機械要素設計実験

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和07年度 (2025年度)
授業科目 機械要素設計実験
科目番号 5A04 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 1. 3D-CAD/CAEソフトの操作方法に関するプリント2. 設計条件などに関するプリント3. 3次元CAD/CAE/CAMのオンラインマニュアルおよびプリント
担当教員 青野 雄太,中尾 哲也,渡邊 悠太,谷野 忠和

到達目標

前期:1.3次元CAD・CAEを用いて強度・加工・機械力学・振動工学分野の最適設計ができる。2.CAMソフトによる手巻きウインチハンドルの加工過程が理解できる。3.材料強度および機械力学,加工学に関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できる。
後期:1.3次元CAD・CAEを用いて,流体分野・DfAMの最適設計を行うことができる。2.CAEソフトの長所、短所を理解することができる。3.流体に関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目13次元CAD・CAEを用いて強度・加工・機械力学・振動工学分野の最適設計ができる。3次元CAD・CAEを用いて強度・加工・機械力学・振動工学分野の最適設計がある程度できる。3次元CAD・CAEを用いて強度・加工・機械力学・振動工学分野の最適設計ができない。
評価項目2CAMソフトによる手巻きウインチハンドルの加工過程が理解できる。CAMソフトによる手巻きウインチハンドルの加工がある程度できる。CAMソフトによる手巻きウインチハンドルの加工ができない。
評価項目3材料強度および機械力学,加工学に関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できる。材料強度および機械力学,加工学に関する専門科目を試作品の設計、製作にある程度適用できる。材料強度および機械力学,加工学に関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できない。
評価項目43次元CAD・CAEを用いて,流体分野・DfAMの最適設計を行うことができる。3次元CAD・CAEを用いて,流体分野・DfAMの最適設計を行うことがある程度できる。3次元CAD・CAEを用いて,流体分野・DfAMの最適設計を行うことができない。
評価項目5CAEソフトの長所、短所を理解することができる。CAEソフトの長所、短所をある程度理解することができる。CAEソフトの長所、短所を理解することができない。
評価項目6流体に関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できる。流体に関する専門科目を試作品の設計、製作にある程度適用できる。流体に関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
前期:3次元CAD/CAE/CAMによる手巻きウインチハンドルの設計・製作、破壊試験により、材料強度、加工学の理解度を高める。また運動解析や振動解析を通じて機構学、機械設計法、機械力学の理解度を高める。後期:3次元CAD/CAEおよび3次元プリンタを用いて、流体の現象面、デザイン面から装置・機械要素の設計およびモデル作成を行い、モデルを実験・解析的に評価することで,流体分野の専門科目の理解度を高める。またITものづくりの知識と技能を修得する。
実務経験のある教員による授業:この科目は企業で流体機械の設計を担当していた教員が、その経験を活かし、流体機械の設計手法(後期)について、演習形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
(前期)CAD/CAEの使用方法説明後に,各自強度と重量の観点から手巻きウインチハンドルの設計を行う。その後グループ毎に各設計について評価を行ない,グループで選定した3DモデルをCAM加工し破壊試験を行う。試験結果を受けてその改善方針を検討する。また機械力学分野も同様に進める。すべての演習にレポートを義務付ける。(後期)前期と同様に進めるが、後期は流体やDfAMの観点から最適な設計を行う。優秀作品を3次元プリンタにより造形し,検証試験を行って,設計を評価する。最後にグループ毎に解析・実験結果から設計について検討し,レポートとして提出する。
注意点:
演習および課題レポートの成績:100%
なお,演習課題ならびにレポートが未提出の場合には合格点を与えない。
評価基準:60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 強度設計上重要な事柄について 脆性破壊、疲労破壊、降伏の発生を判断するパラメータおよび考え方を説明できる。
2週 3D CAD/CAEの操作方法 3D CAD/CAEの基本的な操作ができる。
3週 手巻きウインチハンドルの設計1 手巻きウインチハンドルの形状、外観について構想することができる。
4週 手巻きウインチハンドルの設計2 構想にもとづいて、具体的な3Dモデルを設計できる。
5週 手巻きウインチハンドルの設計3 強度と軽量化の両面から具体的な形状の修正ができる。
6週 CAMの概要 CAMの概要を理解できる。
7週 SOLIDWORKS CAMを用いたハンドルの加工過程 SOLIDWORKS CAMを用いたハンドルの加工の過程について理解できる。
8週 グループディスカッション グループディスカッションを行い、各設計を評価できる。
2ndQ
9週 ディスカッション結果に基づく設計再検討 3D CAD/CAEを用いて、選定した設計を改良することができる。
