1. 気体の持つ性質、気体の状態方程式および状態変化について理解することができる。
2. 内燃機関の動作原理を理解し、そのサイクル計算ができる。
3. 蒸気の性質および蒸気原動機の動作原理を理解し、そのサイクル計算ができる。
概要:
熱エネルギを機械的・電気的エネルギに変換する内燃機関および蒸気機関などは、工業的に重要な役割を果たす。したがって、代表的な熱機関について、それらの機関の動作原理および熱効率等を理解する事を目的とする。そのためには、気体の性質や気体の状態が変化する際の周囲との相互作用等について理解することが重要であるため、エンタルピやエントロピなどの新しい概念を導入しながら、熱力学第一、第二法則、また理想気体の状態変化や蒸気の性質について理解することを目的とする。
実務経験のある教員による授業科目:この科目は企業で熱機器の設計をしていた教員がその経験を活かし、熱工学分野の基幹科目である工業熱力学の授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教科書および板書を利用して授業を進める。
本授業は、流体工学とともに機械工学の熱流体分野の重要科目であり、5年で学ぶの伝熱工学、流体機械、エネルギー変換工学の基礎となる。演習問題等を自ら解き、授業の内容を十分に理解すること。
注意点:
点数配分:前期および後期それぞれにおいて中間および期末試験を100点満点で行い、総合成績は4回の試験の平均得点を100点満点として評価する。
評価基準:60点以上を合格とする。
再試験:再試験は原則として学年末に1回のみ行い、最高点は60点とする。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 熱流体 | 水の等圧蒸発過程を説明できる。 | 2 | 後7 |
飽和蒸気、湿り蒸気、過熱蒸気の状態量を計算できる。 | 3 | 前8,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
蒸気の状態量を蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。 | 2 | 後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14 |
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。 | 4 | 前2 |
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。 | 4 | |
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
熱力学の第一法則を説明できる。 | 4 | 前3 |
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。 | 4 | 前3 |
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。 | 4 | 前3 |
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。 | 4 | |
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。 | 4 | 前5 |
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。 | 4 | 前5 |
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。 | 4 | 前6,前7 |
固体、液体および理想気体におけるエントロピーの変化量を計算できる。 | 3 | 前13 |
熱の有効エネルギーを説明できる。 | 2 | 前14 |
熱力学の第二法則を説明できる。 | 4 | 前13 |
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。 | 4 | 前11,後1,後2,後3,後4,後5 |
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。 | 4 | 前12 |
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。 | 4 | 前13 |
サイクルをT-s線図で表現できる。 | 4 | 前13 |