流体機械

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 流体機械
科目番号 5A09 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:ターボ機械-入門編-、ターボ機械協会編、日本工業出版
担当教員 谷野 忠和

到達目標

1.流体機械と流体関連機器を理解することができる。
2.流体機械と流体関連機器の設計・製作、開発を担当することができる。
3.流体機械と流体関連機器の運転・保守を担当することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流体機械と関係する流動現象の物理的意味ならびに流体関連機器を理解し、基本的な問題を解くことができる。流体機械と関係する流動現象の物理的意味ならびに流体関連機器を理解し、基本的な問題をある程度解くことができる。流体機械と関係する流動現象の物理的意味ならびに流体関連機器の理解が不十分で、基本的な問題を解くことができない。
評価項目2流体機械と流体関連機器の設計・製作、開発に必要な知識を理解し、応用することができる。流体機械と流体関連機器の設計・製作、開発に必要な知識をある程度理解し、応用することができる。流体機械と流体関連機器の設計・製作、開発に必要な知識の理解が不十分で、応用することができない。
評価項目3流体機械と流体関連機器の運転・保守に必要な知識を理解し、応用することができる。流体機械と流体関連機器の運転・保守に必要な知識をある程度理解し、応用することができる。流体機械と流体関連機器の運転・保守に必要な知識の理解が不十分で、応用することができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE C-4 説明 閉じる

教育方法等

概要:
流体を用いてエネルギー変換を行う機械を流体機械という。流体にエネルギーを与えるものにポンプ,送風機などがあり、流体からエネルギーをもらうものに水車、風車などがある。これら流体機械の作動原理、構造、特性などに関する基礎知識を修得し、流体機械の設計・製作、運転・保守をすることができる基礎能力を養う。
授業の進め方・方法:
教科書を読み進めながら、内容の要点を解説する。その際に、具体的な事例の紹介も行う。
例題および演習問題の解説をとおして、考え方、解き方を学ばせる。自ら教科書を熟読し、演習・練習問題に取り組むなど、予習・復習をして授業内容の理解に努めることが不可欠である。
注意点:
評価基準:60点以上を合格とする。
評価方法:定期試験(原則 中間試験50%+期末試験50%)100%として評価する。
再試験は,必要に応じて,期末試験後に1回のみ行う。
本科目は学修単位であるので,授業時間以外での学修(予習・復習)が不可欠であり、これを課題(各自のノート作成等)として課す。。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・流体機械の定義、流体機械の分類、流体エネルギー・動力 流体機械の定義、流体機械の分類を知り、流体エネルギー・動力の考え方が分かる
2週 ・流体と羽根車の間のエネルギー変換、損失と効率 流体と羽根車の間のエネルギー変換、損失と効率の考え方を理解し,その応用ができる
3週 ・流体と羽根車の間のエネルギー変換、損失と効率 流体と羽根車の間のエネルギー変換、損失と効率の考え方を理解し,その応用ができる
4週 ・ターボ機械の構成要素と内部流れ:遠心羽根車、軸流羽根車 遠心、軸流羽根車を知り,それらに関わる流れと性能の関係が分かる
5週 ・ターボ機械の構成要素と内部流れ:軸流羽根車、斜流羽根車、固定流路 軸流、斜流羽根車およびターボ機械に関わる固定流路を知り,それらに関わる流れと性能の関係が分かる
6週 ・ターボ機械の構成要素と内部流れ:固定流路、軸封装置 ターボ機械に関わる固定流路、軸封装置を知り,それらに関わる流れと性能の関係が分かる
7週 ・ターボ機械の性能と運転:相似則と比速度 相似則と比速度の考え方を理解し,その応用ができる
8週 ・ターボ機械の性能と運転:相似則と比速度、特性曲線
および、これまでの復習
相似則と比速度,特性曲線の考え方を理解し,その応用ができる
2ndQ
9週 ・ターボ機械の性能と運転:運転、キャビテーション 運転に関する考え方,キャビテーションについて知り,それらに必要な対応を検討できる
10週 ・ターボ機械の性能と運転:旋回失速とサージング、水撃現象 旋回失速とサージング、水撃作用の現象を知り,それらに必要な対応を検討できる
11週 ・ターボ機械の性能と運転:水撃現象、
・ターボポンプ:ポンプの形式と性能
水撃作用の現象を知り,それらに必要な対応を検討できる
ポンプの形式・性能を知り,適切なポンプの選定を検討できる
12週 ・ターボポンプ:ポンプの形式と性能および構造と特徴、
・ターボポンプ:羽根車に働くスラスト
ポンプの形式・性能を知り,適切なポンプの選定を検討できる
ポンプの構造,特徴を知り,スラストなどに対する対応を検討できる
13週 ・水車の出力と性能曲線,水車の形式と構造、ポンプ水車 水車の出力と性能曲線,水車の形式と構造、ポンプ水車の考え方を理解し,機種選定の検討などができる
14週 ・流体継手、トルクコンバータ、ターボチャージャ(簡単な原理の紹介)
・風車の理論と特性
流体継手,トルクコンバータ,ターボチャージャの原理が分かる
風車の理論と特性の考え方を理解し,その応用ができる
15週 ・風車の分類、種類と特徴
これまでの復習
風車の分類,種類と特徴を理解し,風車の選定や性能の簡易評価ができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。3前1
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4前1
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。3
パスカルの原理を説明できる。3
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。3
物体に作用する浮力を計算できる。3
定常流と非定常流の違いを説明できる。4前9,前10,前11
流線と流管の定義を説明できる。3前14
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4前1,前2,前3,前14
オイラーの運動方程式を説明できる。4前1,前2,前3
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4前1,前2,前3,前13
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4前1,前2,前3,前13,前14
層流と乱流の違いを説明できる。4前2,前3,前6
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。3前6
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4前2,前3,前6
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。3前6
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4前4,前5,前9,前10
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4前4,前5
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4前4,前5
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3前2,前3
熱力学の第一法則を説明できる。3前2,前3
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。3前2,前3
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3前2,前3
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。3前2,前3
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3前2,前3
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。3前2,前3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000