10週 運動モデルの最適設計 CAEを使って振動解析ができる。
11週 振動解析(1自由度から多自由度まで) CAEを使ってさまざまな振動解析が出来る。
12週 振動モデルの最適設計 振動モデルの最適設計が出来る。
13週 振動モデルの実証試験 実証試験の結果と比較検討をすることができる。
14週 手巻きウインチハンドルの破壊試験 ぜい性破壊の特徴を説明できる。
15週 破壊試験結果に基づく設計検証 3Dモデルから製作したハンドルの破壊試験を行う。3D-CAD/CAEの解析結果と比較し、両者の相違について考察することができる。
16週
後期
3rdQ
1週 CAE説明、外部流れ(風車ローターの解析) CAEを用いた流体解析の方法を理解し、提供された風車ローターの外部流れの計算ができる。
2週 風車ローターの解析および評価 風車ローターの解析を行い、計算後の処理(可視化など)を行うことができる。
3週 各自のモデル設計1(ブレード形状) 風車ローターの設計に必要なパラメータを決定し、ブレード形状の基本的な構想を立てることができる。
4週 各自のモデル設計2(風車ローター周りの流れ解析) 設計したブレード形状の風車ローターの流体解析を行う。
5週 各自のモデル設計3(風車ローター周りの出力性能の評価) 設計したブレード形状の風車ローターの流体解析結果から、流れ場および出力性能の評価を行うことができる。
6週 グループディスカッション ディスカッションを通して、各グループの風車ローターの比較・検討を行い、最適な風車ローターの選定を行うことができる。
7週 設計した風車の性能評価およびまとめ1 設計した風車ブレードについて、各グループの結果と比較しながら、解析および評価結果をレポートにまとめることができる。
8週 設計した風車の性能評価およびまとめ2 設計した風車ブレードについて、各グループの結果と比較しながら、解析および評価結果をレポートにまとめることができる。
4thQ
9週 付加製造技術(Additive Manufacturing 技術)の概要 付加製造技術の特徴を説明できる。
10週 付加製造のための設計(Design for Additive Manufacturing:DfAM)の概要 付加製造技術の特徴を生かした設計手法について説明できる。
11週 各自のモデル設計1(設計課題の達成) 与えられた課題を満たすモデルを作成できる。
12週 各自のモデル設計2(DfAMに向けた修正) DfAMを考慮した設計を行うことができる。
13週 各自のモデル設計3(スライサー) スライサーソフトを用いて3Dプリンタ用のCAMデータを作成できる。
14週 設計モデルの印刷と評価1 3Dプリンタを用いてモデルを製造し評価結果をレポートにまとめることができる。
15週 設計モデルの印刷と評価2 3Dプリンタを用いてモデルを製造し評価結果をレポートにまとめることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。4前2,前3,前4,前5,後4,後5,後11,後12,後13
力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4前8
多軸応力の意味を説明できる。4前1
振動の種類および調和振動を説明できる。4前10,前11,前15
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3前12,前13,前15
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3前12,前13,前15
熱流体層流と乱流の違いを説明できる。4後3,後4,後5
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4後3,後4,後5
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4後1,後2,後3,後4,後5
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4後1,後2,後3,後4,後5
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。4前6
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。4前6
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4前7,前8,前15,後7,後8,後14,後15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前7,前8,前12,後3,後4,後5,後6
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前7,前8,前12,後3,後4,後5,後6
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前7,前8,前13,後3,後4,後5,後6
合意形成のために会話を成立させることができる。3前7,前8,前13,後3,後4,後5,後6
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前7,前8,前13,後3,後4,後5,後6
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前7,前8,前15,後3,後4,後5,後6

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合01000000100
基礎的能力060000060
専門的能力040000040
分野横断的能力0000000