概要:
本教科では、機械設計の位置付けと強度設計の基礎となる材料力学の基本的な事項、および機械システムを実社会に提供するに際に必要な生産設計に関連する事項を実際の設計に利用できるようになることを目的とする。また、各種機械要素に関する基本事項を実際の設計問題に応用できることを併せて目的とする。前期に締結要素、後期に機械システムの中核をなす伝導要素と支持要素を取り上げる。
授業の進め方・方法:
学習内容の各項目について、教科書に記載された内容を中心に説明する。必要に応じて課題を与え、演習を行う。授業に際しては予習を十分に行い,疑問点は質問などにより授業時間中に
質問して,授業時間中に内容を確実に理解すること.この科目は5年前期の機械設計法Ⅱに継続する。
注意点:
前期中間試験20%、前期定期試験20%、レポート10%、後期中間試験25%、後期定期25%として評価する。再試験は必要に応じて行い、また、レポートを課すことがある。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
機械と機械要素・機械設計とその手順 |
機械設計の標準的方法が説明できる.
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2週 |
強度設計の基礎・荷重の形式 |
空間特性と時間特性で荷重の形式が分類でき,強度設計の考え方を説明できる.
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3週 |
静的破損と動的破損 |
静荷重下,繰り返し荷重下,衝撃的荷重下の破損およびクリープ現象について説明できる.
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4週 |
応力集中 |
応力集中の計算ができる.
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5週 |
許容応力と安全率 |
強度設計における実働応力,許容応力,安全率を説明できる.
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6週 |
静荷重の応力計算(単純応力、組合せ応力) |
静荷重下の最大引張応力,最大せん断応力が計算できる.
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7週 |
生産設計、標準化・規格化 |
標準規格の意義が説明でき,規格やカタログに沿った設計ができる.
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8週 |
寸法公差・はめあい・表面粗さ |
寸法公差・はめあい・表面粗さの意味が理解でき,設定できる.
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2ndQ |
9週 |
ねじの分類と規格・ねじの原理と力学 |
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解できる
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10週 |
ねじ各部の強度設計 |
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。
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11週 |
ねじの締付け線図 |
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。
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12週 |
ねじ締結部に作用する偏心荷重 |
ねじ締結部の設計が出来る.
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13週 |
溶接継手の特徴 |
溶接継手の利点と注意点が説明できる.
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14週 |
溶接設計 |
溶接設計ができる.
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15週 |
接着継手、接着剤の種類と特徴 |
接着継手、接着剤の種類と特徴が理解できる.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
伝動要素、軸の種類と軸の材料 |
伝動機構について説明でき、軸の種類と軸の材料について説明できる.
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2週 |
軸の強度設計1 |
降伏応力を基準とする軸径計算ができる.
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3週 |
軸の強度設計2 |
疲労破壊を基準とする軸径計算ができる.
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4週 |
軸の剛性設計 |
軸のねじれ角制限に基づく軸径計算ができる
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5週 |
回転軸の危険速度 |
軸の自重及による回転軸の危険速度の計算と,軸に取りつけられた回転体による危険速度の計算ができる.
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6週 |
軸継手 |
固定軸継手,たわみ軸継手,自在軸継手について説明できる.
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7週 |
軸と回転体の締結 |
軸と回転体の締結方法を説明でき,キーの選択ができる.
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8週 |
トライボロジーの基礎 |
摩擦の法則,摩擦力の発生機構,潤滑の原理が説明できる.
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4thQ |
9週 |
滑り軸受の油膜圧力発生機構 |
動圧軸受における油膜圧力の発生機構が説明できる
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10週 |
傾斜平面軸受 |
傾斜平面軸受における油膜圧力の発生機構が説明できる
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11週 |
ジャーナル軸受 |
ジャーナル軸受の作動原理と軸心軌跡が説明できる.
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12週 |
転がり軸受の種類と特徴 |
転がり軸受の種類と特徴が説明でき,使い分けができる.
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13週 |
転がり軸受が支える荷重 |
転がり軸受に作用する荷重を算定できる.
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14週 |
転がり軸受の損傷と寿命計算 |
転がり軸受の寿命計算が出来る.
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15週 |
集中接触における油膜形成 |
EHL油膜厚さの計算ができる.
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 製図 | 公差と表面性状の意味を理解し、図示することができる。 | 2 | 前8 |
機械設計 | 標準規格の意義を説明できる。 | 4 | 前7 |
標準規格を機械設計に適用できる。 | 4 | 前7 |
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前7 |
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。 | 4 | 前9 |
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。 | 4 | 前11 |
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。 | 4 | 前10 |
軸の種類と用途を理解し、適用できる。 | 4 | 後1 |
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。 | 4 | 後2,後3,後4,後5 |
キーの強度を計算できる。 | 4 | 後7 |
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。 | 4 | 後6 |
滑り軸受の構造と種類を説明できる。 | 4 | 後10,後11 |
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。 | 4 | 後12,後13,後14 |
力学 | 荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 4 | 前2 |
応力とひずみを説明できる。 | 4 | 前3 |
許容応力と安全率を説明できる。 | 4 | 前5 |
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。 | 4 | 後2 |
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。 | 4 | 後2 |
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。 | 4 | 後4 |
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。 | 4 | 後1 |
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。 | 4 | 後1 |
多軸応力の意味を説明できる。 | 4 | 前6,後2 |
工作 | 溶接法を分類できる。 | 4 | 前13 |
材料 | 機械材料に求められる性質を説明できる。 | 4 | 後1 |
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。 | 4 | 後1 |
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。 | 4 | 後2,後3 |
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。 | 4 | 後2,後3 |
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。 | 4 | 前3 |
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。 | 4 | 前3,後3 |
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。 | 4 | 前3 |