機械設計製図

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械設計製図
科目番号 4A08 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 特に教科書は指定せず配布プリントを基に板書で説明するが、製図法に関するテキストは必要。前期参考図書:上野 誠著「ウインチの設計」(パワー社)後期参考図書:林 洋次著「機械製図」(実教出版)、常広 陸之助他著「小形往復空気圧縮機の設計」(パワー社)、蓮見善久著「機械設計製図演習」(理工学社)
担当教員 中武 靖仁,石丸 良平

到達目標

1.機械要素設計に関する専門知識を問題解決に応用できる。
2.要求仕様に対応した機械システムをデザインできる。
3.JIS規格を理解し、設計に適用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械要素設計に関する専門知識を問題解決に応用できる。機械要素設計に関する専門知識を問題解決にある程度応用できる。機械要素設計に関する専門知識を問題解決に応用できない。
評価項目2要求仕様に対応した機械システムをデザインできる。要求仕様に対応した機械システムをある程度デザインできる。要求仕様に対応した機械システムをデザインできない。
評価項目3JIS規格を理解し、設計に適用できる。JIS規格を理解し、設計にある程度適用できる。JIS規格を理解し、設計に適用できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械設計は、まず概念設計に始まり、材料や各種要素の選択、強度計算、生産設計といったプロセスを繰り返した後、得られた設計解を図面化して完結する。本教科では、前期に手巻きウィンチ、後期に空気圧縮機を教材に採り、上記の設計作業を製図の段階まで一貫して行わせ、機械工学の基礎知識を実機の設計に応用する際に必要な基本事項を体得させることを目的とする。
実務経験のある教員による授業科目:この科目は、企業で機器設計を担当していた教員がその経験を活かし、産業機械を題材とした設計製図を行う授業である。
授業の進め方・方法:
上記の学習内容について、授業時間の前半は設計計算及び製図法に関する講義を行い、後半は質疑応答を行いながら、学生が各自の課題(設計仕様)に対する設計計算及び手書き、あるいは3次元CADでのモデリングを行う時間とする。
計算書・3Dモデル・2D図面・組立図などの提出物は、授業の度に設けた提出日までに提出すること。
関連科目:機械設計法、材料力学、工業熱力学
注意点:
設計・計算40%、提出物(略図、計算書、組立図、部品図)の提出20%、提出期日15%、計算書、組立図、部品図の正確さならびに明瞭さ25%。
前期と後期の平均点で通年の評価とする。再試験は行わない。
評価基準:60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 [前期]設計製図課題:手巻きウィンチ
手巻きウインチの概要
手巻きウインチの概要について理解する。
2週 ワイヤーロープの選定 JIS規格に基づきワイヤーロープを選定ができる。
3週 巻胴の設計 巻胴の強度設計、形状設計ができる。
4週 歯車減速装置の設計 最適な減速比が得られるように歯車の歯数、モジュールなどを設計ができる。
5週 巻胴軸の設計 巻胴軸の強度設計を行い、最適な軸径の設定ができる。
6週 中間軸の設計 中間軸の強度設計を行い、最適な軸径の設定ができる。
7週 ハンドル軸の設計 ハンドル軸の強度設計を行い、最適な軸径の設定ができる。
8週 ブレーキ装置の設計 ブレーキ装置の強度設計、形状設計ができる。
2ndQ
9週 つめ歯車装置の設計 つめ歯車装置の強度設計、形状設計ができる。
10週 フレ-ムの設計 フレームの強度設計、形状設計ができる。
11週 巻胴の製図 CADで巻胴のモデリングができる。
12週 歯車減速装置の製図 CADで歯車減速装置のモデリングができる。
13週 軸の製図 CADで軸のモデリングができる。
14週 その他諸要素の製図 CADで軸のモデリングができる。
15週 干渉など不具合の修正
CADで干渉チェック、シミュレーションなどを行い、不具合の修正ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 [後期]設計製図課題: 小型空気圧縮機
 1. 空気圧縮機の概要と構造
空気圧縮機の概要と構造が理解できる。
2週 基本設計 空気圧縮機の基本設計が理解できる。
3週 基本設計 空気圧縮機の基本設計が理解できる。
4週 部品作成 3D (ピストン、リング) CADで部品(ピストン、リング)ができる。
5週 部品作成 3D (クランク軸、連接棒) CADで部品(クランク軸、連接棒)ができる。
6週 部品作成 3D (クランク室) CADで部品(クランク室)ができる。
7週 部品作成 3D (シリンダ) CADで部品(シリンダ)ができる。
8週 部品作成 3D (シリンダヘッド、空気弁) CADで部品(シリンダヘッド、空気弁)ができる。
4thQ
9週 応力解析 CAEで応力解析ができる。
10週 応力解析 CAEで応力解析ができる。
11週 アセンブリ Fit check  CADでアセンブリ Fit check ができる。
12週 アセンブリ CADでアセンブリができる。
13週 公差設計と製作図 2D (ピストン) CADで公差設計と製作図 2D (ピストン)ができる。
14週 公差設計と製作図 2D (クランク軸) CADで公差設計と製作図 2D (クランク軸)ができる。
15週 組立図、パーツリスト 2D CADで組立図、パーツリスト 2Dができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。4前11,前12,前13,前14,前15,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
ボルト・ナット、軸継手、軸受、歯車などの機械要素の図面を作成できる。4前11,前12,前13,前14,前15
歯車減速装置、手巻きウインチ、渦巻きポンプ、ねじジャッキなどを題材に、その主要部の設計および製図ができる。4前11,前12,前13,前14,前15
機械設計標準規格の意義を説明できる。3前2,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後13,後14,後15
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。3前3
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。3前3
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。4前3
軸の種類と用途を理解し、適用できる。3前5,前6,前7,後5
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。3前5,前6,前7,後5
キーの強度を計算できる。3前5,前6,前7,後5
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。3前5,前6,前7,後5
滑り軸受の構造と種類を説明できる。3前3,前5
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。3前4
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。3前4
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。3前4
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。3前4
歯車列の速度伝達比を計算できる。4前4

評価割合

設計・計算提出物提出期限正確さ・明瞭さポートフォリオその他合計
総合評価割合4020152500100
基礎的能力100000010
専門的能力302015250090
分野横断的能力0000000