機械加工学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機械加工学
科目番号 0226 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教 科 書:「機械製作要論」 鬼鞍 宏猷ほか 養賢堂。 参考図書:「要訣 機械工作法」和栗 明ほか 養賢堂
担当教員 細野 高史

到達目標

1.鋳造の種類と特徴を理解し、説明できる。
2.塑性加工の種類と特徴を理解し、説明できる。
3.溶接と熱処理の種類と特徴を理解し、説明できる。
4.切削加工の基礎理論を理解し、説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1鋳造について深く理解し、部品の目的に合致した鋳造法を提案できる。鋳造について概ね理解し、加工方法を説明できる。鋳造についてほとんど理解できていない。
評価項目2塑性加工について深く理解し、部品の目的に合致した塑性加工法を提案できる。塑性加工について概ね理解し、塑性加工法を説明できる。塑性加工についてほとんど理解できていない。
評価項目3溶接と熱処理について深く理解し、部品の目的に合致した溶接と熱処理法を提案できる。溶接と熱処理について概ね理解し、溶接と熱処理法を説明できる。溶接と熱処理についてほとんど理解できていない。
評価項目4切削理論の基礎を深く理解している。二次元切削、構成刃先、切削条件と切削抵抗の関係を理解している。切削理論の基礎をほとんど理解できていない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械を構成する数多くの部品が所期の役割を果たし、機械全体としての機能を発揮するためには、個々の機械部品に適切な形状・強さ・運動が必要とされる。この講義では部品の形状を作るプロセスのうち、鋳造・塑性加工・溶接の各方法を知るとともに、除去加工の基礎となる切削理論を理解する。また部品に必要な強さをはじめとする機械的特性を与えるための熱処理について知る。
授業の進め方・方法:
「機械製作要論」の教科書および配布資料に基づいて講義し、随時小テストを実施する。
この講義は機械加工実習の各科目と密接に関連しており、機械加工実習Ⅰ、Ⅱについて復習して講義に臨み、またこの講義の内容を踏まえて機械加工実習Ⅲに取り組むことが極めて重要である。また、機械材料学と加工学は車の両輪と言え、また機械設計においては常に加工法を考慮する必要があるため、これらを互いに関連して理解することが求められる。
関連科目:機械材料学、機械加工実習(Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ)、機械設計製図、品質管理
注意点:
点数配分:中間試験30%、期末試験30%、小テストの合計点15%、レポート25%
60点以上を合格とする。  
再試を行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 機械製作の手順と概説 ものづくりの方法について概要を説明できる。
2週 鋳造(1)鋳物材料、溶解 鋳物材料について説明できる。
3週 鋳造(2)鋳型、鋳造法 鋳造法について説明できる。
4週 鋳造(3)鋳型方案、鋳物設計 鋳型方案について説明できる。
5週 塑性加工(1)圧延、押し出し 塑性加工の概念と、圧延について説明できる。
6週 塑性加工(2)鍛造 鍛造の概念と効果について説明できる。
7週 塑性加工(3)曲げ、深絞り その他の塑性加工の方法を説明できる。
8週 溶接・接合(1)融接、圧接 溶接の方法について説明できる。
4thQ
9週 溶接・接合(2)熱影響、欠陥と検査 溶接における熱影響層について説明できる。
10週 熱処理(1)材料と組織 鋼の材料学的性質を説明できる。
11週 熱処理(2)熱処理のプロセス 熱処理の具体的方法を説明できる。
12週 切削加工(1)除去加工の概要と切削様式 除去加工の概要と切削様式について説明できる。
13週 切削加工(2)切削機構 切削のしくみ、切りくずの形態、構成刃先について説明できる。
14週 切削加工(3)切削動力 切削条件と切削動力の関係を説明できる。
15週 切削加工(4)切削工具 切削工具の材質、種類、損傷について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。3
鋳型の要件、構造および種類を説明できる。2
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。2
鋳物の欠陥について説明できる。2
溶接法を分類できる。3
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。2
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。2
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。2
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。3
鍛造とその特徴を説明できる。2
プレス加工とその特徴を説明できる。2
転造、押出し、圧延、引抜きなどの加工法を説明できる。2
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。2
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。1
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。1
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。1
切削工具材料の条件と種類を説明できる。3
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。3
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。3
材料金属と合金の結晶構造を説明できる。1
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。1
合金の状態図の見方を説明できる。1
塑性変形の起り方を説明できる。1
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。1
焼きなましの目的と操作を説明できる。2
焼きならしの目的と操作を説明できる。2
焼入れの目的と操作を説明できる。2
焼戻しの目的と操作を説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75000025100
基礎的能力0000000
専門的能力75000025100
分野横断的能力0000000