安全工学と工業倫理

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 安全工学と工業倫理
科目番号 4A06 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教材:講義プリント 参考図書:安全な機械の設計 A.ノイドルファー著 NPO安全工学研究所出版
担当教員 南山 靖博

到達目標

1.安全の原理原則を理解する.
2.国際規格ISO12100における安全の設計原理を理解する.
3.機械安全において設計者としてするべきことを理解する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1安全の原理原則を理解できる.安全の原理原則をある程度理解できる.安全の原理原則を理解できない.
評価項目2国際規格ISO12100における安全の設計原理を理解できる.国際規格ISO12100における安全の設計原理をある程度理解できる.国際規格ISO12100における安全の設計原理を理解できない.
評価項目3機械安全において設計者としてするべきことを理解できる.機械安全において設計者としてするべきことをある程度理解できる.機械安全において設計者としてするべきことを理解できない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 福岡及びチェルノブイリの原発事故,セベソの農薬工場の爆発事故,ボパールの猛毒ガス爆発事故など,巨大システムの事故は,一度に多数の犠牲者と広範囲の環境破壊をもたらすという現代科学技術の脆さを表している.また,シュレッダー事故,流水プール事故,エレベータ事故,回転ドア事故など,我が国で引き続き起こっている子供が犠牲となっている事故は,機械設備の技術の論理的責任が問われている.本講義では,事故の防止技術について,国際規格の特にシステム安全の立場から学ぶ.
授業の進め方・方法:
講義プリントによる講義・演習を中心に行う.
注意点:
演習課題50%,期末試験50%の結果から総合的に判断する.
再試は行わない.
評価基準:60点以上を合格とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 もの作りと自己の歴史 ~事故の原因と責任を考える~ 安全工学で何を学んでいくか理解できる。
2週 安全の原理・フェールセーフ 安全の原理・フェールセーフが理解できる。
3週 安全の原則及びリスク 安全の原則及びリスクが理解できる。
4週 事故・責任とは?日本の安全の現状 事故と責任,日本の安全の現状を把握できる。
5週 リスクベース社会、平衡性原理 リスクベース社会、平衡性原理が理解できる。
6週 被害者と加害者の安全 被害者と加害者の安全の違いについて理解できる。
7週 止めない・止める・止まる・止まらない 止めない・止める・止まる・止まらないの違いについて理解できる。
8週 日本の製品・CEマーク 日本の製品・CEマークについて理解できる。
4thQ
9週 安全構造・インターロック 安全構造・インターロックについて理解できる。
10週 赤渡し、青渡し 赤渡し、青渡しの違いについて理解できる。
11週 事故事例1(製麺機の刃の不意の起動) 事故事例を通じて、どこが危険であるか把握することができる。
12週 事故事例2(六本木ヒルズ回転ドア事故) 事故事例を通じて、どこが危険であるか把握することができる。
13週 事故事例3(シンドラーエレベータ事故) 事故事例を通じて、どこが危険であるか把握することができる。
14週 事故事例4(玉突き事故) 事故事例を通じて、どこが危険であるか把握することができる。
15週 総演習 安全工学を学んで、技術者を目指すものとして、何をするべきか理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3後3,後5
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3後11,後12,後13,後14
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3後1,後2
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3後1,後2
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3後3,後4
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3後3,後4
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3後15
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3後8,後9,後10
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3後10
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3後5,後12
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3後8,後9
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3後8,後9
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3後8,後9
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3後1,後2,後3,後15
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3後2,後3,後4,後11,後12,後13,後14,後15
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3後4,後5,後6,後10,後11,後12,後13,後14,後15
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3後6,後8,後9,後15
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3後6,後8,後9,後15

評価割合

試験演習課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50500000100
基礎的能力2020000040
専門的能力3030000060
分野横断的能力0000000