前期:1.3次元CAD・CAEを用いて強度・加工・機械力学・振動工学分野の最適設計ができる。2.CAMソフトによる手巻きウインチハンドルの加工過程が理解できる。3.材料強度および機械力学,加工学に関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できる。
後期:1.3次元CAD・CAEを用いて,流体分野・DfAMの最適設計を行うことができる。2.CAEソフトの長所、短所を理解することができる。3.流体に関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できる。
概要:
前期:3次元CAD/CAE/CAMによる手巻きウインチハンドルの設計・製作、破壊試験により、材料強度、加工学の理解度を高める。また運動解析や振動解析を通じて機構学、機械設計法、機械力学の理解度を高める。後期:3次元CAD/CAEおよび3次元プリンタを用いて、流体の現象面、デザイン面から装置・機械要素の設計およびモデル作成を行い、モデルを実験・解析的に評価することで,流体分野の専門科目の理解度を高める。またITものづくりの知識と技能を修得する。
実務経験のある教員による授業:この科目は企業で流体機械の設計を担当していた教員が、その経験を活かし、流体機械の設計手法(後期)について、演習形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
(前期)CAD/CAEの使用方法説明後に,各自強度と重量の観点から手巻きウインチハンドルの設計を行う。その後グループ毎に各設計について評価を行ない,グループで選定した3DモデルをCAM加工し破壊試験を行う。試験結果を受けてその改善方針を検討する。また機械力学分野も同様に進める。すべての演習にレポートを義務付ける。(後期)前期と同様に進めるが、後期は流体やDfAMの観点から最適な設計を行う。優秀作品を3次元プリンタにより造形し,検証試験を行って,設計を評価する。最後にグループ毎に解析・実験結果から設計について検討し,レポートとして提出する。
注意点:
演習および課題レポートの成績:100%
なお,演習課題ならびにレポートが未提出の場合には合格点を与えない。
評価基準:60点以上を合格とする。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
強度設計上重要な事柄について |
脆性破壊、疲労破壊、降伏の発生を判断するパラメータおよび考え方を説明できる。
|
2週 |
3D CAD/CAEの操作方法 |
3D CAD/CAEの基本的な操作ができる。
|
3週 |
手巻きウインチハンドルの設計1 |
手巻きウインチハンドルの形状、外観について構想することができる。
|
4週 |
手巻きウインチハンドルの設計2 |
構想にもとづいて、具体的な3Dモデルを設計できる。
|
5週 |
手巻きウインチハンドルの設計3 |
強度と軽量化の両面から具体的な形状の修正ができる。
|
6週 |
CAMの概要 |
CAMの概要を理解できる。
|
7週 |
SOLIDWORKS CAMを用いたハンドルの加工過程 |
SOLIDWORKS CAMを用いたハンドルの加工の過程について理解できる。
|
8週 |
グループディスカッション |
グループディスカッションを行い、各設計を評価できる。
|
2ndQ |
9週 |
ディスカッション結果に基づく設計再検討 |
3D CAD/CAEを用いて、選定した設計を改良することができる。
|
10週 |
運動モデルの最適設計 |
CAEを使って振動解析ができる。
|
11週 |
振動解析(1自由度から多自由度まで) |
CAEを使ってさまざまな振動解析が出来る。
|
12週 |
振動モデルの最適設計 |
振動モデルの最適設計が出来る。
|
13週 |
振動モデルの実証試験 |
実証試験の結果と比較検討をすることができる。
|
14週 |
手巻きウインチハンドルの破壊試験 |
ぜい性破壊の特徴を説明できる。
|
15週 |
破壊試験結果に基づく設計検証 |
3Dモデルから製作したハンドルの破壊試験を行う。3D-CAD/CAEの解析結果と比較し、両者の相違について考察することができる。
|
16週 |
|
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
CAE説明、外部流れ(風車ローターの解析) |
CAEを用いた流体解析の方法を理解し、提供された風車ローターの外部流れの計算ができる。
|
2週 |
風車ローターの解析および評価 |
風車ローターの解析を行い、計算後の処理(可視化など)を行うことができる。
|
3週 |
各自のモデル設計1(ブレード形状) |
風車ローターの設計に必要なパラメータを決定し、ブレード形状の基本的な構想を立てることができる。
|
4週 |
各自のモデル設計2(風車ローター周りの流れ解析) |
設計したブレード形状の風車ローターの流体解析を行う。
|
5週 |
各自のモデル設計3(風車ローター周りの出力性能の評価) |
設計したブレード形状の風車ローターの流体解析結果から、流れ場および出力性能の評価を行うことができる。
|
6週 |
グループディスカッション |
ディスカッションを通して、各グループの風車ローターの比較・検討を行い、最適な風車ローターの選定を行うことができる。
|
7週 |
設計した風車の性能評価およびまとめ1 |
設計した風車ブレードについて、各グループの結果と比較しながら、解析および評価結果をレポートにまとめることができる。
|
8週 |
設計した風車の性能評価およびまとめ2 |
設計した風車ブレードについて、各グループの結果と比較しながら、解析および評価結果をレポートにまとめることができる。
|
4thQ |
9週 |
付加製造技術(Additive Manufacturing 技術)の概要 |
付加製造技術の特徴を説明できる。
|
10週 |
付加製造のための設計(Design for Additive Manufacturing:DfAM)の概要 |
付加製造技術の特徴を生かした設計手法について説明できる。
|
11週 |
各自のモデル設計1(設計課題の達成) |
与えられた課題を満たすモデルを作成できる。
|
12週 |
各自のモデル設計2(DfAMに向けた修正) |
DfAMを考慮した設計を行うことができる。
|
13週 |
各自のモデル設計3(スライサー) |
スライサーソフトを用いて3Dプリンタ用のCAMデータを作成できる。
|
14週 |
設計モデルの印刷と評価1 |
3Dプリンタを用いてモデルを製造し評価結果をレポートにまとめることができる。
|
15週 |
設計モデルの印刷と評価2 |
3Dプリンタを用いてモデルを製造し評価結果をレポートにまとめることができる。
|
16週 |
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 製図 | CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,後4,後5,後11,後12,後13 |
力学 | 荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 4 | 前8 |
多軸応力の意味を説明できる。 | 4 | 前1 |
振動の種類および調和振動を説明できる。 | 4 | 前10,前11,前15 |
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 3 | 前12,前13,前15 |
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。 | 3 | 前12,前13,前15 |
熱流体 | 層流と乱流の違いを説明できる。 | 4 | 後3,後4,後5 |
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。 | 4 | 後3,後4,後5 |
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5 |
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5 |
分野別の工学実験・実習能力 | 機械系分野【実験・実習能力】 | 機械系【実験実習】 | NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。 | 4 | 前6 |
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。 | 4 | 前6 |
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。 | 4 | 前7,前8,前15,後7,後8,後14,後15 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 3 | 前7,前8,前12,後3,後4,後5,後6 |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 3 | 前7,前8,前12,後3,後4,後5,後6 |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 3 | 前7,前8,前13,後3,後4,後5,後6 |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 3 | 前7,前8,前13,後3,後4,後5,後6 |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | 前7,前8,前13,後3,後4,後5,後6 |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 3 | 前7,前8,前15,後3,後4,後5,後6 |