概要:
機械を構成する数多くの部品が所期の役割を果たし、機械全体としての機能を発揮するためには、個々の機械部品に適切な形状・強さ・運動が必要とされる。この講義では部品の形状を作るプロセスのうち、変形加工(鋳造・塑性加工・溶接)の各方法を知るとともに、除去加工の基礎となる切削理論を理解する。また部品に必要な強さをはじめとする機械的特性を与えるための熱処理について知る。
授業の進め方・方法:
「機械工作法」の教科書および配布資料に基づいて講義し、随時小テストを実施する。
この講義は機械加工実習の各科目と密接に関連しており、機械加工実習Ⅰ、Ⅱについて復習して講義に臨み、またこの講義の内容を踏まえて機械加工実習Ⅲに取り組むことが極めて重要である。また、機械材料学と加工学は車の両輪と言え、また機械設計においては常に加工法を考慮する必要があるため、これらを互いに関連して理解することが求められる。
関連科目:機械材料学、機械加工実習(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ)、機械設計製図、品質管理
注意点:
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 工作 | 鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。 | 3 | |
鋳型の要件、構造および種類を説明できる。 | 2 | |
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。 | 2 | |
鋳物の欠陥について説明できる。 | 2 | |
溶接法を分類できる。 | 3 | |
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。 | 2 | |
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。 | 2 | |
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。 | 2 | |
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。 | 3 | |
鍛造とその特徴を説明できる。 | 2 | |
プレス加工とその特徴を説明できる。 | 2 | |
転造、押出し、圧延、引抜きなどの加工法を説明できる。 | 2 | |
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。 | 3 | |
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。 | 2 | |
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。 | 2 | |
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。 | 2 | |
切削工具材料の条件と種類を説明できる。 | 2 | |
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。 | 3 | |
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。 | 2 | |
材料 | 金属と合金の結晶構造を説明できる。 | 1 | |
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。 | 1 | |
合金の状態図の見方を説明できる。 | 1 | |
塑性変形の起り方を説明できる。 | 1 | |
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。 | 1 | |
焼きなましの目的と操作を説明できる。 | 2 | |
焼きならしの目的と操作を説明できる。 | 2 | |
焼入れの目的と操作を説明できる。 | 2 | |
焼戻しの目的と操作を説明できる。 | 2 | |