解していない。
評価項目3合金状態図の基本を身につけ,実用合金の状態図についても説明できる。合金状態図の基本を理解している。合金状態図について理解していない。
評価項目4鉄鋼・非鉄材料の基本的な事項について説明できる。鉄鋼材料の基本的な事項について説明できる。鉄鋼・非鉄材料について理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
金属材料の特性や製造法を知ることは,製品設計や技術開発に携わる上で必要不可欠である。本講義では,金属材料の結晶構造,塑性変形,溶融・凝固および状態図などの基本事項について説明する。
授業の進め方・方法:
教科書とプリントを用いて講義を行う。機械工学科としては馴染みのない内容を多く含むので,出来るだけ重要な部分にポイントを絞ってわかりやすく説明する。
注意点:
新型コロナ流行に伴う中間試験の中止により,評価方法を以下のように変更します。
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【変更後】期末試験90%,レポート提出10%で評価し,合計点が100点満点中60点以上を合格とする。必要に応じて再試験を実施する(但し1回のみ)が,評点は60点とする。
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【変更前】中間試験45%,期末試験45%,レポート提出10%で評価し,合計点が100点満点中60点以上を合格とする。必要に応じて再試験を実施する(但し1回のみ)が,評点は60点とする。
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評価基準:到達目標に記載した内容を主な評価基準とする。
事前学習:次週の授業範囲を予習し,専門用語の意味などを理解しておいてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 はじめに 授業の全体像を理解する。
2週 金属と結晶構造1 代表的な結晶構造について理解する。
3週 金属と結晶構造2 7つの結晶系について理解する。
4週 結晶構造とミラー指数 結晶内の結晶面・方向の表し方を身につける。
5週 格子欠陥 空孔や転位などの欠陥について理解する。
6週 材料の強化機構 加工硬化や固溶硬化などの強化機構について理解する。
7週 平衡状態図1 平衡状態図の理解において必要な専門用語を理解する。
8週 中間試験
2ndQ
9週 平衡状態図2 1成分系の状態図について理解する。
10週 平衡状態図3 2成分系の状態図の見方・考え方を身につける。
11週 鉄鋼製錬 鉄鉱石から鉄が得られるまでのプロセスを理解する。
12週 鉄-炭素系状態図と標準組織 鉄-炭素系状態図の見方・考え方を身につける。また,標準組織との関係について理解する。
13週 炭素鋼の熱処理 炭素鋼を例に,焼入れなどの熱処理操作について理解する。
14週 炭素鋼・合金鋼・鋳鉄 鉄を主成分とする実用材料について理解を深める。
15週 非鉄材料 アルミニウムや銅を主成分とする実用材料について理解を深める。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。4前1
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。4前1
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4前1
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。4前1
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4前1
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。4前14,前15
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。2前14,前15
金属と合金の結晶構造を説明できる。4前2,前3,前4
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。4前7,前9,前10
合金の状態図の見方を説明できる。4前7,前9,前10
塑性変形の起り方を説明できる。4前5
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4前6
鉄鋼の製法を説明できる。4前11
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。4前14
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。4前12
焼きなましの目的と操作を説明できる。4前13
焼きならしの目的と操作を説明できる。4前13
焼入れの目的と操作を説明できる。4前13
焼戻しの目的と操作を説明できる。4前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000