機械要素設計実験

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機械要素設計実験
科目番号 0177 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 1. 3D-CAD/CAEソフトの操作方法に関するプリント2. 設計条件などに関するプリント3. 3次元CAD/CAE/CAMのオンラインマニュアルおよびプリント
担当教員 原田 豊満,谷野 忠和,中尾 哲也,田中 大

到達目標

前期:1.3次元CAD・CAEを用いて強度・加工・デザイン・機械力学・振動工学分野の最適設計ができる。2.CAMソフトによる手巻きウインチハンドルの加工ができる。3.材料強度および機械力学,加工学,デザインに関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できる。
後期:1.3次元CAD・CAEを用いて,熱流体分野の最適設計を行うことができる。2.CAEソフトの長所、短所を理解することができる。3.熱流体に関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目13次元CAD・CAEを用いて強度・加工・デザイン・機械力学・振動工学分野の最適設計ができる。3次元CAD・CAEを用いて強度・加工・デザイン・機械力学・振動工学分野の最適設計がある程度できる。3次元CAD・CAEを用いて強度・加工・デザイン・機械力学・振動工学分野の最適設計ができない。
評価項目2CAMソフトによる手巻きウインチハンドルの加工ができる。CAMソフトによる手巻きウインチハンドルの加工がある程度できる。CAMソフトによる手巻きウインチハンドルの加工ができない。
評価項目3材料強度および機械力学,加工学,デザインに関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できる。材料強度および機械力学,加工学,デザインに関する専門科目を試作品の設計、製作にある程度適用できる。材料強度および機械力学,加工学,デザインに関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できない。
評価項目43次元CAD・CAEを用いて,熱流体分野の最適設計を行うことができる。3次元CAD・CAEを用いて,熱流体分野の最適設計を行うことがある程度できる。3次元CAD・CAEを用いて,熱流体分野の最適設計を行うことができない。
評価項目5CAEソフトの長所、短所を理解することができる。CAEソフトの長所、短所をある程度理解することができる。CAEソフトの長所、短所を理解することができない。
評価項目6熱流体に関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できる。熱流体に関する専門科目を試作品の設計、製作にある程度適用できる。熱流体に関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
前期:3次元CAD/CAE/CAMによる手巻きウインチハンドルの設計・製作、破壊試験により、材料強度、加工学、デザインの理解度を高める。また運動解析や振動解析を通じて機構学、機械設計法、機械力学の理解度を高める(担当,原田,中尾)。後期:3次元CAD/CAEおよび3次元プリンタを用いて、熱流体の現象面、デザイン面から装置・機械要素の設計およびモデル作成を行い、モデルを実験・解析的に評価することで,熱流体分野の専門科目の理解度を高める(担当,流体,田中)。またITものづくりの知識と技能を修得する。
授業の進め方・方法:
(前期)CAD/CAEの使用方法説明後に,各自デザイン面と強度面から手巻きウインチハンドルの設計を行う。その後グループ毎に学生による評価を行ない,最優秀作品をCAM加工し破壊試験を行う。その改善設計までを評価する。また機械力学分野も同様に進める。すべての演習にレポートを義務付ける。(後期)前期と同様に進めるが、後期は熱流体の観点から最適な設計を行う。優秀作品を3次元プリンタにより造形し,検証試験を行って,設計を評価する。最後にグループ毎に解析・実験結果から設計について検討し,レポートとして提出する。
注意点:
演習および課題レポートの成績:80%
実験中の態度および実験への取り組み姿勢:20%
なお,演習課題ならびにレポートが未提出の場合には合格点を与えない。
評価基準:60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 設計上重要な材料強度評価について 脆性破壊、疲労破壊、降伏の発生を判断するパラメータを説明できる。
2週 3D-CAD/CAEソフトの操作方法1 3D-CAD/CAEソフトの基本的な操作ができる。
3週 3D-CAD/CAEソフトの操作方法2 3D-CAD/CAEソフトの応用操作ができる。
4週 手巻きウインチハンドルの設計1 手巻きウインチハンドルの形状、外観についての構想を作成できる。
5週 手巻きウインチハンドルの設計2 構想にもとづいて、具体的な形状を作成できる。
6週 手巻きウインチハンドルの設計3 強度と軽量化の両面から具体的な形状の修正ができる。
7週 グループディスカッション ディスカッションにより、グループ内の最優秀ハンドルを選定できる。
8週 ディスカッション結果に基づく設計再検討 3D-CAD/CAEソフトを駆使して、最優秀ハンドルを改良することができる。
2ndQ
9週 CAM Worksを用いたハンドルの加工 CAM Worksを用いたハンドルの加工の過程について理解できる。
10週 運動モデルの最適設計 CAEを使って振動解析ができる
11週 振動解析(1自由度から多自由度まで) CAEを使ってさまざまな振動解析が出来る
