リベラルアーツ特論1(小説の近代、近代の小説)

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 リベラルアーツ特論1(小説の近代、近代の小説)
科目番号 0104 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜必要な資料及びプリントを配布する。
担当教員 石塚 政吾

到達目標

1.日本近代文学の代表作を読んで、小説とは何かを考える。2.作品を正確かつ豊かに鑑賞し、自分なりの解釈を持つことができる。3.作品に表れた社会的な背景や問題について、自分の意見を持つことができる。4.小説とは何かについて、批評文をまとめることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1作品を読んで主体的な解釈を豊かに作り上げることができる。作品を読んで主体的な解釈を作り上げることができる。作品を読んで解釈することができない。
評価項目2作品の社会的背景を踏まえて問題意識を構築することができる。作品の社会的背景を意識して意見をまとめることができる。作品の社会的背景を意識することができない。
評価項目3自分が作品に対して持った解釈や意見を、独自の観点から説得的に文章化することができる。自分が作品に対して持った解釈や意見を、段落構成を考えて文章化することができる。自分が文学作品に対して持った解釈や意見を、文章化することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
近代において、「小説」という言葉がどのように登場したのかを理解し、小説作品の読解を通して近代とは何かについて考察する。明治以降の小説作品を鑑賞し、その社会的背景や特色を見分け、理解を深めていく。描写や語りに着目しながら、多角的に小説作品を読み解き、主体的な読みを作り上げていく。日本語による表現の美しさにも触れさせ、自らの表現力の向上に資することもねらいとする。
授業の進め方・方法:
1~5週は「小説」という言葉がどのように登場し、近代の小説として変化を遂げていったかを明治期の小説作品に探求する。
6~10週は、大正期の小説作品を中心に多様な表現形式を演習形式で探求する。取り上げる作品についてはガイダンス時にアナウンスする。
11~15週は、昭和戦前期の小説作品を中心に「近代」について探求する。中でも昭和10年代の日本が戦争へと向かう時代背景を踏まえながら、小説が果たした役割について考える。
注意点:
満点を100点とし、60点以上を合格とする。
近代における「小説」の変遷への理解(小テスト)30%、演習への取り組み(発表を含む)40%、「近代」に小説が果たした役割への理解(小論文)30%を目安として評価する。必要に応じて補助レポートを課す場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス 自己紹介。授業の進め方、取り組み方、評価の仕方等について理解する。
2週 戯作と小説 「小説」という言葉がどのようにして登場したのかを理解する。
3週 言文一致と模写 知的な営みとしての「小説」が人間心理の模写を目指したことを理解する。
4週 自我と文明批評(1) 自我の探求と表現方法をめぐる試みを文豪の作品に探り、「小説」の内と外を理解する。
5週 自我と文明批評(2) 「小説」に表れた二つの自然科学的手法について理解する。
6週 小説爛熟期(1) 近代小説の多様な試みを大正期の作品群に探る。特徴的な作品を取り上げ、演習形式で発表することを通じて文章表現の豊かさを感受する。
7週 小説爛熟期(2) 近代小説の多様な試みを大正期の作品群に探る。特徴的な作品を取り上げ、演習形式で発表することを通じて文章表現の豊かさを感受する。
8週 小説爛熟期(3) 近代小説の多様な試みを大正期の作品群に探る。特徴的な作品を取り上げ、演習形式で発表することを通じて文章表現の豊かさを感受する。
2ndQ
9週 小説爛熟期(4) 近代小説の多様な試みを大正期の作品群に探る。特徴的な作品を取り上げ、演習形式で発表することを通じて文章表現の豊かさを感受する。
10週 小説爛熟期(5) 近代小説の多様な試みを大正期の作品群に探る。特徴的な作品を取り上げ、演習形式で発表することを通じて文章表現の豊かさを感受する。
11週 三派鼎立 文壇・革命・芸術のための「小説」が絡み合った状況を、社会的背景を踏まえて理解する。
12週 文芸時代と文芸戦線 新感覚に基づく「小説」と政治改革を目指す「小説」の特徴について理解する。
13週 芥川賞と直木賞 「小説」の大衆化と通俗化をめぐる問題を、社会的背景を踏まえて理解する。
14週 饒舌体と説話体 純粋「小説」を試みた二つの文体的特徴について理解する。
15週 日本の小説 ノーベル文学賞を受賞した作家の「小説」を読み比べ、「小説」とは何か理解を深める。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合04000060100
基礎的能力04000060100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000