機械材料学

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機械材料学
科目番号 0228 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:「機械金属材料学」、黒田大介 編著 実教出版   その他プリント
担当教員 川上 雄士

到達目標

1.金属材料の種類と代表的性質を習得する。
2.金属材料の性質を理解し利用技術を習得する。
3.金属材料の基礎的な合金状態図を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1金属材料の種類と代表的性質を理解し,説明できる。金属材料の種類と代表的性質を理解できる。金属材料の種類と代表的性質を理解できない。
評価項目2金属材料の性質と利用技術を理解し、説明できる。金属材料の性質と利用技術を理解できる。金属材料の性質と利用技術を理解できない。
評価項目3金属材料の基礎的な合金状態図を理解でき、てこの原理を用いて計算できる。金属材料の基礎的な合金状態図を理解できる。金属材料の基礎的な合金状態図を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
代表的な工業材料である金属材料の特性や製造法を知ることは、製品設計や生産技術に携わる上で必要不可欠な知識である。
本講義では、金属材料について、結晶構造、塑性変形、溶融・凝固および状態図などの基礎的な事項およびその応用について解説する。
授業の進め方・方法:
教科書とプリントを用いて講義を行う。金属材料を用いた設計、加工技術および利用技術に必要な材料特性を説明する。機械科としてはなじみのない内容を多く含むので、出来るだけ重要な部分にポイントを絞って分かりやすく解説する。またサンプルを多く提示して、理解しやすく、印象に残るように説明する。
注意点:
定期試験(中間試験40%+期末試験40%)80%、小テスト・課題等20%として評価する。
到達目標に記載した内容を主な評価基準とする試験を実施し、60点以上を合格とする。
必要に応じて再試験を実施するが、評価は60点とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 金属の結晶構造 金属と合金の結晶構造を説明できる。
2週 ミラー指数 ミラー指数を用いて立方晶の面・方向の表記ができる。
3週 転位運動と塑性変形 塑性変形の起りかたを説明できる。
4週 加工硬化と再結晶 加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。
5週 溶体化・焼き入れと析出硬化 溶体化・焼き入れと析出硬化について説明できる。
6週 金属材料の強化方法 金属材料の強化方法について理解し、説明できる。
7週 金属材料の重要な特性 金属材料の重要な特性について理解し,説明できる。
8週 金属材料の機械的性質評価方法(引張試験、硬さ試験、各種試験) 金属材料の機械的性質と試験方法について理解し,説明できる。
4thQ
9週 平衡状態図の概念(溶融、凝固、合金) 金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。
10週 二成分系平衡状態図 合金の状態図の見方を理解できる。
11週 全率固溶型平衡状態図(てこの関係) 全率固溶型平衡状態図について理解し、各相の割合をてこの原理を用いて計算できる。
12週 共晶反応型平衡状態図 共晶反応型平衡状態図について理解し、各相の割合をてこの原理を用いて計算できる。
13週 その他の平衡状態図(包晶反応型、偏晶反応型)
実用合金の平衡状態図(Fe-C系、Al-Cu系)
その他の平衡状態図(包晶反応型、偏晶反応型)について理解し、説明できる。
14週 代表実用金属材料と諸特性(鉄鋼材料) 鉄鋼材料の種類と諸特性を理解し、説明できる。
15週 代表実用金属材料と諸特性(非鉄金属材料) 非鉄材料の種類と諸特性を理解し、説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。3後7
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。3後5,後7,後15
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。3後8
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。3後8
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。3後8
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。3後8
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。3後8
金属と合金の結晶構造を説明できる。3後1,後2,後15
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。3後9,後10
合金の状態図の見方を説明できる。3後5,後9,後10,後11,後12,後13
塑性変形の起り方を説明できる。3後3,後6
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。3後4,後6
鉄鋼の製法を説明できる。3後14
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。3後13,後14
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。3後13,後14
焼きなましの目的と操作を説明できる。3後6,後14
焼きならしの目的と操作を説明できる。3後6,後14
焼入れの目的と操作を説明できる。3後6,後14
焼戻しの目的と操作を説明できる。3後6,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力4000001050
専門的能力3000001040
分野横断的能力100000010