12週 振動モデルの最適設計 振動モデルの最適設計が出来る
13週 振動モデルの実証試験 実証試験の結果と比較検討をすることができる
14週 手巻きウインチハンドルの破壊試験 ぜい性破壊の特徴を説明できる。
15週 破壊試験結果に基づく設計検証 作成した最優秀ハンドルの破壊試験を行い、3D-CAD/CAEソフトの結果と比較し、両者の相違の原因を究明し、相違を小さくする方法について考察できる。
16週
後期
3rdQ
1週 CAE説明、外部流れ(風車ローターの解析) CAEを用いた流体解析の方法を理解し、提供された風車ローターの外部流れの計算ができる。
2週 風力ローターの解析および評価 風車ローターの解析を行い、計算後の処理(可視化など)を行うことができる。
3週 各自のモデル設計1(ブレード形状) 風車ローターの設計に必要なパラメータを決定し、ブレード形状の基本的な構想を立てることができる。
4週 各自のモデル設計2(風車ローター周りの流れ解析) 設計したブレード形状の風車ローターの流体解析を行う。
5週 各自のモデル設計3(風車ローター周りの出力性能の評価) 設計したブレード形状の風車ローターの流体解析結果から、流れ場および出力性能の評価を行うことができる。
6週 グループディスカッション ディスカッションを通して、各グループの風車ローターの比較・検討を行い、最適な風車ローターの選定を行うことができる。
7週 モデル製作 3Dプリンターを用いて、設計した風車ブレードの製作を行うことができる。
8週 風力発電の風洞実験・評価 製作した風車ブレードを用いて、風洞試験による出力性能実験を行い、解析および実験結果をレポートにまとめることができる。
4thQ
9週 内部流れ(多層平板内の熱伝導) 多層平板内の熱伝導の解析をし、理論計算結果と比較検討できる。
10週 内部流れ(多層円筒内の熱伝導) 多層円筒内の熱伝導の解析をし、理論計算結果と比較検討できる。
11週 内部流れ(発熱体のある空間内の熱移動) 発熱体のある空間内の熱移動の解析ができる。
12週 外部流れ(物体周りの自然対流) 物体周りの自然対流の熱移動の解析をし、理論計算結果と比較検討できる。
13週 外部流れ(物体周りの強制対流) 物体周りの強制対流の熱移動の解析をし、理論計算結果と比較検討できる。
14週 実際の装置を用いた熱移動(解析) 実際の装置を用いた熱移動現象の解析ができる。
15週 実際の装置を用いた熱移動(実験) 実際の装置を用いた熱移動現象について、実験結果と計算結果を比較検討できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。3後9
機械設計機械設計の方法を理解できる。3前6
力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。3前8
多軸応力の意味を説明できる。2前1
振動の種類および調和振動を説明できる。4
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
熱流体フーリエの法則および熱伝導率を説明できる。2後9
平板および多層平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱抵抗を計算できる。2後9,後10
対流を伴う平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱通過率を計算できる。2後9,後12
ニュートンの冷却法則および熱伝達率を説明できる。2後12,後13
自然対流と強制対流、層流と乱流、温度境界層と速度境界層、局所熱伝達率と平均熱伝達率を説明できる。2後12,後13
平板に沿う流れ、円管内の流れ、円管群周りの流れなどについて、熱伝達関係式を用いることができる。2後12,後13
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。3後8,後14
専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。2後15
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。2後15
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。2後15
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。2後15
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。2
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。2
共同教育共同教育高専で学んだ専門分野・一般科目の知識・教養が、企業及び社会でどのように活用されているかを理解し、技術・応用サービスの実施ができる。2
問題解決のために、最適なチームワーク力、リーダーシップ力、マネジメント力などを身に付けることができる。2前7,後6
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などの必要性を理解できる。2
技術者として、生きる喜びや誇りを実感し、知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践創造的な活動を楽しむことを理解できる。2
技術者として、社会に対して有益な価値を提供するために存在し、社会の期待に十分応えられてこそ、存在の価値のあることを理解できる。2

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合01000000100
基礎的能力060000060
専門的能力040000040
分野横断的能力0000000